先日の「名残の茶事」のご亭主さんに、
早速その後、後礼のお手紙が届いたそうです。
「嬉しいです。記念になります。」と喜んでおられました。
お茶事のお招きを受けると、
巻紙でいただいた招待状を前にして、
皆さん、「筆で書いたことありません」とんか、
「字が下手で恥ずかしいです」とおっしゃって、
少しプレッシャーを感じるようです。
そんなときは、
「下手でも丁寧に書けばいいのですよ。」
と勇気づけるのですが。
巻紙に筆で書くなんて、お茶をしなければ経験できなかったでしょうから、
大いにその体験をたのしめばよいのですね。
書き方のパターンは決まっていますので、
最低のルールを守れば、そんなに怖いことでもありませんから。
一つだけ知らないとうっかりするのが、巻紙の裏表。
巻いてある外側のつるっとしたほうが表ですから。
「こんな風に書いてみました、大丈夫でしょうか」
と試しに書いたものを見せていただいた時に、
「こちらが表ですから、間違えないでね。」と言うことが、時々あります。
さて11月に開炉のお茶事にお招きを受けました。
昨日は空いた時間を見て、私も巻紙でお返事書きでした。
社中の皆さんには「丁寧に書けばそれでいいのよ」なんて言っていても、
いざ自分が書くときになると、
達筆なご招待状を前にして、ちょっと気後れしてしまう私ですが。
それでも、書き終えた手紙を、終わりの方からくるくるっと巻いて、
スッと押して平らにしたときは、いうに言われぬ満足感を感じます。
お茶会やお茶事にはとても良い季節です。
11月はそんなお茶のお付き合いを楽しみます。