浄心庵・長尾弘先生「垂訓」

八正道と作善止悪

「独り言」より。

2015-10-23 00:38:26 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓

      恩師のご著書「真理を求める愚か者の独り言」より


            第三章 天上界への道


     ◆癌の激痛から悔い改めて安楽往生した九十歳の老婆◆


先の続き・・・

二、三年もしないうちにその時はやってまいりました。
息子さんが「やっぱり先生の言われたとおりです。もう癌で入院させているんですが、
苦しんで痛がってたいへんです。お医者さんが痛み止めを打ってくださっても効かず、
転げ回るんです。子としてこんな辛いことはおまへん。なんとかしてください」と
おっしゃるのです。
「しゃあ、どのテープでもよいから持っていって聞かせてあげてください」と言うと、
「でも、そんなテープを聞ける状態と違います」と言われます。
確かにその苦しみというのはたいへんなようで、頭髪をかきむしってしまったり、
俯せで痛みを耐えるために畳をかきむしり、
畳の中の藁をみんな引っ張り出してしまったなどという話もあります。
病院のベッドの周囲の金属のパイプを曲げてしまう方もおられるそうです。
それほどの痛みがおばあちゃんにも襲ってきたということです。
そこで、聞いても聞かなくても、とにかくそのおばあちゃんの耳元で私のお話のテープを
かけてもらうことになりました。

すると、一時間もしないうちに痛みはすうっと消えてしまいました。
おばあちゃんは、「己が悪かったんじゃ」と言って泣き叫んで、
「神様かんにんしてください。己の生き方が間違っていました」と泣いて泣いて詫びられたのです。
そこへたまたま本家の兄さん夫婦が見舞いに来られまして、部屋に入るやその声を聞き、
「このクソ婆は死ぬ時になってもまだお前が悪いと言っている」と言って、夫婦で顔を
見合わされたそうです。
しかし、弟さんが「いやいや、兄さん、違うんや。このテープをかけると痛みがなくなり、
自分が悪かった、かんにんしてくれなはれと泣き出したや」と説明しました。
兄さん夫婦も、それはよかったと喜びました。
それから、まったく痛みも苦しみもないまま三日間安らかに過ごされて、
四日目に安楽往生なさいました。

おばあちゃんは、「有難うございました」と言って、安らかに亡くなられたということです。
そして、驚くべきことにそのおばあちゃんの皺だらけのお顔が、皺一本ないツルツルのお
顔になられたということです。
この出来事で思いました。
人間は、たとえ九十年もの間、間違った人生を送ってきても、その死の間際に法に触れて
自分の間違いに目覚め、「えらい間違いを犯しました。どうぞゆるしてください」と必死で
お詫びできたら、必ず赦していただけるということです。
安らかなお顔で皺がなくなったのはその証しです。
法とはまことに有難いものだと思います。
しかし、よいことを聞いたといって死ぬまで好き勝手に生きて死ぬ前に
お詫びすればよいと思わないでください。
私の話を聞いた以上、ご自分の良心が自分を責め裁くことが起きます。


            ~ 感謝・合掌 ~



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