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バーボングラス片手のロックな毎日

桜の塔 イマイチ入り込めないドラマ

2021-05-08 15:00:21 | MUSIC/TV/MOVIE

面白いんだけど、わかりづらいなぁ。

それがこのドラマ「桜の塔」の印象。

 

玉木宏主演のこのドラマ、今までの警察物と違って犯人逮捕とかより、警察組織の闇に焦点を当てたドラマ。

警視庁キャリアの玉木宏は、警察官だった父が自殺した事件を探るべく、警察組織の頂点(警視総監)を目指している。そのために非合法な手段な操作や捏造も厭わないダーティな警視。

警視庁捜査一課警部補の広末涼子は、幼馴染の玉木宏の強引なやり方に抗議しつつも何かと協力する。

ってのが基本の筋なんだけど、これがまたえらいわかりにくいの。

 

警視総監に段田安則、警視監に椎名桔平・光石研・吉田鋼太郎、広末の部下に岡田健史、玉木宏をサポートするクラブのママ・高岡早紀と元警察官・橋本じゅん。そして派閥の上司である椎名桔平の娘・仲里依紗。豪華メンバー。

なのにただでさえ、警察組織の構図なんてマニアくらいしかわからないことをテーマにしてるが故に、組織の対立や上下関係を描くのだが、よくわからん。そもそも警察組織の構図がよくわからん。

そこに事件の発生から解決が、実は玉木宏が評価を得る(成り上がる)ために仕組んだ策略だったとか、警察官だった父が死んだ過去の思い出とかまで組み合わせるもんだから、もう何が何だか。

話があっちゃこっちゃ行ってよくわからんのよ。

 

もっとひとつのことに焦点当てて描いたら、このキャストだ、きっといいドラマになっただろうに。

ストーリーもそうだけど、色々アラが目立ってさ。

玉木宏のプロファイリングが「BOSS」の天海祐希よりチャチイとか、玉木宏は勤務中にスキットルで酒を飲んだりワイルドさを演じてるのだが、どうしても「竜の道」の辛気臭さがハナにつくのよね。

それを察してか、所々にコメディシーンが入るんだけどなんか空回り。いっその事「極主夫道」くらいはっちゃけてくれたらいいんだけどね。同じく「極主夫道」でお茶目な組長役だった橋本じゅんもでてることだしさ。

広末涼子に好意を抱いてる刑事を岡田健史が演じてるんだけど、橋本じゅんとコンビ組ませて「それMIU404のオマージュ?」って匂わせるとかさ。

 

だいたいまず、一般の人は警察組織の階級がよくわかっていない。組織図だってよくわかっていない。

「太陽にほえろ」とか「西部警察」とか、それまでの警察ものではそんなこと描かれなかったもんね。ただ単に刑事たちがチームワークで捜査してホシをあげる。階級社会は多分「踊る大捜査線」でようやく一般に知れ渡ったんじゃないかな。所轄とか、管理官とかね。それこそ「事件は会議室でおこってるんなじゃない」だ。

警察組織や階級を、知ったかぶりして記載してみる。ただし俺は警察マニアではないので、多少の間違いがあっても許してくれ。特に警視庁と各都道府県警では若干組織体系が異なる。

 

大きく分けて国家公安委員会と警察庁にわかれる。

警察庁には警視庁・管区警察局(道府県警察)・内部部局がある。

警視庁は東京都の警察で、ドラマで「本庁から」と言われてるのはほぼ警視庁のことを指す。「相棒」とか「捜査一課長」とかの舞台はここ警視庁だ。

管区警察局は各都道府県の警察本部のこと。神奈川県警とか大阪府警とかね。「踊る大捜査線」で出てきた「所轄」は、更にこの各都都道府県の区や市などにある警察署のこと。更に交番・派出所・駐在所などが連なる。

内部局には情報通信局・警備局・交通局・刑事局・生活安全局・長官官房などがある。更に警備局は公安課や警備課、刑事局は組織犯罪対策部・捜査第一課・捜査第二課などがある。

公安のことや機動隊やSATとか、110番通報やサイバーテロ何ちゃら、科捜研なんかがどこに所属してるとかまで書くと、これまた一冊の本が出来上がってしまうので、この先は自分で調べてくれ。

次は階級。

警察組織は全国29万人で構成されていて、警視庁だけでも4万6千人いる。

 

●警察庁長官

1人/高級官僚/警察法による階級制度が適用されない地位/警察庁すべての職員の任免権や懲戒権限を持つ

●警視総監

1人/高級官僚/警察法におけるトップ/警視庁本部長

●警視監

38人/高級官僚/警視庁副総監/各部署の部長職

●警視長

警察官全体の約0.5%/キャリアは約20年で準キャリアは定年前になれるがノンキャリアでは数名しかなれない

●警視正

警察官全体の約0.5%/国家公安委員会が任免/警察署署長/一般職国家公務員

●警視

警察官全体の約2.5%/警部実務経験や年数で考慮/空席待ち/警視以下は地方公務員

●警部

警察官全体の約6%/ノンキャリアは警部補4年の実務で昇任試験資格/キャリアは無試験で選考のみ

●警部補

警察官全体の約30%/現場監督的なポジション/キャリアはここからSTART

●巡査部長

警察組織の初級幹部/道府県警察署主任/交番所長/準キャリアはここからSTART

●巡査長

所轄署・交番・派出所・駐在所勤務/巡査の指導など

●巡査

俗に言われるおまわりさん。所轄署・交番・派出所・駐在所勤務以外にも道府県警察署での捜査や事務を行う者もいる。

 

キャリアっていうのは国家公務員試験の総合職試験・上級甲種試験またはI種試験合格者で中央省庁に採用された国家公務員。各省庁に存在する俗に言われる背広組のエリートで出世が早い人のこと。

今回「桜の塔」での玉木宏はキャリア組で、ポジションは警視から警視正に昇進したところ。広末涼子はノンキャリアの警部補で、部下の岡田健史はキャリアの警部補だから、正確には部下ではない。

警視監は光石研(警務部長)、吉田鋼太郎(警備部長)、椎名桔平(刑事部長)で、それぞれ「東大派」「薩摩派」「外様派」の派閥を持ち、警視総監の椅子を虎視眈々と狙ってる。

ここで「本部長」とか「管理官は」とか「参事官って何」とかまで言い出すと、これまた一冊本が書けるくらいになるから、自分で調べてくれ。

 

でも、これ書いてて、いろんな警察・刑事ドラマでの役職が思い浮かんだので、ついでにそれは書いておこう。どんどん「桜の塔」のレビュー(本題)からずれていっているが、まぁいつものことだ、許してくれ。

 

●警察庁長官

小野田公顕(相棒/警察庁長官官房室長/←警視監)

●警視総監

橘朝子(奥様は警視総監)

●警視監

甲斐峯明(相棒/←警察庁次長→警察庁長官官房付)

●警視長

内村完爾(相棒)

●警視正

大岩純一(警視庁・捜査一課長)/中園照生(相棒)/野立信次郎(BOSS)

●警視

室井慎次(踊る大捜査線→警視正)/岩崎白昼夢(翔んでる警視)/小早川冬彦(警視庁ゼロ係)

●警部

藤堂俊介(太陽にほえろ)/十津川省三(西村京太郎トラベルミステリー)/銭形幸一(ルパン三世)/目暮十三(名探偵コナン)/大澤絵里子(BOSS)

●警部補

杉下右京(相棒→警部)/江波敦史(駐在刑事)/糸村聡(遺留捜査)/姫川玲子(ストロベリーナイト)/加賀恭一郎(新参者)/雪平夏見(アンフェア)

●巡査部長

安浦吉之助(はぐれ刑事純情派)/青島俊作(踊る大捜査線→警部補)/大門圭介(西部警察→警部)/浅輪直樹(特捜9→警部補)

●巡査長

大下勇次・鷹山敏樹(あぶない刑事)/両津勘吉(こちら葛飾区亀有公園前派出所)

●巡査

中川圭一・秋本カトリーヌ麗子(こちら葛飾区亀有公園前派出所)

 

 

他にも調べたら誰がどんな役職だったかわかるんだろうけどいいや。

刑事とかおまわりさんとかでいいや。

 

桜の塔、とりあえず第1章完結までは観る。

お父さんを死に追いやった真犯人や事件の全貌は解明できたが、ラストは嫉妬に狂った仲里依紗に玉木宏か広末涼子のどちらかが刺されるってオチだろうな・・・。



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