廃異不思議探検隊/(SEASON2)

Wast different wonder expedition.(SEASON2)

壕(中規模)5

2016-05-11 00:56:00 | 廃墟B
続き>>
 隣住人男性談「5月頃から、そろそろ猪や蝮が出るから気をつけな、猪は手を叩くと逃げるが、蝮は逃げない、獲物の気配を感じたら、藪で待っていて、近づいたら足首に噛みつく、死ぬぞ。それから、穴は崩壊が始まってる、元々伊豆石は軟岩だから、脆く、剥がれる、地震でも落ちてる。遭難するなよ。
 地元の戦争遺跡を調べるのは、とても良い事だが、遭難して人災を出す事は避けたい、自己責任で頼むよ、近寄らない方がいいね。
 分かったのなら、穴の話しをしよう。
 他にもそこら辺に穴が幾つかあったが、崩壊し始めたので、危ないから埋め戻した。
 昔は、農業で使う機械等の倉庫代わりにしていたが、天井が剥がれ落ち出したんで、皆もう使ってない。
 それから、あんたさんが行こうとしてる穴は、昔、多比から長岡(北江間)へ村人が抜けるのに使ってた様だ。戦争中(大東亜戦争)は兵隊さんがいることもあった様だ。」




 反対側の入口

 深い藪の中に隠れる様に隧道の跡は在った。

 これは、閉塞している様だ。




 上の岩盤が崩落し、塞がっている。

 形を観ると、多比側よりこちら側の方が、隧道だった名残を感じさせている。




 僅かな隙間を見つけ、岩が崩れないかチェックし、静かに突っ込んで行った。

 滅茶苦茶に崩れており、危険なので、良い子は真似しない様に。




 中は、広い様だ。ほっと一息着く。

 掘削した屑が山になっている。

 進んで行くと、所々石を切り出して部屋の様になった場所があり




 綺麗な通路がある。

 明治時代、村の人々がここを行き来したのだろう。




 この石丁場は、少し広く、奥に水溜まりがあるので、見てみる。




 この辺りの穴の水溜まりは、総じてグリーンなのだが、何故だろう。
 蝙蝠の糞尿がそうさせているのか?

 ずっと見ていると、何だかゾクゾクするので、離れよう。




 更に進むと、また水溜まりがある、今度は大きそうだ。




 でかい、完全に水没している。




 暗黒の闇の中に浮かび上がった深い緑色の池

 そう、以前我々は、向こう岸から、こちら側を眺めていた。


 ピチャンと何か跳ねた様な音がし、ゾクっとした。

 さあ、長居しているといつ崩れるか分からないので、早々に引き上げよう!




 石切場の穴を隧道にした。




 昔々、住人はここを通って多比と北江間を往来した。




 出口が見えて来た。

 相変わらず豪快な景色

 早いとこ脱出しないといつ崩れるか分からない。




 出口はグチャグチャに崩壊している。

 改めてこれを見ると恐ろしくなる。

 隙間から脱出


*これまで、沼津海軍技術研究所音響研究部下香貫本部多比地下工廠跡を大小八壕ほど探検して来たが、ようやく調査を終了するに至る。
 壕は、戦後70年以上経っており、更に石切場跡自体は、江戸や明治からある物なので、自然崩壊が始まっており、危険な状態だった。

 下香貫"本部"跡地は、第三中学校になっているが、付近にレンガ作りの倉庫(撤去された)やコンクリートの基礎の一部、山の頂上には、大きな水槽が残っており、麓には石碑や説明看板等が設置されている。
 その他、下土狩、牛臥、江ノ浦、淡島、長井崎、大瀬、島田市等にも施設があった模様。

 当初は、興味本位で着手したのだが、意外に大規模で、現地で出会った方達から話しを聞いているうちに、少し深く調査をしたくなったものである。
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