普段 車に乗って通り過ぎてしまう道路も歩いてみると、いろんな情報が入ってきて興味深いものだ。
狭隘な谷間を抜けて、解き放たれた急流は自由奔放に川筋を変えたのだろう。
川は広大な扇状地を作り上げた。
大戦末期、岩山をくり抜いて巨大な軍需工場建設構想が動き出した。
本気だったのか狂気だったのか分からない、とにかく掘削工事が始まった。
山腹に開けられた無数の抗口からトロッコが岩くずを運び出していた。
自然崩落によりすべての抗口は閉じられたと思っていたけれど、歩いている道路から、半ば埋まった坑口が見えた。