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バーボングラス片手のロックな毎日

川淵三郎 以前言ったことを忘れたのか?

2020-04-11 15:22:21 | Talk is Cheap

前言撤回というのはある。

その時はそう思ってたのだが、今となってはそうとも言うとられんって事はあるもの。朝令暮改でも構わない。ただ、「ごめん、あれ無かったことに」とか「すまん、あの時はそういったけど、あれ撤回する」といえばね。

それ無しに前言と全く違うことを平気で言う奴は嫌いだ。ボケてるのか、それともとぼけているのかわからないが、ここ最近やたらと多いのだよ。

 

川淵三郎。

彼は4月10日に自身のtwitterで「30年来の親しい友人がコロナウイルスで亡くなった。余りにも身近で同年代だけに悲しみよりも怒りのやり場がない」とつぶやいた。

これだけを見ると「あぁ、友達が死んだから悲しんでるのね。御愁傷様」と思えるのだが、と心がどっこい、このおっさんは新型コロナに対し以前に何と言ってたか、もう忘れてしまってるのかもしれない。

 

以前2月15日に「老害三人衆 森善朗 川淵三郎 テドロス」ってタイトル記事の中でこの人のことを書いた。

Jリーグ初代チェアマン、日本バスケ協会長、この記事の時点では東京五輪・パラ選手村村長の彼は、2月13日の五輪組織委員会の会議に出席したその席で

「いろんな情報を聞く限り、インフルエンザより強いウイルスじゃないと聞いてる」

「ウイルスは湿気や暑さに弱い」「日本には『梅雨』というウイルスをやっつける最高の季節がある」

と、どこからツッコんでいいか戸惑ってしまうかのような迷言を吐いた。

 

北海道から沖縄まで日本全国どんどん新型コロナウイルス感染者数が膨れ上がり始めた頃だ。中国は悲惨な状況だったが、まだアメリカもヨーロッパもどこか他人事だった。

だけど、世界中で猛威をふるうこの新型コロナウイルスは、当時も、今もまだ治療薬も治療方法さえ確立されていないのだ。この未知のウイルスを、医者でも博士でも研究者でもないただのスポーツバカの老人が知ったか知識で語ることに驚いたのだ。

 

そして、川淵はその時こうも言った。

「日本の知識と経験があれば必ず克服できる」

何の知識と経験で克服できると思ったのだろうか。

じじい特有の「ワシの経験上」とか「ワシらの若い頃は」という、過去の経験論・昭和根性論が染み付いた運動バカのじじい。奴らはすぐ、過去の経験など何の役にも立たない新規事案でも、こじつけて根性論や経験論を言う。もちろんその言葉に何の責任感もない。思いついたまま喋ってるだけだもの。

 

この2月15日の時点では、彼や森(元首相)は、まだ東京オリンピック2020を開催するつもりでいたからな。今振り返ってみればかなり恐ろしい。

実際マラソン大会は各地で行われてた。マスコミも「そんなに怖がる必要はない」という風潮だったし、テレビのコメンテーターとして出てくる“なんちゃらに詳しい専門家”とやらも、能天気なことを言っていた。

だから、川淵がこんな発言をしたのはしょうがないとも言える。

しかし、川淵や森の戯言を真に受けて、春の選抜高校野球をはじめ、各地で行われる予定だった学生競技の大会やイベントが中止になってなかったら。さらに聖火ランナーが各地を走ってたら。もし、東京オリンピックの開催が未だに延期になっていなかったら。

今頃どれだけの感染者が日本中に蔓延してたのだろう。

 

その川淵が自分の友人が新型コロナで亡くなったから哀悼するのはわかる。わかるが、その前に公言してた以前の言葉を全て取り消せ。「すまん、甘く見てたと」

 

俺とは赤の他人だし、何をそんなにムキになってるのだって言われそうだが、勘違いしないでほしい。自分には関係ない芸能人の不倫騒動や企業の不祥事で「謝れ」と騒ぐバカと一緒にししないでくれ。川淵に謝ってくれなんておもてないのだよ。

ただ、「前言取り消し」と言わないうちに「悲しみよりも怒りのやり場がない」は無いだろう。しかも「同年代なだけに」ってわざわざつけてる。年配者で持病がある人ほど深刻な症状になりやすいというのは、発症令がではじめた当時から言われてたことだ。

それをあなたは「インフルエンザより強いウイルスじゃないと聞いてる」と誰に聞いたかわからん知識を公言し、「ウイルスは湿気や暑さに弱い」というこれまた根拠の無いことを平気で記者会見で言ったのだよ。

 

そして2月21日のtwitterでは、更に

「いろいろ考えたんだけど...感染を防ぐために人との接触を出来るだけ避ける。そのためにイベントの開催は中止する...という考え方はもっともだけど安易すぎない?」

とつぶやいたよな。

そして

「満員の通勤電車をどう考えるの?生活のために自己責任で通勤するのでは?イベントも自己責任で見に行きたい人が行けばいいということにならない?」

 

満員電車で通勤してるのは、リモートワークやテレワークができない会社や業務の人だ。その中には一般企業、医療、飲食、工場、流通、いろんな職業の方がいるのだ。そして「休めるなら休みたいよ」と思っても休めない人がマスクして恐怖に怯えながらも我慢して満員電車に乗ってるんだ。

脳ミソが筋肉で出来てるのかもしれんが、それくらい考えたらわかるだろ?

不要不急の外出と、イベントやスポーツ大会と、会社の仕事を一緒にするな。お前の家の近くのスーパーにある商品、それぞれにどれだけの人が関わって存在してるかもう少し考えろ。

スポーツのイベントもそりゃいいだろうよ。なら聞くが、そのスポーツイベントやらで、スタジアムの職員や運営スタッフ、広報やマネージメントする人たちなど、すべて車通勤か在宅ワークでできるんだな。

まずは社会の仕組みを勉強しなおせ。

 

そして、「自己責任」とか言ってたくせに、同年代のじじいの友人が死んだら「悲しみよりも怒りのやり場がない」って嘆かれてもなぁ。

今頃になって、人から人へ感染するウイルスが、自己責任なんて言葉でどうこうできないレベルのものだと怖さを知ったのか?

だとしたらよほどの間抜けさだぞ。

 

そして川淵が新型コロナウイルスの猛威は、未だ他人事だと思ってる証拠に、3月27日に小池都知事が「五輪選手村を患者の受け入れ一時施設に」と言ったのに、何の反応もしていない。

小池都知事が「『あれだけのモノ(施設)があるのにどうして使わないのだ』という声も聴いてる」「大会組織委員会の協力も得られればと思う」と言ってるのにだ。

東京五輪・パラ選手村村長だよな、あなたは。

なのに何故それには答えず、自分の友人が死んだことを嘆くのだ。

 

2月15日のブログ記事で俺は「選手村をダイアモンド・プリンセス号の乗客受け入れ先に使ってはどうか」と書いた。「選手村の消毒や衛生管理の見直しでもしとけよ。それくらいの権限はあるだろ?」ともね。

五輪大会時には宿泊棟21棟計3850戸に約1万8000人の各国の選手を受け入れる予定だった選手村。五輪が延期になった今、ガラ空きだろ?なぜ使わんの?アパの社長や、楽天三木谷さんが無償で貸すと言ってるのに、税金と支援金でできた施設(しかも五倫後に販売される)を使わん理屈がわからん。

 

私事(プライベート)で友人が亡くなったのはお悔やみを申し上げる。

しかし、公人(パブリック)としての役職もちゃんとやってくれ。

 

それなのに3月29日のtwitterでは

「自分だけは大丈夫と思わずに強い覚悟を持って可能な限り多人数での行動を自粛しましょう」

と書いてた。

以前に「イベントも自己責任で見に行きたい人が行けばいいということにならない?」と言ってた人が、「自分だけは大丈夫と思わずに」って言っても説得力も何もないわな。

自粛をしようなんてこと言いながら、自分は人と会い、狭い部屋で数人と食事しながら談笑したりしてる気がする。あくまでも想像だが。

 

今回、志村けんさんの話まで出して「見舞いにも臨終にも立ち会えない」と書いててたが、あなたが以前言ってた身勝手で軽はずみな自己責任論でのイベント開催によって観客が感染してたら・・・。その身内はあなたが今回感じた悲しみとやり場のない怒りを感じてたことを考えてくれ。それくらいあなたたち公人の言葉には責任が付きまとうのだよ。被害者ぶってる場合ではない。

悲しみに暮れる前にちゃんと考えろ。

まずは前言撤回。悔やむとか悲しむとか怒るのはその次だ。



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