竹で編んだ普遍的な容器である笊の欠点といえば、細かな粒子が漏れ出すことだろう。
しかし柿渋を塗った和紙を笊に貼ることにより、この欠点は一挙に解決する。
笊の内外に渋紙を三重に貼った容器を、家ではハリカンボと呼んでいた。
ハリカンボをググっても、適切な検索はできなかった、我が家だけの呼び方だったかもしれない。
記憶の底でほぼ風化していたハリカンボを思い起こしたきっかけはは、放置畑で見つけた小柿である。
昔から身近にある柿の木はすべて接木で、その台木はすべてコガキであった。
その台木からのひこばえ成長して、一円硬貨大のコガキを成らせていたのだ。
記憶を辿ると、青いコガキを摘み取って、臼でつぶし柿渋を自家製していた。
柿渋を塗った大団扇がかまどの脇に置いてあったし、そのころ盛んだった蚕具の防腐 防水に一役買っていたようだ。
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