故宮は一つ一つ見ていくときりがないくらい、ネタにあふれた面白い場所です。
今回ご紹介するのはこちら。
寿康宮
乾隆帝の母親、崇慶太后のおすまい。
乾隆帝はそれはそれは母親大好き!な皇帝だったらしく、お母さんについて詠んだ歌はなんと800首以上!
寿康宮の入り口にはこのような案内が。
左は崇慶太后80歳を祝う様子を描いた画。
右は寿康宮后殿、つまり居住空間です。
それでは早速、寿康宮に入ってみましょう。
おぉ~!
以前は未公開だったこの部屋が見られるのは嬉しい!
新年を迎えるとき、崇慶太后はここに座り、皇帝を始め多くのあいさつを受けたのだそうです。
挨拶をすべく並ぶ列は延々と午門あたりまで続いていたとか。
天井の藻井(天井装飾)も素晴らしい!
そもそも藻井は「水をもって火をおさめる」意味合いを持つのですが、部屋にこれがあるということは地位が高い証拠。
中でも寿康宮は最高レベルだそうです。
装飾品も美しい。
寿康宮の東西にはそれぞれお部屋があるのですが、そこに何が入っていたかといいますと・・・。
金髪塔!
・・・ってなんや?
文字通り、崇慶太后の髪の毛を入れて保管していたんです!!!
崇慶太后の髪の毛を梳かした時、当然ぱらぱらと数本床に落ちますよね。
それすら有難くて捨てるわけにはいかない!ということで、拾ってちゃ~んと保管していたのだとか。
ちなみに今それは博物館(どこの博物館か忘れました)にあるそうです。
続いて、寿康宮から一旦外に出て、同じ敷地内 北側に位置する「寿康宮后殿」に行きましょう。
ここは崇慶太后が暮らすスペース。
東に位置するこちらは、お客様を迎えるところ。
さきほど門のところで紹介されていた画がかざられています。
こちらは西側。
右に見えるのは大きなタンスですが。
本体はもちろん、その中には100以上ものお宝が保管されていたのだとか。
この画は乾隆帝がお母さんである崇慶太后にプレゼントしたもの。
お母さんに何をプレゼントしよう・・・と考えたけど、いい案が浮かばない。
お金っちゅ~のもなぁ・・・。どうしよう・・・。
と、そんなとき江南地方に行った乾隆帝が目にしたのが、この画に描かれている木。
なんかいい感じの木やん?(といったかわからないけど)、ならばこの木を画にしよう!と自ら描いてプレゼントし、崇慶太后はそれはそれは喜んだとのこと。(そりゃそうやろ)
他にも、本来なら宮殿のお手洗いは壁の外にあったのに、
「お母さんが寒い日風の日雨の日に、わざわざ外に出てトイレに行くのはかわいそうや!!!」
と乾隆帝が言ったかどうかは不明だけど、寝室から直接お手洗いまで行けるよう室内に通路を作ったそうです。
もちろんそんなお手洗いがあるのはここだけ。
親孝行な息子に恵まれ、86歳まで長生きした崇慶太后なのでした。
(壁のデザインがかわいい~)
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