この時代、人々は大雑把な感覚で日々を過ごしていた時代である。そのような時代にあってアヱネアスは、どのような暦を使っていたのか。彼らも言うに違わず日々を極めて大雑把に過ごしていた。ギリシア人も、西アジア諸国の者たちも日々を送ることに大雑把であった。
この時代、ギリシアを含めたエーゲ海沿岸諸国が使用した暦法は、楔形文字の解読によって判明した紀元前2000年頃のメソポタミア文明によってつくられたと言われている太陰太陽暦であった。地中海を挟んだエジプトでは、1年365日とした閏年のない太陽暦であった。のちのユリウスカエサルが参考とした暦法である。また、都市国家を統治する者の恣意的都合によって暦を決めていたらしいことがうかがわれる。ギリシア暦は、西アジアエーゲ海沿岸諸国が使用している暦とは月の設定の仕方を異にしていたらしい。アヱネアスらが使用していた暦は、太陰太陽暦の農耕暦であった。太陰太陽暦と字が示すように月の運行が月日を決め、暦年はじめの基準点に春分の日が関係していたのである。暦が農耕暦と言われるだけに、年初第一月の第一日を春分の日に近い新月の日を定め、『春めいてきたな』と、このひとことで、現行暦の三月を年初の第一月として、現行暦の十二月までを10カ月として、最終月の末日から春分のころまでの畑仕事のない季節には、日付をしないで日を過ごした。定期的に閏月が設けられるようになるのは、アテネの数学者のメトンがメトン周期を発見して、正式に暦法に採用されるのは紀元前433年ころの事である。これによって閏月がおおよその正確性をもって暦に組み込まれていったといっていい。閏月は最終月のあとに組み込まれた。(日本の江戸時代の暦の事を思い起こしてください)
前述したようにアヱネアスらが使用した暦は太陰太陽暦の農耕暦であった。
この暦法思考でメトン周期による閏月を組み込んで古代ローマ時代の暦となり、ローマ建国を為したロムルスの名を冠して、ロムルス暦と呼ばれた。しかし、時代が下って、太陰暦を用いるイスラム教が広まってからは、ユダヤ人社会を除いて西アジアの諸国では太陰太陽暦は用いられることはなくなった。
この暦では、月の呼称は一月、二月ではなく月名で呼ばれていた。現行暦の三月の春分に近い新月の日から第一月は、マルテイウス。第二月は、アプリ―リス。第三月は、マーイウス。第四月は、ユーニウス(紀元前44年からは、ユーリウス)。第五月は、クインテーリス。第六月は、セクステーリス。第七月は、セプテンベル。第八月は、オクトーベル。第九月は、ノーウエンベル。第十月は、デケンベル。と名付けられ呼ばれていたのである。(明日に続く)
この時代、ギリシアを含めたエーゲ海沿岸諸国が使用した暦法は、楔形文字の解読によって判明した紀元前2000年頃のメソポタミア文明によってつくられたと言われている太陰太陽暦であった。地中海を挟んだエジプトでは、1年365日とした閏年のない太陽暦であった。のちのユリウスカエサルが参考とした暦法である。また、都市国家を統治する者の恣意的都合によって暦を決めていたらしいことがうかがわれる。ギリシア暦は、西アジアエーゲ海沿岸諸国が使用している暦とは月の設定の仕方を異にしていたらしい。アヱネアスらが使用していた暦は、太陰太陽暦の農耕暦であった。太陰太陽暦と字が示すように月の運行が月日を決め、暦年はじめの基準点に春分の日が関係していたのである。暦が農耕暦と言われるだけに、年初第一月の第一日を春分の日に近い新月の日を定め、『春めいてきたな』と、このひとことで、現行暦の三月を年初の第一月として、現行暦の十二月までを10カ月として、最終月の末日から春分のころまでの畑仕事のない季節には、日付をしないで日を過ごした。定期的に閏月が設けられるようになるのは、アテネの数学者のメトンがメトン周期を発見して、正式に暦法に採用されるのは紀元前433年ころの事である。これによって閏月がおおよその正確性をもって暦に組み込まれていったといっていい。閏月は最終月のあとに組み込まれた。(日本の江戸時代の暦の事を思い起こしてください)
前述したようにアヱネアスらが使用した暦は太陰太陽暦の農耕暦であった。
この暦法思考でメトン周期による閏月を組み込んで古代ローマ時代の暦となり、ローマ建国を為したロムルスの名を冠して、ロムルス暦と呼ばれた。しかし、時代が下って、太陰暦を用いるイスラム教が広まってからは、ユダヤ人社会を除いて西アジアの諸国では太陰太陽暦は用いられることはなくなった。
この暦では、月の呼称は一月、二月ではなく月名で呼ばれていた。現行暦の三月の春分に近い新月の日から第一月は、マルテイウス。第二月は、アプリ―リス。第三月は、マーイウス。第四月は、ユーニウス(紀元前44年からは、ユーリウス)。第五月は、クインテーリス。第六月は、セクステーリス。第七月は、セプテンベル。第八月は、オクトーベル。第九月は、ノーウエンベル。第十月は、デケンベル。と名付けられ呼ばれていたのである。(明日に続く)
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