登校拒否・不登校に学ぶ フレンズネットワーク くまもと  【不登校 命を守る 子の反応】  一人で悩まないで!  

不登校から学んで、子どもたちを取り巻く環境を改善しようと1997年に設立した団体です。その活動や想い等をつづります。

フレンズ立花高校見学ツアー 会報 ふれんず122号 より

2019-08-27 22:12:07 | 会報「ふれんず」から

10年前の会報から

 

「フレンズ立花高校見学ツアー」報告

7月29日に運営委員ら5名で、1台の車に乗って福岡の立花高校の見学に行ってきました。この高校に通う8割が元不登校だった子だと聞いて、一度行ってみたいということになり、急きょ実現したものです。

ひどく急な坂道をちょっと恐い思いで登って学校へ着くと、ホワイトボードにかかれた歓迎の言葉と、五人分のスリッパが私たちを迎えてくれました。声を掛けると、数名の先生と奥から校長先生が出てきてくださり、その後も校長が付きっ切りで説明してくださいました。

小さな広報室で四角いテーブルについて、先ず渡されたのが「フレンズ立花高校見学ツアー」と見出しのついた校長作成の予定表です。ちょっとおちゃめな校長先生です。それを見てみんなの緊張もとれ、和やかにツアーは進行しました。

映像をスクリーンに写しながら校長は学校の特徴や理念そしてエピソードなどを、予定表に「校長熱く語る」と自ら書き込まれている通り、とても熱く語られました。ユーモアを交えながらも、時折声を詰らせ、目に涙をため、子どもたちが好きで好きでたまらないという感じです。そして校長をサポートされる先生方もとても素敵でした。
 この学校は元々「どんな子どもも大事にする」という理念で学校経営をされていたそうです。そのため「何処にも行く場のない子」が集まるようになり、世間の評判はすごく悪かったようです。先生方がこの学校に勤めていることを公言できずにいたくらいです。それが、ある事をきっかけに先生方が胸を張るようになられてから、この学校の子ども達も大きく変わっていったそうです。ある事とは、「本校の子どもには無理だ」と思っていた私学の募金活動に参加を呼びかけたら、3名の子が参加し、ちゃんと声をあげ、道行く人に呼びかけることができたことです。「やればできる」という思いから、翌年には30名の生徒たちが参加するようになったそうです。

広報室を出て、校舎内を見学させていただきました。夏休みだけどミニスクーリングとかで数十人の子どもたちが登校していました。「書道部」や「よさこい同好会」の楽しそうな練習があっていました。「よさこい同好会」の子どもたちがエネルギッシュな踊りを披露してくれたのですが、その中の一人 (元不登校生)が言いました「毎朝、学校に来るためだけに起きている」と。この学校が楽しくてしょうがないといった感じです。不登校の子の親には、にわかに信じがたい夢のような言葉です。また、こんなことを言う子もいました「中学校まで、先生が信じられなかった。けど、ここは違う」と。

そんな楽しい3時間はあっというまでした。校長と広報の先生が昼食もとらずに私たちのために付きっきりで説明してくださっていたので、後ろ髪を引かれる思いでツアーを切り上げました。帰りの車の中は、「ツアー」の話で持ち切りでした。

これからもこの学校に入学を希望する子は増えると思います。でも、校長先生もおっしゃっていましたが、それは決して望ましいことではありません。どの学校もこんなに一人一人を大切にする楽しい学校なら、この学校だけ入学希望者が増える事もないし、そもそも小学校や中学校での不登校経験者も激減するはずです。            文責 石井

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