廃異不思議探検隊/(SEASON2)

Wast different wonder expedition.(SEASON2)

江ノ浦本部 特攻基地跡3

2016-05-29 00:53:00 | 廃墟B
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 石切場を利用した壕で、綺麗なトンネルは少ないので、これだけ綺麗なトンネルを観ると日本人の丁寧な仕事ぶりを感じる。(地元の人曰く、掘ったのは、軍指令の下、中国人が掘ったと言っていた。)




 トンネルの地面は、真っ平らで、伊豆石の白、綺麗だ。

 昔は、地元に石材職人も多く、地下壕の建築に多く携わった様だ。

 中国人(朝鮮人労働者のことか)も多く作業していたそうだ。




 やっぱり部屋になっている。

 こちらは、さっきの部屋より少し小さい。




 色々な物が散乱しているので、戦時中の物がないかと思ったが、あるわけないか




 凹んだスペースがある。




 狭いので、全体を撮るのが難しいなぁ
 あ、サブカメに広角付いてたんだ、すっかり忘れて車に置いて来た。

 しかしこんな所で、敵が上陸して来るのをじっと待っているなんて、狂ってしまうなぁ、自分は無理だ。




 この 井戸なのかトイレなのか微妙な水溜めは、壕でたまに見鰍ッる。
 これよりもっと大きくて深いしっかりした作りの物も他の壕にあった。




 出口の方を見て観る。

 やっぱり、こんな穴倉に、戦争が終わるまで居たなんて信じられない。

 ご苦労様でした、と言うより、戦争なんかするものではないな、皆狂ってしまう。


*横須賀鎮守府 第一特攻戦隊 沼津海軍 第15突撃隊 江ノ浦本部長岡特攻基地跡

 アメリカ軍が本土に迫り、本土空襲も始まった為、日本軍は本土決戦に向け、準備を開始、アメリカ軍が上陸して来ると推定される沿岸地域に特攻基地を建設した。

 兵器に特攻艇震洋、人間魚雷回天、特殊潜水艇海竜、特殊潜水艦蛟龍(未配備)が配備された。
 これらに搭乗し、敵の艦艇に突っ込むのである。

 この山で農業をしている方から立ち入り許可と壕の説明、壕建設の貴重なお話しを教えて頂いたので、一歩踏み込んだ調査が出来た。
 小中大の特攻基地跡、脱出用トンネル三基(一つは崩壊している。)、震洋格納壕等が残存していた。

 27日にアメリカのオバマ大統領が広島を訪問し、平和公園の原爆慰霊碑に献花しましたね、その時被爆者の元に歩み寄り、抱き合ったのは感動しましたね。
 平和への新しい歩みです。flag1 flag2
 しかし国同士が牽制し合っている限り、核は無くならないと思います。
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沼津海軍 第15突撃隊 江ノ浦本部2

2016-05-24 23:29:00 | 廃墟B
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 少し離れた場所にまた穴があった。



 ここも単なる石丁場ではなさそうな雰囲気だ。




 隣にももう一つ穴が開いている。

 どうやら出入り口が二つある様だ。

 採石場ではないだろう。




 先程の入口から入ってみた。

 お約束の 穴の手前に石組があり、その脇に人一人が通れる程の通路を作ってある。




 中から外を見て観ると、

 石を切り出す為の出入り口ではなく、人が出入りする為の出入り口だろう。




 これは完全に部屋だ。採石場ではない。
 何かの作業をしていたのだろうか




 部屋の薄暗い隅にトンネルが掘ってある!

 部屋だけかと思い、見落としそうだった。

 やはり地下壕だ。




 手掘りで丁寧に掘削されている。

 滑らかに左へ湾曲している、素晴らしい。

 またしても壁に大きなゲジゲジが数匹いるので、落ちて来ない様に刺激しない様に進む。




 美しいトンネルだ。

 先も部屋になっている様子

 ここは、石丁場跡を利用した地下壕と言うより、最初から壕を作ったと思われる。
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横須賀鎮守府 第一特攻戦隊 沼津海軍 第15突撃隊 江ノ浦本部

2016-05-23 00:54:00 | 廃墟B


 小規模な採石場跡があり、穴の真ん前には大きな石が落ちてしまっている。
 周りにも落石が幾つも散乱しており、毎度の事ながら、気を引き締められる。




 壁に開いた穴に何か入っている。
 鉄の棒の様な物と何か引っ鰍ッる様な物だ。

 石を切る際に使用した物か?




 農機具が放置してある。

 穴の周辺は藪に覆われてしまっているが、昔は畑だったのだろう、農機具倉庫代わりにしていた様だ。

 機械の状態から、20年以上前に放置されたと思われる。




 空間は、石が切り出され部屋の様になっている。
 倉庫代わりにするには良い場所だ。

 ふと、右側の壁に開いた穴が気になった。

 あそこだけ妙な切り方してるなぁ

 奥が続いていそうだ




 入口側

 柱一つ残して、天井を支えている。







 ここだけ妙に切り取られていて、出入り口の様だなと思ったら、中は部屋になっている様だ。




 中に入ると小さな部屋になっていて、脇に階段が掘ってある!




 上から見て観る。三、四畳程の部屋だ。




 上段は広い部屋になっていた様だが、落石で埋もれてしまっている。

 左側は、入口だった様だが、埋もれてしまっており、隙間から光が射し込んでいる。


 ふと天井を確認すると、やはり肥えてデカいゲジゲジが何匹も張り付いている。

 頭や肩に落ちて来たら、気が狂ってしまう、刺激させない様にそっと歩く。

 石組が丁寧にされていたので、撮影しようと思い、カメラを向けズームした瞬間、ムカデが何匹も活発に動めいているのが見え、流石に気持ち悪くなり、逃げた。




 壁には不自然に穴が開いている。

 人一人が通れる程の出入り口だ。
 秘密基地の様だ。




 外に出てみる。

 明らかに不自然だ。


*一見、単なる小さな採石場跡の様に見えたが、よく観ると、部屋、階段、人一人が出入り出来る小さな通用口がある等、石丁場跡にしては奇妙な作りだった。

 後日、地元住人から聞いたところ、やはり戦時中、石丁場跡を利用した海軍の特攻隊基地の一つだったそうだ。
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壕(中規模)5

2016-05-11 00:56:00 | 廃墟B
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 隣住人男性談「5月頃から、そろそろ猪や蝮が出るから気をつけな、猪は手を叩くと逃げるが、蝮は逃げない、獲物の気配を感じたら、藪で待っていて、近づいたら足首に噛みつく、死ぬぞ。それから、穴は崩壊が始まってる、元々伊豆石は軟岩だから、脆く、剥がれる、地震でも落ちてる。遭難するなよ。
 地元の戦争遺跡を調べるのは、とても良い事だが、遭難して人災を出す事は避けたい、自己責任で頼むよ、近寄らない方がいいね。
 分かったのなら、穴の話しをしよう。
 他にもそこら辺に穴が幾つかあったが、崩壊し始めたので、危ないから埋め戻した。
 昔は、農業で使う機械等の倉庫代わりにしていたが、天井が剥がれ落ち出したんで、皆もう使ってない。
 それから、あんたさんが行こうとしてる穴は、昔、多比から長岡(北江間)へ村人が抜けるのに使ってた様だ。戦争中(大東亜戦争)は兵隊さんがいることもあった様だ。」




 反対側の入口

 深い藪の中に隠れる様に隧道の跡は在った。

 これは、閉塞している様だ。




 上の岩盤が崩落し、塞がっている。

 形を観ると、多比側よりこちら側の方が、隧道だった名残を感じさせている。




 僅かな隙間を見つけ、岩が崩れないかチェックし、静かに突っ込んで行った。

 滅茶苦茶に崩れており、危険なので、良い子は真似しない様に。




 中は、広い様だ。ほっと一息着く。

 掘削した屑が山になっている。

 進んで行くと、所々石を切り出して部屋の様になった場所があり




 綺麗な通路がある。

 明治時代、村の人々がここを行き来したのだろう。




 この石丁場は、少し広く、奥に水溜まりがあるので、見てみる。




 この辺りの穴の水溜まりは、総じてグリーンなのだが、何故だろう。
 蝙蝠の糞尿がそうさせているのか?

 ずっと見ていると、何だかゾクゾクするので、離れよう。




 更に進むと、また水溜まりがある、今度は大きそうだ。




 でかい、完全に水没している。




 暗黒の闇の中に浮かび上がった深い緑色の池

 そう、以前我々は、向こう岸から、こちら側を眺めていた。


 ピチャンと何か跳ねた様な音がし、ゾクっとした。

 さあ、長居しているといつ崩れるか分からないので、早々に引き上げよう!




 石切場の穴を隧道にした。




 昔々、住人はここを通って多比と北江間を往来した。




 出口が見えて来た。

 相変わらず豪快な景色

 早いとこ脱出しないといつ崩れるか分からない。




 出口はグチャグチャに崩壊している。

 改めてこれを見ると恐ろしくなる。

 隙間から脱出


*これまで、沼津海軍技術研究所音響研究部下香貫本部多比地下工廠跡を大小八壕ほど探検して来たが、ようやく調査を終了するに至る。
 壕は、戦後70年以上経っており、更に石切場跡自体は、江戸や明治からある物なので、自然崩壊が始まっており、危険な状態だった。

 下香貫"本部"跡地は、第三中学校になっているが、付近にレンガ作りの倉庫(撤去された)やコンクリートの基礎の一部、山の頂上には、大きな水槽が残っており、麓には石碑や説明看板等が設置されている。
 その他、下土狩、牛臥、江ノ浦、淡島、長井崎、大瀬、島田市等にも施設があった模様。

 当初は、興味本位で着手したのだが、意外に大規模で、現地で出会った方達から話しを聞いているうちに、少し深く調査をしたくなったものである。
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