膝が抜けるという言葉は二通りあるのですね。
1 衣服の膝の部分が、すり切れたり伸びて前方に突き出たりする。「―・けたズボン」
2 膝に力が入らなくなる。「がっくり―・ける」
ということだそうです。
最近膝が抜けました。
と言っても「1」の意味です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/d6/028621f22a51947a8db7a602abdd00d8.jpg)
毎年この時期にお稽古で何日か着る少し派手になった着物ですが、
ついに膝が抜けてしまいました。
これからも着たいものならば、抜ける前に上前と下前を入れ替えて、
縫い直してもう少し着るのですが、
もう派手になったので、これで終わりと着続けていて、
めでたく最後を見届けました。
毎年二三枚膝の抜けぬ着物が出ます。
その時は、残念という気持より、むしる満足感に浸れますよ。
良くここまで着たものだという気持ちで。
着ものも擦り切れるまで着てもらえたら満足でしょうと。
毎日、畳の上を膝で動いているのですから、
畳が擦り切れるのと同じように着物の膝下あたりはたまらないでしょう。
ですからお稽古には良い着物は着られませんので、
現役引退の着ものに最後の仕事場を与えているようなものですが。
抜けたのは膝だけなので、何かに再利用できるかとしばらくとっておきますが、
刻んで雑巾代わりや、茶杓磨きにするくらいです。
せいぜい頑張っても座布団カバーでしょうか。
昔の人は、上手にいろいろと作り変えて、さらに生かして使ったのでしょうが。
私にはその技術もありませんしね。
そう、初めのころは、頑張って茶箱の練習用にと、
古ぶくさを何枚もつくったことかありましたっけ。
「膝が抜けてしまったのよ」というと、
「端切れが好きで集めているんです。少しください。」
とおっしゃる方がいらしたので、
一番きれいなところを見つけて差し上げようと思います。
ところで「2」の膝が抜ける経験はまだありませんが、
これも近いうちら起こったらどうしましょう。