本屋さんで惹かれたのは、重松清さんの「小さき者へ」でした。
短編の物語が6話描かれています。
「ステップ」を読んだ時にも感じましたが、この著者の子ども心理の描き方には共感してしまいます。
「あ~、そうだったよな。」と感じる場面がたくさんあります。
そして親の心理も鋭く描きます。
大人だからといって迷わない訳ではなく、むしろ葛藤の中で生きているのが大人かもしれません。
ひとり親家庭の子どもの心、仕事を失った親の心、引きこもりの子を持つ親の心、高校中退を考える子どもの心など様々な心を描く作品となっていますが、それらは全て「家族とは何か」を問いかけている気がします。
途中で出てくる「負ける」ことの意味にも考えさせられましたし、「あなたが受けとる愛はあなたが与える愛に等しい」といった言葉にも考えさせられました。
数年後にもう一度読み返したい本の一つになりました。