今日は真の許状の引次の式をします。
床にはおなじみの利休像の描かれた軸と、三具足を飾ります。
この軸にかかれた文字は、千利休の辞世です。
読むのも難しければ、意味も大変難しいです。
よみ方は、
「じんせいしちじゅう りきいきとつ
わがこのほうけん そぶつともにころす
ひっさぐる わがえぐそくのひとたち
いまこのときぞ てんになげうつ 」
となりますが、読んで差し上げられるかしら。
意味はいろいろな解釈がありますが、
芳賀幸四郎先生の訳を見つけてきましたので、
読んでみてください。
「七十年のわが生涯を顧みると、
そこには悲喜・苦楽・得失・栄辱、まことにさまざまなことがあった。
しかし、その人生ともおさらばじゃ。
といって、今のわしには生への執着もなければ死の恐怖もなく、
また恩怨もなければ愛憎もない。
力囲!! 咄!! エイッ!! クソッ!! 一切合財、これでご破算じゃ。
そしてわしのこれから超人する世界、そこには悲喜も苦楽も、
得失も栄辱も、さらには迷悟も生死もない絶対の世界である。
さあ、これからその世界で自由自在に遊戯三昧をしようぞ。
~「千利休」芳賀幸四郎(吉川弘文館)~
人生70年・・・私も利休さんの亡くなった年に。
こんな風にエイッとこの世を去れるかしら。
自分に残された時が、逆算できるようになりました。
大切に使わなくてはと思いますね。
今日はまず、
しっかりと真のお点前をしてさし上げることだけ考えましょう。