浜床のふろしき

尾道市因島から日常を記します

雪に耐えて梅花麗しく

2016年10月19日 | 日常
広島東洋カープの黒田博樹投手が引退発表をしました。
この歳になると同年代の選手の引退は淋しさよりも前向きな印象を受けます。

その黒田投手の座右の銘として有名な「耐雪梅花麗」を今一度振り返ってみましょう。

出典は西郷隆盛が甥に送った漢詩だそうです。


一貫唯唯諾(一貫す、唯唯の諾、)
従来鉄石肝(従来、鉄石の肝。)
貧居生傑士(貧居、傑士を生じ、)
勲業顕多難(勲業、多難に顕はる。)
耐雪梅花麗(雪に耐えて、梅花麗しく、)
経霜楓葉丹(霜を経て、楓葉丹し。)
如能識天意(如し能く、天意を識らば、)
豈敢自謀安(豈に敢えて、自ら安きを謀らんや。)


意味を調べていると、分かりやすい文章があったので引用させて頂きます。

一度「よろしい、引き受けよう」と心に誓った事は、どこまでも唯直向きにそれを貫き通さなければならない。

これまで保ってきた鉄の如く石の如く守ってきた胆力は、いつまでもそれを変えてはならない。

豪傑の士というものは貧しい生活をしてきた人の中から現れ、高く評価される事業というものは、多くの艱難を経て成し遂げられるのだ。

初春の雪の冷たさを耐え忍んだ梅の花が麗しく咲いて芳香を放つように、晩秋の深い霜をしのいで楓の葉が真っ赤に染まるように(人間というものは、辛いことや 苦しいことを耐え忍んでこそ大成するのだ)。

もしこれらの天意が理解できたのなら(天命をよく認識するならば)、どうして我が身の「安楽を謀る」ような生き方が出来るだろうか(決してしてはならないのだ)。


まさに黒田投手の姿を思い浮かべることが出来ます。