GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

カツオのユッケ

2015-03-08 03:18:41 | FOOD&DRINK
野菜と同じく魚には旬がある。
最近は養殖や活けこみの発達で、年がら年中出回る物もあるが、やはり天然物は旬の時期に食べると美味い。

魚介類の旬は、年に二回あるものもあれば、通年変らず美味しいのもあるし、地方によって旬が様々のものもある。
大量に捕れる旬だから安い物もあれば、旬じゃないから安いからってものもある。ついつい安いから買ってしまう事がある。夏の鮃や初夏の鯛のようにスカスカの物を食べてしまった時は「これは勉強代だ」と思うようにしてる。

この旬のものが、出回り始めた時期を「走り」とか「初物」と呼ぶ。
初物を食べると寿命が延びるとか、縁起物だからとかで旬の時期より高い。寿司屋や割烹じゃないんだからわざわざ高い走りの物を買う必要は無い。でも、最近はとにかく早く早くって傾向にあるみたいで、本当の旬を外した時期に大量に出回ってしまう。もう少し待てば脂がのってもっと美味しくなるし、安くなるのにって思うけど、スーパー等では旬より早く出回る。
鮎みたいに解禁日が決まってれば、それより早く出回る事が無いが、そもそも天然の鮎なんてそんなに出回ってないし、あっても高くて手が出ない。養殖に旬は無いから解禁日ってあまり関係ないんだけどね。でも、やっぱり鮎は初夏に食べたい。
鰻だってそうだ。本当の旬は冬なのに、脂っぽいから夏に敬遠されて売れなかったのを「土用の丑は鰻」って宣伝した平賀源内のせいで(諸説有り)今じゃ鰻は夏が旬と勘違いされてたりする。まぁ天然の鰻は産地・地元以外では食べられないから鮎と一緒で旬は無いようなもんだが。

で、今日いつもの魚屋に生カツオの冊があった。
なんでこの時期に?江戸っ子が女房を質に入れてまで食べたがった初鰹のシーズンはまだまだ先だ。走りにしても早過ぎる。脂ののった戻り鰹にしては遅過ぎる。でも、天然もの。見た目にも美味そうだ。しかも安い。

とりあえず買って家で刺身にしようと思ったら、肉質が柔らか過ぎて俺の包丁技術じゃ綺麗な刺身が引けそうにない。
じゃぁタタキだ。でも皮が既に引いてあるから美味しくなさそうだ。タタキは皮が美味いんだもの。
ちょっと切れ端をつまんで食べてみたらやはりこの時期の鰹だ。アッサリして血合いの味もしない。じゃぁマグロと同じようにヅケにするか。生姜とニンニクを溶いた醤油に漬けてみるか。うーんありきたりだなぁ。
ここでひらめいた。そうだ!ユッケにしてみよう。
牛肉でも鯨でもマグロでも、叩いて卵黄と絡めたら美味い。赤身と卵を混ぜる方法は誰が考えたのか知らないが、ノーベル賞物だね。

で、鰹をワイルドに切って叩いて軽くヅケにしてから卵黄絡めて喰ってみた。
美味い。正解だ。アッサリしてる赤身と卵黄が絡み、御飯がすすむ。多分お酒にも合う。
ワサビ、辛子、生姜、ニンニクも一応皿の横に用意したが、あまり必要なかったな。



旬の時期なら絶対こんな食べ方はしないが、ユッケで食べるのは「あり」じゃないかな。是非お試しを。


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