地球にあしあと

地球の色々なところに足跡をつけてきました。

カミーノにあしあと ~再びSantiago 2~

2011年02月07日 | Weblog
8/9(月) En Santiago 2
今日もやっぱりスィナが起きてこないので、9:00頃まではベッドの上でおとなしく過ごす。

スィナが起きてから朝食へ。
これまで何度も繰り返してきた、Tostada, Zumo de Naranja, Café con Leche(トースト、オレンジジュース、カフェオレ)の朝食。
そういやメキシコ人のダニエルはジュースのことをZumoじゃなくてJugoと言ってから、慌ててZumoって言い直してたな~などと懐かしく思い出しつつ、町を行きかう人々を眺める。


外に出ると、以前iPodで音楽やノートルダム寺院の鐘の音を聞かせてくれた、ベル・フリークなフランス人に出くわした。
相変わらずちょっと不思議ちゃんな感じで、言動が怪しいけど、懐かしい顔には違いない。


オスタルへ戻り、荷物をまとめてチェックアウト。
もう荷物をパッキングしてウロウロする日々とはお別れしたいところだが、悲しいかな、リュックを背負って歩き出すと調子が出てくる。


私のパラドールのチェックイン時刻とスィナの列車の発車時刻まで時間があるので、それまで2人で歩くことにした。
混雑した中心部を離れ、先週マルコスとサンドラが連れて行ってくれた公園を目指して歩いていると、とても心地が良い。
カミーノとは別の方向に向かって歩く私たちを見て、親切な地元の人が「Finisterreへ行くの?そっちじゃないよ」などと教えてくれたりする。


公園へ行き、カテドラルの見える丘のベンチに腰掛ける。
スィナが「もしもしカメよ」の歌を教えてほしいというので、そこで教える。
ノートに歌詞をローマ字で書き、意味も添えてあげると、何度も熱心に歌を練習し始めた。
以前マリアからもスウェーデンの歌を一生懸命習ってたな。
今もそのメロディは頭に焼き付いている。



しばらくしてカテドラル近くまで戻り、バルのテラスでお茶。
アップルタルトがおいしい。




さすがにSantiagoは月曜日でも人が多いなあ。


スィナがもう1杯コーヒーを飲みたいけど別の場所でと言うので、Obradoiro広場まで行く。
今日もカテドラル入場には長蛇の列ができている。
巡礼事務所の前もしかり。

パラドールの様子を窺ってみるが、到着客はまだいなさそうだ。


また移動して、カテドラルを見上げることができる場所でお茶。





お別れの時間が近づいている。
泣かないよう、ぐっとこらえる。


14:00になり、「そろそろ行こうか?」と声をかけると、スィナが「行かなきゃいけない?」と言うので、「うん。そうだね」と答える。

支払いを済ませ、階段を上がり、Obradoiro広場の隅っこでハグ。
あまり語らず、お互い涙を流しながら「じゃあね、元気でね」と手を振る。
「ちゃんと迷わず駅までたどり着くんだよー。昨日教えたルートだよ!」

何度も振り返って手を振るスィナが人ごみに消えて見えなくなるまで見送った。


気持ちが落ち着くまでパラドールの前で太陽の光を浴びながら、広場の群衆を眺めて時間を過ごしてから、ようやくチェックイン。


さすがにパラドールの部屋は素晴らしく(でもなぜか中から鍵が閉まらなかった)、ベッドが2つもある。
こんないい部屋、スィナにも見せてあげたかったな、もう一晩一緒に泊まればいいのにな、などと思いながら後でスィナに見せるための写真を撮る。












部屋の窓からもカテドラルが見える。




中庭の様子。




ホテル館内。









感動から覚めるとまた少し淋しくなり、少し泣いた。
今までの日常が突然終わってしまい、何をしていいか分からず、しばしボーっとする。


それからしばらくして、スィナにSMSを送り、寝袋を窓際の日当たりの良いところへ干し、洗濯を始めた。
やはり巡礼生活じゃないと落ち着かない。


エマからメールが入ってきた。
どうやら水曜日にMadridで会えそうだ。


綺麗なバスルームでシャワーを浴びた。
ボディローションやコンディショナーまであって素晴らしい


高級ホテルなので、プレゼントのチョコレートまで持ってきてくれた。





シャワー後、洗濯の続きを始める。
毎日洗っていたのに、水が茶色く濁る。
Santiagoのアルベルゲで人からもらった洗濯用洗剤を使ってしっかりと洗う。


ドライヤーで髪を乾かし、久しぶりにちゃんと爪や眉のお手入れをして身だしなみを整えると、だんだん普通の生活に戻りつつあることを感じた。



気が付いたらもう17 :30になっていて、お腹が空いてきた。
何を食べようかな。
町で見かけたインド料理とか、気になる。

ふと思い出し、ダメ元でと思ってメリにSMSを送ってみた。
するとすぐに返信が来て、今Santiagoにいるとのこと。
じゃあ一緒にご飯食べようよということになり、19:00にカテドラル前集合という、分かりにくい場所を指定された。
おいおい、Obradoiro広場のことなのか、それともQuintana広場のことなのか、はたまたその両サイド???

「じゃあObradoiro広場でね!」と念押しし、アポ確定。
ちなみにメリは英語があまり得意ではないので、その文面から1人で来るのか誰か他にもいるのか分からず。



時間になり、Obradoiro広場に行ってみると、案の定人であふれかえっている。
う~ん、ここで待ち合わせって…。
ざっと見渡したところ他にアジア系の人はいないから、向こうから私を見つけてほしい。
とりあえず分かりやすそうなところに立っておく。


しばらくすると、メリがヨークを伴って登場。
2人とも広場の名前とか把握してなかったので、反対側のQuintana広場側にいたらしい。
ヨークは本当は今日Santiagoを出たかったのだけど、バスに乗れなかったので仕方なく連泊するとのこと。
また会えてよかった。


夕食は、メリとヨークがお気に入りで、この短いSantiago滞在期間中にすでに3回も行ったというイタリアンレストランに行くことに。
メリ曰く「ちゃんとパスタがアルデンテなのよ」と。

料理が出てくると、確かにメリの言うとおり、アルデンテだ。
カミーノでは茹ですぎてふにゃふにゃになったスパゲティにしかお目にかかってなかったので、このアルデンテパスタはすごくうれしい。

みんなでこれまでの報告をしあう。
メリとヨークはSantiagoでお買い物をたっぷり楽しんだらしく、戦利品をあれこれ見せてくれた。
ヨークは珍しくVネックでこげ茶色のシックなカミーノTシャツを着ていた。
さんざん探し回ってようやく見つけた1品だという。
私も最初はカミーノTシャツを買うつもりでいたけど、お土産屋さんであふれかえる観光地Santiagoを見てからその気が失せて結局買わなかった。
他にもサマードレスやスニーカーを買ってご機嫌なヨーク。

メリは赤いジーンズが気に入って、ちょっと破れてたのに気にせず買ったらしい。
あはは、売ってる品物が破れているところもスペインらしいが、それを気にせず買うのもヨーロッパ人らしいところだろうか。



メリも私やスィナと同じく「歩きたい病」にかかっていてウズウズするという。
また、リュックを背負っての旅が気に入ったので、これから旅行をするときはもうスーツケースは使わずリュックにすると張り切っていた。

ヨークはもうしばらくカミーノ上にとどまり、オスピタレラとして働くつもりだという。
大体毎年夏の間はカミーノでボランティアをして過ごしているらしい。
この後、O’Cebreiroあたりのアルベルゲで働き、できれば9月にSt. Jean-Pied-de-Portのアルベルゲ、L’Esprit du Cheminでも働きたいとのこと。
L’Esprit du Cheminは私も出発前夜に泊まったお気に入りのアルベルゲだ。
そういえばあそこのオスピタレロたちもオランダ人だったね。


みんなで話しているとスィナからSMSが入ったので、ヨークやメリと最後のディナーを楽しんでることを伝える。
スィナも無事列車に乗れて、長い鉄道の旅を楽しんでるところらしい。



Santiago最後のディナー、痛恨のピンボケ…。
スペイン人店員に頼んだ私がバカだった。





メリ、ヨークと最後のお別れをし、お互いの今後の健闘をたたえあった。



パラドールの部屋に戻ると、その後何度もスィナからSMSが入る。
きっと淋しいんだろうな。
本人も「ちょっと感傷的になっている」と書いている。

その他、食堂車に行ってご飯を食べたら巡礼者割引がきいたとか、Chupitosまで飲めてご機嫌だとか、しつこくメッセージが入る。


40日ぶりぐらいに湯船にお湯を張ってお風呂に入り、広々としたベッドで静かに就寝。



寝てるのにまたしつこくスィナからSMS。
列車がPonferradaに差し掛かったとのこと。
「お城の入場料3ユーロ」って。
もう寝させてくれよと思いつつ、「私たちがクレームメモ残したから、きっとそれも改善されるよ」と返信。


ああ、Ponferradaのお城はキムと一緒に見学したよな。
キムはSantiagoまで到着できたんだろうか。
そして私が貸した本は…?









本日の歩数:7,136歩