頭を打った友人

金曜日の夜、一緒に会食した仲間のことが急に気になりだした。

彼は数日前、転んで頭を打ったといって怪我をしていた。

いつもはひれ酒が大好きで何杯も飲み、残したわたしの分までもらって良いかと言って飲むほどなのに、その夜は余り飲まなかった

。

そして宴たけなわになると決まって歌いだすのも彼なのに、妙に口数が少なく、しょんぼりしていた。

決定的なのは帰り際、他人のコートを着ようとしたことだ。

お医者さんに行っていないようなことを言っていた気がして、今頃になって大丈夫かと思い始めた。

奥様にちょっと言ったほうがよいのではないか、頭を打っているのだからと心配になってきて同席した友人にそれとなく言って貰う

ように連絡。

頭を打つのは怖い。

夫は直接その時頭を打ったわけでもないのに寝ていて急に吐いて急性硬膜下と診断されたから。