文章の語は中国の古典に見える。そこにあらわれているのは、文章を、彩、模様とする。文様である。その文章の語は、論語、史記にも見えて、ことばに表わされた、著わされたもの、と、その意味内容が見えるようである。まず、文のあやとするのは、礼記である。中国の周から漢の時代にかけてのもの、次いで論語に、夫子之文章、可得而聞也 と見える。さらに、史記では、文章爾雅、訓辞深厚 と見える。文章の語は、日本語で、平家物語の例のように、凡はこのおとど文章うるはしうして、心に忠を存じ 〔13C前〕三・医師問答 日本国語大辞典より と見えて、威儀を重んじる様子に用いられた。のちに、日葡辞書で、Bunxo no ブンシャウノ ヨイ ヒト 〔1603〜04〕 日本国語大辞典より と引用する。そして、日本語では時代を経て、近代になって、文法書には、文と文章を併記して見えるようになる。 . . . 本文を読む