動物病院からもらってきた薬を、スポイトを使って飲ませてもオレンジが嫌がって飲んでくれない。病気とは思えないほどの抵抗力で、私の両手の間からすり抜けていく。挙句のはてには、怒って前足で攻撃してくる。仕方なく前足に薬の液体をつけると、前足をパタパタさせるので液が飛び散ってしまい、舐めているのはほんのちょっとの量にしかならない。
風邪薬が無くなる頃動物病院に連れて行くと、呼吸の乱れはなくなったけれど、ペレットを食べないのは歯が伸びているせいではないかと言われ、全身麻酔をかけて歯を削りますかと聞かれた。体重が1kにも満たなくて、臆病なウサギに全身麻酔をかけたら死んでしまうかもしれないと思い、暫く野菜だけ食べさせて様子をみることにした。人参の葉は少し食べてから毛布にくるまり、また暫く経ってから食べるという行為を繰り返した。
数日後、犬の狂犬病の予防接種をするために、実家の近くの動物病院に犬を連れて行った。ここの獣医さんは以前飼っていたウサギがお世話になっていたので、オレンジのことを尋ねてみた。すると診察をしてみないとわからないけれど、歯が伸びていたらよだれをたらすし、歯をガチガチさせるからと言われた。さらにウサギは草だけでも生きるから、イネ科の雑草やヨモギ・柿の葉を一杯食べさせるようにアドバイスをしてくれた。イネ科の雑草は少しずつ食べさせていたけれど、ヨモギは食べてなかったことに改めて気付いた。さっそく実家の近くに生えている、たくさんのイネ科の雑草やヨモギを持って帰った。
2,3日経つとオレンジは、朝ちょっと野菜を食べてすぐに毛布に包まりにいっていたのに、いつまでもモシャモシャとイネ科の雑草とヨモギを食べ続けるようになった。マットの上にはたくさんの雑草を置いているのに、雑草が入った大きな袋に自分の頭を突っ込んで雑草を食べるようになった。そして小豆粒ぐらいのウンしかしていなかったのが、2倍位の大きさのウンをマットの上にポロポロとするようになった。
奥歯が伸びているのかはわからないけれど、ペレットは少し食べるようになりたくさんのヨモギとイネ科の雑草を食べるようになったオレンジ。マットの上をチョロチョロと元気に動き回るようになったオレンジ。元気に生きていてくれるだけで有難い。実家の近くの獣医さんの知識も凄いけれど、ヨモギとイネ科の雑草POWERは凄い。