故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

愛すること

2021-12-02 05:48:28 | よもやま話

絵のタイトルは、「距離感」です。
昭和記念公園で、この女性は盆栽を見ておられました。
恐る恐るなのか、興味津々なのか分かりません。
この人は虜になり、「愛すること」をきっと始めたことでしょう。
盆栽が、それほど素晴らしかったと言うことです。


深い意味 誰もが経験 例えかな

今年、99歳で亡くなられた寂聴さんが言われた。
「人は、愛するために生まれて来た。そして生きる」と。
今日のタイトルは、「愛すること」です。

私は、仕事が可愛くてたまりませんでした。
仕事には、竣工という区切りがありました。
合羽を羽織った集団は、顔を編み笠で隠し、一糸乱れぬ流れのように次の現場に向かいました。
祝い膳は上司が食らっていました。
竣工の前の晩は、現場のゴミを拾い続けました。
人の仕事(建築)であろうと、我仕事(プラント)であろうと、隔てなく可愛かった。

義姉さんが亡くなって、実家は空き家となりました。
苦しかったんだな。
洗濯もゴミ捨ても、洗い物もそのままでした。
妻と二人で、ごみを集めクリーンセンターに捨てました。
料金は、220円。
相続が絡むと、誰かが責任をとる。
電話代や相談時間で、220円より遥かにかかる。

東北で篠畑を4年かけて、耕作できる畑にしました。
耕作放棄地や空き家の姿を見、持ち主の了解をもらい、草を刈りました。
畑や庭の地面が見えるようになりました。
山際が気になり、下草を刈りました。
山際上にある畑が森になり、鬱蒼としていました。
森の下草を刈り、畑や庭に続く森として借景にしました。
隣りの畑に侵入してきた孟宗竹の根を掘りました。総長60m。
森の頂上にある桜を愛でる散策路(熊野古道)までは造れませんでした。

妻は、「とうとう、気が狂った」と思い、近所の面々は遠巻きにして見ていました。
相談するより、許可をもらってやってしまえ。
カフェの仕事と並行して、草刈を続けました。
カフェに来られるお客さんに、つるや木に実った果実や瓜を自由に採っていただきました。
やっと、花が植えられるようになって閉店でした。
どうってことありません。

元通りにしようなんて、露ほども考えません。
現場の声を聞く。
工場建設プロジェクトと、空き家や耕作放棄地の草刈に違いはありませんでした。
寂聴さんが言う「愛すること」に、変わりはありません。
人を愛することが出来れば、前向きになれる。
人が自然であったり、仕事だったりします。
彼女だってよい。
もちろん、家族だって。

「愛すること」ができるのは自分次第です。
誰からも教えられない。一方的にどこまでも学ぶだけです。
窮すれば救われる。その連続でした。
それでいいじゃない。

2021年12月2日
コメント
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