なんか最近、中の人が頑張ってるね。
SHARPやパイン飴の中の人がフランクなのは結構有名だけど、最近ではアメリカ在日海軍司令部が「ロナルドレーガン(空母)日本にください」ってツイートに『やだ』って即答したり。
これぞSNSって感じだね。
誹謗中傷するためのものじゃなくコミュニケーションツールだからね、楽しく使おうよ。
さて、そんな中岩波ション所さんのツイートが結構面白い。
岩波新書さんが「中国寄りだと」とか言われてることに対して呟いたTweet。
要約すると
「岩波新書は中国寄りだとか言われてるけど、そういう人たちは明日本屋に来てね。『中国』と呼ばれる地域の多元性に焦点を当てた本で、学問とはどんなものか感じさせてあげますよ。」
まぁ例のごとく一部のネット民によって「偉そう」とか「上から目線」という批判的なコメントがあったらしいが、それに対しても
「このツイートが『上から目線』だという批判をいただいてます。『美味しんぼ』の山岡士郎の有名な言い回しを模したため、そのような印象を与えたようです。」
と意図を説明。
そう、最近の若者は知らないかもしれないが、この言い回しは「美味しんぼ」での山岡士郎が料理人やグルメ気取り、勘違い野郎にいう有名なセリフまわしだ。
「本当の寿司を食わせてやる」
「1週間後に食べさせてやろう」
などなど。
海原雄山の「こんなものが食えるか!」「店主を呼べい」と同じく、山岡士郎が料理に満足できなかった時に、諭すように言う定番のセリフだ。
ホイチョイプロダクションの漫画「気まぐれコンセプト」でもパロディされてた。
しかし、これだけでこの話は終わらない。
岩波新書のライバル、中央公論新社の新書部門「中公新書」が岩波新書のTweetを引用してTweet。
なんとこちらは京極さんの名台詞を模して、「岩波はん、なんちゅうもんを出してくれたんや...なんちゅうもんを...」と。
これは同じく美味しんぼの、京極万太郎さんの有名なセリフ。
鮎対決で山岡士郎の後、海原雄山が出した鮎を食べての京極さんのセリフ。
「なんちゅうもんを食わせてくれたんや・・・」(涙ボロボロ)
岩波新書と中公新書、仲がいいのか。
まぁこういうやりとりは微笑ましくていい。
偉そうだとか上から目線だとか、しょうもないクレームもどきの誹謗・中傷する暇あったら、本を読めよ。
京極万太郎さんは、第1巻第4話ですでに登場してる。
登場時はルノワールの絵を貸すの貸さないので、接待の料亭の料理にケチをつけてごねてた京極さん。億万長者に「ケツの穴の小さい爺さんだ」とケンカを売る山岡士郎。
そしてこの時に「明日またご馳走させてもらえませんかね」と山岡が言う。その後に続く黄金パターンが初登場した。
そして翌日岡星で京極さんに出したのが美味しい米と味噌汁とイワシの丸干し。貧相な献立にうろたえる周りを制し、食べ始め、満足する京極さん。めでたしめでたし、ルノワールを貸してくれることに。
そして最後に京極さんは山岡に言う。
「ところであんた・・・、最初に会うた時から気になっとったんやが・・・」
「あんた、海原さんの息子さんと違うか?」
この回には京極さんをはじめ、その後幾度となく登場する岡星や辰さんも初登場(海原雄山は第6話で初登場)。その後の美味しんぼには欠かせない名脇役勢揃いの回であり、美味しんぼの食に対する方向性(高価や贅沢な食材だけが満足させるものではない)を打ち出した記念すべき回だ。
前述の「なんちゅうもんを食わせてくれたんや・・・」はこの回ではない。
第64話だ。
京都に帰ろうとして東京駅の階段で転んで、捻挫で入院した京極さんを見舞う東西新聞社の面々。「病院の飯は口に合わへんでなぁ」と嘆く京極さんに「早く美味しいもん食べたい一心で回復早まるかも」と言う山岡。
「じゃぁ退院したら美味しいもんご馳走してな」「天ぷらがエェなぁ、鮎の天ぷらが食べたい」という京極さん。山岡も了解したところで、海原雄山が見舞いに登場。
「退院したら美味しいものをご馳走しましょう」と言う雄山に「いや、山岡はんにすでに鮎の天ぷら頼んだし」と答える京極さん。
「天ぷらの揚げ方もろくにわかってない上に、鮎のことを知りもしない男が、鮎の天ぷらか。恥の上塗りのまた上塗りだ」とケンカを売る雄山。
まぁ定番のパターンね。
雄山VS士郎の「それほどまでいうなら食わせてやる」「食わせてみろ」は、度々登場している。
そして退院後、これまた美味しんぼ重要キャラ、雄山の師匠であり人間国宝の陶芸家、唐山陶人の家で鮎対決。
山岡の後に雄山が出した鮎を食べての京極さんのセリフがこれ。
「なんちゅうもんを食わせてくれたんや・・・」
吟味して保津川の10cmの鮎を出した山岡に対し、雄山が出したのは京極さん生まれ故郷の高知・四万十川の鮎。
「最良の材料だとか、最高の技術だとかではなく、もてなす心だ」と一喝する雄山。
「お前は以前、京極さんが四国の出身と知ってイワシの丸干しを出したことがあるはずだ」と。(京極さんが米相場で立身したとかも考慮してた)
「鮎の味は川によって違う。それならどこの川の鮎が京極さんに喜ばれるかわかりそうなもの。それを鮎に関する小賢しい知識で忘れてしまうとは・・・」
どんなに最高の材料と料理と店を用意しても、もてなす心が大事なんだと諭す雄山。
言い方は毎回きつく、今でいうパワハラだが、言ってることは正しい。
そして、不思議なことになぜか海原雄山は京極さんに優しい。
以前も普段どんな食事をしてるかを「京極さんに見せろと言われたら断れん」と言ってたし、雄山を尊敬するという若い寿司職人にも「京極さんのオススメとあれば間違いありますまい」と言ってた。
京極さんは、まだ陶芸家としても美術家としても売れていないころの雄山を知っていて、美食倶楽部も立ち上げたころから知ってるのだろう。
究極と至高の対決でも審査員として対決を見守り、そして山岡士郎と海原雄山を仲直りさせようと何かと世話を焼く。
京極万太郎。かなりいいキャラクターである。
美味しんぼ。アニメ版。
10月2日から、公式YouTubeチャンネルで期間限定で無料配信中。
1988年10月から日本テレビ系で放送された全121話。
今こそ、
「なんちゅうもんを食わせてくれたんや・・・」
を見るチャンスだ。
ちなみに以下はコミックスで、山岡の「食べさせてやるよ」セリフのあった回を一部抜粋。
町の洋食屋でも
料理の腕自慢の会社社長の別荘でも
浅草の豆腐料理専門店でも
成り上がりのデパート社長に対しても
他にも小籠包や寿司など様々な食材、料理で「食べさせてやろう」がある。
是非、アニメ観て探してみてくれ。
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