曲がり角の向こうに・・・

毎日の暮らしの中でフと心に留まった人やもの、そして風景を描きとめています。 

妖精が隠れている・・・?

2020-06-04 | 絵  ➃水彩画

どちらかと言うと豪華な花より、楚々とした一重の花が好きです。 それが先日、スーパーのお花売り場で目を惹かれたのがこの澄んだピンク色の大輪のシャクヤクの花。 自分の部屋に飾り、なぜこんなに惹かれたのかなぁ・・・と思いながらスケッチしました。 気が付けば、画面いっぱいに、シャクヤクの花の花びらを一枚一枚丁寧に描いていました~~

シャクヤクの花にまつわるいくつかのお話があります。 今回このシャクヤクにピッタリと思ったのは、イギリスの民話です。

シャクヤクは夕方になると、花を閉じてしまう性質があり(切り花は閉じない)、ここから、はにかみ屋の妖精がこの花に隠れたら、花ごと紅くなった・・・と言うお話があるそうです。 そして、なんとピンクの花言葉は「はにかみ」だそうで、これまたお話にピッたり!! もっと詳しくその民話の内容を知りたかったのですが、残念ながら探し出せませんでした~~

はにかみ屋の妖精が隠れているのなら・・・と写真もソフトフォーカスにヽ(^o^)丿してみました~~

 

★     ★     ★     ★     ★

ちなみに、日本にもシャクヤクにまつわるお話として、能の世界で創作された「小野小町の百夜(ももよ)通い伝説」があるそうです。 小野小町に恋した数ある男性の中で、小町の心を捉えたのが、深草少将でした。 小町は結婚の条件として、百夜続けて小町のもとに通うことを深草少将に課し、少将は約束を果たすため毎夜5キロの道のりを通い、その証として1本ずつシャクヤクを植え続けました。 ところが、丁度最後の100日目の夜、荒天で川が氾濫し、少将は橋ごと流され、命を落としてしまったのです。 小町は遺骨を岩屋堂に安置し、そこで暮らしながら、少将の成仏を祈り続けた・・・という悲恋物語です。 

豪華で上品なシャクヤクが、こんな悲しい話として登場するのは、なんとも憐れですが、日本人の美意識がそうさせたのでしょうか・・・

コメント (14)