三人は、会議の場から帰る途中で立ち話を交わした。オロンテスがパリヌルスに声をかけた。
『パリヌルス、テカリオンが来るのはいつ頃だと考えている?』
『そのことは、考えてもいない。いま、頭の中にあることは目の前の事ばかりだ。そうだな近いうちに姿を現すとは思えない。新しい暦の始まる前には来るだろうとは思うが。今日や明日ではない事は確かだ。オキテス、お前の予感はどうだ?』
パリヌルスは考える風情で答えた。
『何だ、俺の予感か、予感は感じていない。俺の思いでは新しい暦のころであろうと考えている。その予定で風風感知器の仕事を進めている』
『やはりそうか。互いに思いは同じか。ところでオロンテス、小麦の在庫に何か心配事か?』
『いや、それはない。新しい暦が始まって、1カ月くらいは大丈夫だ。テカリオンの計らいで、我々は、今、不安を胸に抱くことなく日を送っている。全く感謝感謝だ。テカリオンからの小麦がなかったらと考えると背筋が寒くなる、何の心配もなく明日を追っかけるなんてできはしない。そのようなわけでテカリオンへの決済を滞りなく済まさねばと考えている。この点、テカリオン様様だ』
パリヌルスとオキテスの二人は、口をそろえてオロンテスに答えた。
『そうか、考えてみれば、明日に心配することなく日常の業務をやっていく。これはありがたいことだ』
三人はうなずき合った。このあたりの采配、事の処し方は、オロンテスの見事さであった。オロンテス流の先を見越しての事の処し方に二人は感服しきりであった。
『オロンテス、お前の算勘は大したものだ。それにしてもテカリオンの商いの見通し、それにしても大したもんだ。奴の方向付けがあったればこその今日ありだな』
オキテスは『全くだ!』とこの話に応じ、しきりに感嘆していた。
『我々が状況に応じて、しくじりのないようにに事を運んでいる、たまに失敗もやるが、その結果でもある。これは誰に感謝する?オキテス様とオロンテス様に感謝感謝だ!ご両人ありがとう』
『いやいや、そうではない。パリヌルス様に感謝かもしれん』
オキテスとオロンテスは、まじまじとパリヌルスの顔を見て、口をそろえてうやうやしく、
『パリヌルス様ありがとうございます』と言った。
三人の笑い声があがった。腹を抱えた。三人は自分たちの持ち場へと歩を向けた。
朝から雲に覆われていた空一帯を茜に染める太陽が雲間から顔をのぞかせていた。
『パリヌルス、テカリオンが来るのはいつ頃だと考えている?』
『そのことは、考えてもいない。いま、頭の中にあることは目の前の事ばかりだ。そうだな近いうちに姿を現すとは思えない。新しい暦の始まる前には来るだろうとは思うが。今日や明日ではない事は確かだ。オキテス、お前の予感はどうだ?』
パリヌルスは考える風情で答えた。
『何だ、俺の予感か、予感は感じていない。俺の思いでは新しい暦のころであろうと考えている。その予定で風風感知器の仕事を進めている』
『やはりそうか。互いに思いは同じか。ところでオロンテス、小麦の在庫に何か心配事か?』
『いや、それはない。新しい暦が始まって、1カ月くらいは大丈夫だ。テカリオンの計らいで、我々は、今、不安を胸に抱くことなく日を送っている。全く感謝感謝だ。テカリオンからの小麦がなかったらと考えると背筋が寒くなる、何の心配もなく明日を追っかけるなんてできはしない。そのようなわけでテカリオンへの決済を滞りなく済まさねばと考えている。この点、テカリオン様様だ』
パリヌルスとオキテスの二人は、口をそろえてオロンテスに答えた。
『そうか、考えてみれば、明日に心配することなく日常の業務をやっていく。これはありがたいことだ』
三人はうなずき合った。このあたりの采配、事の処し方は、オロンテスの見事さであった。オロンテス流の先を見越しての事の処し方に二人は感服しきりであった。
『オロンテス、お前の算勘は大したものだ。それにしてもテカリオンの商いの見通し、それにしても大したもんだ。奴の方向付けがあったればこその今日ありだな』
オキテスは『全くだ!』とこの話に応じ、しきりに感嘆していた。
『我々が状況に応じて、しくじりのないようにに事を運んでいる、たまに失敗もやるが、その結果でもある。これは誰に感謝する?オキテス様とオロンテス様に感謝感謝だ!ご両人ありがとう』
『いやいや、そうではない。パリヌルス様に感謝かもしれん』
オキテスとオロンテスは、まじまじとパリヌルスの顔を見て、口をそろえてうやうやしく、
『パリヌルス様ありがとうございます』と言った。
三人の笑い声があがった。腹を抱えた。三人は自分たちの持ち場へと歩を向けた。
朝から雲に覆われていた空一帯を茜に染める太陽が雲間から顔をのぞかせていた。
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