コムスンの問題がニュースで大きく取上げられましたが、実は介護保険における事業所の指定取り消しは今に始まったことではありません。今までにも指定取り消しになり、利用者に迷惑をかけてきた事業所は数多くあるのです。
さて、そのコムスンの問題に隠れてしまいましたが、この度介護業界に大きな影響を及ぼす指定取り消しがもう一件ありました。
それは東京都文京区にある特別養護老人ホーム「くすのきの郷」の指定取り消しです。特別養護老人ホームの指定取り消し自体が全国で初めてであり、さらに改善指導などの段階を踏まない一発取り消しは最も重い処分なのです。そして、大きな問題となっているのが、「連座制」による影響のため文京区立サービスの指定更新ができなくなることなのです。
「くすのきの郷」は社会福祉法人が運営を行っていましたが、設置主体は文京区であり、処分は運営主体の社会福祉法人と設置主体の文京区に対して行われます。そうすると、介護保険で定められている「連座制」で文京区が行っている区立事業所(特養3箇所、通所8箇所)も来年3月で指定の更新ができなくなり、サービスを提供できなくなるということなのです。
今回の場合は、判断が難しかったと思いますが、コムスンの問題もあり、また他事業者への見せしめの意味もあったのかと思います。だって「くすのきの郷」自体は利用者などからの評判が非常に良かったらしいですから、利用者の立場で判断したのではないことは間違いないですから。お役人仕事ということでしょう。
しかし、結局文京区の場合は、区立の施設などを運営している社会福祉法人などに引き取ってもらうことで、継続してサービスが提供できるように調整しているらしいです。まあ利用者の立場から考えれば、ありがたいことですが、それもなんだかなぁ・・・。