これは驚きです。世界遺産登録の認定委員会が、奄美大島(含む徳之島)、沖縄本島(北部のみ)、西表島をセットにした、新たな自然遺産登録を、明確に否定したというニュース。
「独自の生物進化がみられる」については「合致しない」ということらしいのですが、いったいどんな基準で、そのような「信じがたい」結論が導かれたのか?
大袈裟でもなんでもなく、これらの島々は、「独自の生物進化」という点では、地球上で最大の(突出したとさえ言って良い)意味を有した地域です。
奄美や沖縄は、ガラパゴスなどに比べれば「独自の生物進化」に関して100倍の大きな意味を持っています。しかし大衆はそのことに対する知識・認識を持ち合わせていません。それは仕方がないとしても、専門家?の集まりたる認定会のメンバーも、まさか、生物地理学的知識を全く持ち合わせていない、ということはないでしょうね。
「独自=派手=一般受け」ということなんでしょうか?
好意的に考えれば、(僕が常々主張しているように)これらの島々は、それぞれ全く違った要素での「独自性」を有しているわけで、その意味で(3地域を合わせてトータルに見渡した時は)「独自」とは言えない、と結論付けたのかも知れません。
だったら、3地域を個別に登録すれば良いのです。各単独でも、他の自然遺産登録地に勝るとも劣らない(例えば屋久島と同等レベルの)自然の豊富さと独自性を有していますから。
でも「世界に類を見ない」ということで言えば、それぞれ性格の全く異なった3つの地域が(本来なら既に登録済みの屋久島も加えて)、九州と台湾の間に連なる同じ「南西諸島」というエリアに踵を接して共存する、、、。
これは凄いことですよ! 地球上にそのような地域はほかに存在しないと言って良い(敢えて言えば広義の「モルッカ諸島」)。それ(南西諸島)を一括して評価することこそ、大きな意味があるのではないかと思うのですが、、、。
もっとも僕の都合としては、「6月24日から7月4日にかけての世界遺産委員会で正式決定されるが、今年の登録は厳しい見通し、来年以降に再挑戦、、、」となったならば、個人的には有難いです。6月27日の小笠原復帰50周年取材も、予算的に難しいですし、さらにこちらが加わると、完璧にお手上げ状態になります。来年回しになって貰った方が助かります。