GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

共演NG 豪華メンバーで見事にコケる

2020-11-02 21:56:20 | MUSIC/TV/MOVIE

船頭多くして舟なんちゃらかんちゃって格言がある。

まさにこのドラマがそう。

『共演NG』

テレビ東京で最近始まったドラマだ。

 

原作・企画は秋元康。

芸能界には「この人とこの人は絶対同じ番組にキャスティングしてはいけない。」ってのがある。そのほとんどが仲が悪いとか、昔モメたとかだが、実はそのほとんどが「らしいで」って噂。

SMAPが出る番組は嵐はNGとか、ジャニーズ系が出る番組にはDA PUNPはダメとか、忖度されたものから、ダウンタウンととんねるずは仲が悪いとか根拠のないものまである。

「ワケあり」「相性が悪い」「キャラ被り」「事務所の関係」・・・その業界にはびこる共演NGをテーマにしたドラマを、秋元康さんが手がけるとなれば見ないわけにはいかない。(なんだこの上から目線は)

 

ドラマはテレビ東洋(テレ東をもじってるのか?)の社運をかけた大型ドラマ『殺したいほど愛してる』。その新ドラマのW主演に、25年前に二股疑惑で破局して以来共演NGと言われた中井貴一と鈴木京香がキャスティングされるとこから始まる。

二人とも嫌がるが、中井貴一は事務所社長・リリーフランキーから会社の懐具合や同時にCM出演などの依頼もあるからさぁと説得されたり、鈴木京香も事務所社長・猫背椿から「シリーズ物のせいでついた役のイメージからの打破」などを言われたり、いろんな大人の事情で渋々OK。

 

そのドタバタがまず描かれるのだが、これが全くダメなのだ。

いや、中井貴一と鈴木京香。今やベテラン俳優と言って過言でないその二人の演技は真に迫ってて、ほんまはこの二人も前になんかあったんちゃうの?って勢いなんだが、見ててどうも感情移入ができないのだ。

 

制作発表の記者会見。

会見会場に相手よりちょっとでも遅く現れイニシアチブを取ろうとしたり、そのせいで会場前で接触事故起こしても、そこは百戦錬磨のベテラン俳優、双方とも颯爽と車を降りて笑顔で再会を祝してのハグ。

そして記者会見。壇上でお互いのコメントを否定しあったりする啀み合いの掛け合いなどのシーンまではまだなんとか見れた。

だが、バズらせるための仕掛けとかで、スポーツ新聞のデスク橋本じゅんが嫌味な質問したりするあたりから「あれ?」って。

見ててイライラしかしないのよ。

っていうか俺は何を見せられてるんだ?業界の裏側を見せられてもなぁ。そんなん別にリアルに知りたくもないし、知られたくもないだろう。

 

だいたい制作発表とか新商品発表の会場で、その作品と関係ない質問をタレントにする記者が俺は大嫌い。

誰か有名人が亡くなられたり事件を起こしたりすると、まず間違いなくそれをする馬鹿記者がいる。今なら伊藤健太郎のことを聞くとかね。伊勢谷友介の時も三浦春馬くんや竹内結子さんの訃報の際もね。

 

さらに25年前の破局会見の映像が流れたり、意地悪な質問が飛んだり。もうこの辺りでうんざりしてたんだが、頑張って続きを見る。

この番組の制作総指揮(ショーランナー)として招聘されたのが斎藤工で、このバズるための宣伝工作を仕掛けたのはその部下の瀧内公美。

この女がもうダメ。資料によると彼女が演じる役の名前は与謝野・M・リリカ。日系人ぽさを出すためかアメリカナイズされた“できる女”に見せるためか、やたら英語混じりの台詞を喋り、指を鳴らす。

映画「シン・ゴジラ」で石原さとみが演じた日系三世カヨコ・アン・パタースンの方がまだそれっぽかった。

指を鳴らすフィンガースナップ、日本名「指パッチン」も、大阪人には故・ポール牧さんの真似にしか思えないため、全然かっこよくない。

 

めちゃくちゃになった記者会見会場の控え室では、他の出演者が待機中。

それらもそれぞれが「共演NG」と言われた人ばかり。

 

新ドラマで鈴木京香の父親を演じる時代劇の大御所・里見浩太朗と、今ではバイプレイヤーとして欠かせない個性派俳優・堀部圭亮も共演NGと言われてきた。

今やいろんなドラマで「この人が出てたらまずこいつが犯人」の堀部圭亮。以前は里見浩太朗の付き人だったがなんか事情があって辞めて渡米してたらしいと言う設定。今後それらは明かされていくのだろう。

 

元アイドルの女優・若月佑美と、現役アイドル・小野花梨。以前彼女らは同じアイドルグループに所属してて、先輩後輩の間柄。

そもそも小野花梨という女優が俺は苦手だ。ムロツヨシ主演の「親バカ青春白書」でもなんかズケズケと入り込む役立ったせいかな。

ちなに若月はその「親バカ青春白書」に「今日から俺は!!」劇場版の番宣でカメオ出演している。

 

戦隊ヒーローもの出身俳優の細田善彦と、人気2.5次元俳優・小澤廉。どちらの俳優ももよく知らないからなんとも言えないが、完全なキャラ被りなのは間違い無いだろう。

 

と言う感じで、中井貴一、鈴木京香、リリーフランキー、里見浩太朗、斎藤工という主役クラスと、橋本じゅん、堀部圭亮、若月佑美、森永悠希など一癖も二癖もある役者ぞろい。

企画原案は秋元康。それをフリーダムな発想で、新しく面白いドラマを連発してきたテレビ東京が制作するとなるとどうしても期待するよね。

でもさ、多分もう二話目から見ない。

だって、面白くないんだもん・・・。

罵り合い、啀み合い、相手の悪口を言い、嫌味を言い、嫌悪感が画面いっぱい漂うドラマ、誰がこれ見るんだ。どんな人がこれ見て「これは来週も見なきゃ」と思うんだ?

普段ネットで誹謗中傷を繰り返して欲求不満解消や憂さを晴らしてる奴限定か?

 

テレビ東京といえば他局では真似のできないドラマを作ってきた。

AKB48メンバーがほぼ全員参加のヤンキーもの『マジスカ学園』、今考えると豪華メンバーな山田孝之×福田雄一監督のゆるゆる冒険ドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズや、同じく福田雄一監督×柳楽優弥の『アオイホノオ』など。

名バイプレーヤー6人を合宿生活させ、実名や実話をバンバン入れた異色のドラマ、大杉漣さんの遺作となった『バイプレイヤーズ』もテレ東だ。

 

今、全盛となったグルメ系ドラマもテレ東は一味違う。

松重豊が飯を食うだけだが今やseason8と続く名作『孤独のグルメ』をはじめ、

もろヤクザの生瀬勝久の作るうまい飯『侠飯』、

高畑充希が失恋の痛手を忘れるために食う『忘却のサチコ』、

西島秀俊と内野聖陽が同棲し食べる『きのう何食べた?」、

 

鈴木京香がラーメン店をコンサルティングする『ラーメン才遊記』など。

グルメ漫画・小説を原作ファンを裏切らない再現性。見るだけで腹が減り「飯テロ」と呼ばれる見事さ。

 

骨太のドラマもテレ東は忘れちゃいけない。以前も書いたが、このドラマBiz枠では、大人の社会ドラマを次々と作っているのだ。

江口洋介主演で企業ヘッドハンティングを描いた『ヘッドハンター』

仲村トオル主演で企業再生を描いた『ラストチャンス 再生請負人』

唐沢寿明主演で企業コンプライアンスを描いた『ハラスメントゲーム』

真木よう子主演で銀行内部の不正を暴く『よつば銀行 原島浩美がモノ申す!』

玉木宏主演で町工場の再生を描いた『スパイラル 町工場の奇跡』

反町隆史主演で弱い被害者に寄り添い弁護する『リーガル・ハート』

小泉孝太郎主演で地域医療制度を考える『病院の治し方』

 

こんな数々の面白いドラマを作ってきたテレビ東京のドラマ枠。

共演NG。多分もう二話目から見ない。

だって、面白くないんだもん・・・。(大事なことだから二度書きました)

 



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