武漢の思い出

2020-01-24 14:37:40 | 日々思うこと
    黄鶴楼送孟浩然之広陵
   故人西辞黄鶴楼 煙花三月下揚州・・・・(李白)

中国の新型肺炎は患者数がどんどん増え、亡くなった方の
数も増えてきた。日本でも2人目の患者が出た。
中国は住民に武漢から外に出るのを禁じたという。

嘗て夫と長江くだりをした。重慶で乗船して各港で停泊
しながら名所旧跡を観光する船旅で豪華客船の中で
何泊かした。
その時武漢でも下船して黄鶴楼を見物した。
わたくしはこの黄鶴楼と重慶長江三峡にある白帝城に
大いに期待していたのだった。
正直に言うと期待外れであった。やむを得ない。
三国志の時代の楼ではないし、中に描かれた絵も
想像していたものとは違っていたのだ。
白帝城も同じで唐詩の中の世界を頭に思い浮かべて
いたのでいささか拍子抜けであった。

わたくしは国文専攻なので漢文学の知識はほとんどないが
高校や中学で教わった唐詩は折に触れて親しみ、岩波新書の
「新唐詩選」や岩波クラシックスの「唐詩選」は愛読書の
ひとつである。
そんなわけでそこに詠われている情景に触れたくて西は
ウルムチ、トルファンまでシルクロードも旅をした。
楼蘭などはほぼ想像通りであった。

長江くだりを思い出すとき、あの「大地の子」(山崎豊子)で
仲代達矢が演じた日本人の父に向かって中国に置き去られた
息子の上川陸也が「わたしは大地の子です」と言ったせりふが
印象深い。
わたくしたちの長江くだりはこのTVが放映される前のことで
ある。


コメント (2)
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