今朝の朝刊「みちのものがたり」は「野麦峠」だった。
たしか高校1年生のころ3つ年上の友達が「ああ野麦峠」(山本茂美)
の話をした。
当時文学少女もどきだったわたくしはこのルポの題名とおおよその
内容は知っていた。泣き虫なのでこういう内容の話は苦手なのだ。
わたくしは「読んではいないけれど、いいの」と言って借りなかった。
後年、夫の知り合いが古川の「起こし太鼓」というお祭りに誘ってくれて
飛騨古川の「八ッ三」という旅館に宿泊した。女工たちがここに集め
られ、ここから信州岡谷の紡績工場に歩きで連れて行かれるのだ。
「八ッ三」は今は古川では高級な旅館になっているが当時を偲ばせる
古いものがたくさん残されていた。
その時、彼(若かった友人)が勧めた「ああ野麦峠」のことを思い出して
読んでおけばよかったとちょっと悔いた記憶がある。
その後食事会をする仲間たち8人で21人乗りの豪華観光バスを借り
切って白骨温泉に行ったとき(白濁の温泉がでなくなって入浴剤を
入れたと1時騒がれた)帰りにドライバーが野麦峠を通ってくれた。
記念館や工場で結核にかかり兄の背に背負われて故郷に帰る途中
この峠で「ああ飛騨が見える」とつぶやいてこと切れたという少女を
背負う兄の銅像なども建てられていてこの過酷な道を当時の少女
たちが貧しさのため働きに通った道なのかと感慨深かった。
見たことはないけれどこの作品は何度か映画化されたらしい。
3年前に群馬の富岡製糸所に行ったけれどここは地方の選ばれた
有力者の娘たちが来ていたところで製糸所でも大きな違いがある。
今もまだこの作品「ああ野麦峠」を読んでいない。