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バーボングラス片手のロックな毎日

SUITS/スーツ なぜ中島くんのスーツは手抜きなんだ

2018-10-16 04:42:20 | Talk is Cheap

月9でSUITS/スーツが始まった。
織田裕二と鈴木保奈美という、トレンディドラマと言われた黄金期の二人をキャスティング。
もうフジテレビは「若者は月9なんてどうせ観ないんでしょ」とばかりに開き直ったのか、視聴ターゲット層をバブル時の若者(今の中年ね)に絞ってきたな。

とはいえ、このドラマ結構微妙。
アメリカのドラマを日本版にリメイクしたそうだが、本家の方を見ていないので比べようがない。でもさ、あちこちにアメリカナイズされたところが出ててそれがちょっと違和感があるの。
字幕ならともかく洋画の吹き替えで「Hey ハニー、今日もまた美しいねぇ」とか「今日は最悪の日だわ、お気に入りのミートパイが売り切れてたのよ信じられる?」なんて日本語で言われてもなぁって感じの違和感。

織田裕二が洒落たセリフを言おうが、これ見よがしに事務所に野球のボールや、ラグビーボールが飾っていてもなぁ。アメリカ人のメジャーリーグベースボールファンと、日本人の野球ファンでは違うし、ラグビーとアメフトでも違うしな。
織田裕二は前回の『IQ246〜華麗なる事件簿〜』でも思ったが、洒落た役ってなんか似合わないのよね。なぜだろう、踊る大捜査線の野暮ったいスタイルが印象強いからかな。

逆に鈴木保奈美の美しさにはびっくり!鈴木保奈美はこのドラマで織田裕二の上司であり所属事務所の代表弁護士。切れ者でしたたかに並み居る猛者(弁護士)を束ねる知性と美しさを備えた役なのだが、見事なり。
この人は主婦やりながらもコンディションはずーと整えていたのか。普通久々に復帰してくる女優っておばさん臭とか劣化が漂うのだが、それが全くない。「この世の果て」や「恋人よ」の時の美しさそのままだ。

織田裕二のライバルというか引き立て役というかに小手伸也がキャスティングされてる。この人「『コンフィデンスマンJP』で一気に売れたなぁ。このドラマでも最初はただの正体不明の脇役だったのに、最後は長澤まさみ、東出昌大、小日向文世に続く4人目の主役級だったもんな。そして綾野剛版『ハゲタカ』ではナレーション&ラスト回では小林薫に引導を渡す役だったね。
こういう人が出ててるとドラマは締まる。今回のドラマでもコミカルでありながら場を崩さない。ただし、これ見よがしに自分の写真がベタベタと事務所の部屋に貼られてるのは原作ドラマの影響なのかもしれないが、ちょっとダメ。99.9の香川照之の演出イメージを模倣してるのか。これは演出家のミスっていうか安易な手抜きだな。

織田裕二とバディを務めるもう一人の主役、中島裕翔くん。
彼は『半沢直樹』で見た時はまだまだ青臭かったが、99.9では父親の無罪を晴らしたい役で出てた時はかなり良かった。『刑事バレリーノ』のコメディ演技はかなり良かった。あの時は泥臭い感じの高嶋政宏がバディだったが、今回はスタイリッシュな織田裕二のバディ。
瞬間記憶能力を持ち、その記憶力を買われ織田裕二のアソシエイトになる。

しかし、このドラマのタイトル、SUITS/スーツっていうのに彼のスーツの着こなしはダメだ。
海外版の原作を見てないから想像だけど、たぶんこのドラマって、スタイリッシュなエリート弁護士に拾われたラフな格好の問題児がその後スーツを着こなして颯爽と事件を解決するってドラマじゃないのかな。

まだ二回目だからわからないが、1話目の中島くんは完全に吊るしのスーツ。これはまだいい。1話目ラストで織田裕二にお金を渡され「ちゃんとしたスーツを買ってこい」と言われたのに、二話目冒頭ではこれまた吊るしのスーツだった。で、途中で渡されたお金で5着のスーツを買ったってことは仕立てのスーツではなく、量販店の吊るしのスーツを買ったってことだんだろう。中島くんはAOKIのCMにも出てたからね。その兼ね合いもあるのかな。

そしてドラマ中で仕立屋に行ってスーツを仕立てるのだが、それとは別に「今日着て帰れるスーツありますか?」と。田舎の病院から退院させ自分の地元の介護施設に入れるために親友だったやつの妹に頼んで迎えに行かせたおばあちゃんに見せるため。
さてさてどんなスーツに着替えたかというと、ちょっと待て。どう見ても既製服。フジテレビ、ここまで予算ないのか。仕立屋に吊るしはほとんどないと思うがそれにしてもひどい。身長も高く、モデルばり(実際にモデルもしてるらしいが)の中島くんの体型に全然会ってないスーツ。袖口も裾丈も肩幅も全部ダメ。そして何と言ってもひどいのはYシャツ。首回りが合っていない。
一応おばあちゃんや彼女なんかは見違える姿になった中島くんを見て褒めるのだが、これってかなり無理があるぞ。ターゲット視聴者層であるバブル時に国内外のDCブランドを着こなしてた彼女彼らの目をこれで満足させられるのか?

このドラマのスタイリストが悪いのか、それとも演出家が悪いのか。はたまた脚本家が無頓着なやつなのか、ディレクターやプロデューサーが悪いのか。
織田裕二のスーツや着こなし、鈴木保奈美や小手伸也の服も問題ないのだが、肝心の中島くんの服がここまで手抜きとは・・・。
第二話の最後に「弁護士辞めるならスーツ代払えよ」と請求書が同封されてたが、その金額は40万くらい。これって、一話目でスーツ買えてって渡した金か?それとも今日持って帰得る服ありますかの代金か?まだ出来上がってない仕立てのスーツ一式の代金か?どれだ。

そして何と言ってもスーツを着てる人間にショルダーバックを斜めがけにさすなよ。若手で活動的って演出がしたいんだろうが、スーツに斜めがけは完全にタブーだ。型崩れするぞ。
そして内ポケットなどにスマホも入れさすな。ましてやスーツと革靴でロードバイク運転って、もう何が何だか。
演出家、スタイリスト、脚本家・・・どいつもこいつもスーツやシャツを仕立てたことが無い人なのか。すぐさまテコ入れしたほうがいい。

海外ドラマを日本版にするのは無理があるというのは、こういうところが間抜けだからだ。
結構ストーリー的には面白そうなドラマなだけに、すごく残念。
油断してるとどんどん見放されて視聴率落ちていくぞ。
まずは一着仕立てて着てみろ。





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