写友に誘われて、夜明け前の高原に車で向かった。
夜来の雨で山岳道路沿いの森はしっとりと潤んでいる。
天候が定まらないこんな日は、思いがけない景色に遭遇することがあると友人がいった。
昇るほどに高原を覆っていた霧が薄くなってゆく。
頂上付近に林立する電波塔
苔を纏った落葉松の古木
突然日が射して、草を食む牛の群れが緑の草原に現れた。
夏の間この放牧地で遊んだ牛たちは間もなく里に下る。
その後の運命は知らない
小梨の枝に着いた猿オガセ
夏の間高原を彩った花はほとんどが散って、咲き遅れて懸命に咲く花に沢山の虫が群がっていた。
トモエソウ
ヤナギラン
道路の脇にある古い用水池である渋池で車を降り、湖畔を巡った。
水草が浮く淀んだ水面に岸辺の白樺が写り込んでいた。