トンボの羽のように透ける明石上布。
盛夏にはとても涼しそうに見えます。
八月に入ると着られる時期もあとわずか、
お手入れの前にお稽古で、1~ 2度着ることにしました。
「絽と紗の違いを教えてください」
「一枚作るならどちらがいいですか」
「どちらも着る時期は一緒ですが」
最近このような質問を受けました。
絽と紗は織り方が違うので、見て触るチャンスがあれはすぐわかります。
お茶をする方なら、夏の着物は絽の紋付をぜひ一枚。
着る時期は絽は夏物のさきがけから着ることができますが、
紗は本格的な夏になってから、いわゆる盛夏がふさわしいですから、
紗のほうが着る時期が短いですね。
より透けて見えるので絽よりなんとなくおしゃれ感がありますが。
夏の着物、いざという時のために準備してあっても、
なかなか"いざ"が来なかったりして、しまわれていませんか。
着ないのが、一番もったいないと思うのですが、
「娘に譲るためにきれいなままで取っておく」という方も。
娘がいなくてよかった…と思っています。
でも母が着物をしつけのついたまま残してくれてよかったともね。