アレテスがジッタを伴って統領の宿舎の前に立った。彼に用件を指示したパリヌルスらの姿が見当たらない。
『少々、早く来過ぎたかな?』
彼はつぶやいてジッタの顔を見た。その時、遠くからアレテスを呼ぶ声が聞こえてきた。パリヌルスの声である。彼は声のする方角に目を向けた。パリヌルスが手を大きく振って招いている。アレテスはその方向に歩を向けた。
『おう、アレテス、ご苦労。思案がうまくまとまったか?』
『はい、いいようにまとまっています。私たちは私たちの集団のために何かをしたい、何かをやらねばと考えています!その一念の実行計画です』
『そうか、言ってくれるね。感動の一語だな。判った。お前の言うとおりだ。今日の会議で話してくれ。周囲の事は斟酌しなくともいい。考えてきたことをそのまま披露してくれていい。そのようなわけだ』
『判りました』
『もう、そろそろ軍団長も来る、統領の宿舎の方へ行こう』
三人は統領の宿舎の方へと足を運んだ。アヱネアスは戸口に立っていた。彼は、アレテスの姿を見て歩み寄った。
『アレテス、お前、今日の会議に出席するのか』
『はい、そうです』
『そうかそうか。大歓迎だ。こうして、お前を見つめれば、過ぎたあの日が思い出される』と言ってアヱネアスはアレテスの肩を抱いた。
アレテスは、炎上するトロイを後にして、漆黒の闇の中をアヱネアスと一団となってパリヌルスの船だまりへ馬で疾駆した日の事をありありと思い出していた。
『おう、軍団長も来た、オキテスも来た。中へ入ろう』
オロンテスも間をおかずに姿を見せた。
『おう、一同揃ったな。時間励行、重畳重畳!』と言ってイリオネスは一同と目を合わせた。
『一同、ご苦労。一昨日の会議で伝えた課題についての立案は出来ているな、議事の進行はこの順序で進める』
彼はそのように言って議事の進行順序を書き記した木板をテーブルの上に置いた。
『統領、会議の冒頭に言われることがありますか?』
『いや、ない。軍団長進めてくれ。会議の締めくくりに述べる。俺のスタンスは、よろず広論の重用だ。一同、議題の討議を尽くしてくれ』
『軍団長、会議を始める前に建物補強工事の進捗について報告します』
パリヌルスは、補強工事の進み具合を報告した。
『少々、早く来過ぎたかな?』
彼はつぶやいてジッタの顔を見た。その時、遠くからアレテスを呼ぶ声が聞こえてきた。パリヌルスの声である。彼は声のする方角に目を向けた。パリヌルスが手を大きく振って招いている。アレテスはその方向に歩を向けた。
『おう、アレテス、ご苦労。思案がうまくまとまったか?』
『はい、いいようにまとまっています。私たちは私たちの集団のために何かをしたい、何かをやらねばと考えています!その一念の実行計画です』
『そうか、言ってくれるね。感動の一語だな。判った。お前の言うとおりだ。今日の会議で話してくれ。周囲の事は斟酌しなくともいい。考えてきたことをそのまま披露してくれていい。そのようなわけだ』
『判りました』
『もう、そろそろ軍団長も来る、統領の宿舎の方へ行こう』
三人は統領の宿舎の方へと足を運んだ。アヱネアスは戸口に立っていた。彼は、アレテスの姿を見て歩み寄った。
『アレテス、お前、今日の会議に出席するのか』
『はい、そうです』
『そうかそうか。大歓迎だ。こうして、お前を見つめれば、過ぎたあの日が思い出される』と言ってアヱネアスはアレテスの肩を抱いた。
アレテスは、炎上するトロイを後にして、漆黒の闇の中をアヱネアスと一団となってパリヌルスの船だまりへ馬で疾駆した日の事をありありと思い出していた。
『おう、軍団長も来た、オキテスも来た。中へ入ろう』
オロンテスも間をおかずに姿を見せた。
『おう、一同揃ったな。時間励行、重畳重畳!』と言ってイリオネスは一同と目を合わせた。
『一同、ご苦労。一昨日の会議で伝えた課題についての立案は出来ているな、議事の進行はこの順序で進める』
彼はそのように言って議事の進行順序を書き記した木板をテーブルの上に置いた。
『統領、会議の冒頭に言われることがありますか?』
『いや、ない。軍団長進めてくれ。会議の締めくくりに述べる。俺のスタンスは、よろず広論の重用だ。一同、議題の討議を尽くしてくれ』
『軍団長、会議を始める前に建物補強工事の進捗について報告します』
パリヌルスは、補強工事の進み具合を報告した。
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