『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦   7

2013-05-03 09:08:23 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『パリヌルス、お前いいことを言う『備えよ常に』か、いい言葉だ。肝に持とう』
 アヱネアスは、話を続けた。
 『昨日もイリオネスに言ったことだが、今日の会談にそなえて俺の気持ちを伝えておく。いいか、要は力だ。力があるとないでは違う。力とそれについてまわる計算力だ。事を征する力、資力、そして、計算力、この三つが三位一体となって、我々、民族が志向する大事を成し遂げることができる。我々の今は、小むつかしい、まわりくどい考えは必要ない。要は力だ、今の我々には、その力がある。思うところの実現をやってくれ!』
 これがアヱネアスの今の彼なりの思考であり、実行の根拠であった。
 『判りました。やります!』
 パリヌルスら三人は言いきった。イリオネスはうなずきながら、初めにアヱネアスを、そして、三人と目を合わせた。
 『このクレタでは、造船が盛んに行われていたらしい。それが文明をうしろから押して栄えさせた。どうもそうであるらしい』
 アヱネアスの言葉である、イリオネスが顔を上下させている。話は核心に向かった。オキテスが口を開いた。
 『テカリオンとの話し合いは、これが焦点だな。なあ、パリヌルス、モノづくりだ。やろうではないか』
 『判った。舟艇、方角時板、そして、風風感知器、それに地元産品としてパンも焼いて、どうだ、やってみる価値がある。これは地元の浜頭との話し合いということになるが』


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