アヱネアスの言葉を受けてオキテスは、テカリオンの顔を見た。
『テカリオン、俺の話を聞くか』
『え~え、聞きますとも、聞きますとも』
『いやいや、まっこと、あれは奇跡以外の何物でもない。今、思うとミラクルだったな、、、、』
彼は滔々と大漁の様子を目に見えるように語った。
『なあ~、テカリオン、お前もそうであろうと思うが、海の上の事については、それなりに詳しいと言っていい。それなのに海の深いところは、まさに迷界だ。あのような釣果を得たのは奇跡だと思っている。この俺も知力、体力の限りを注ぎ込んでやった成果だったといえ、それをはるかに超える成果に感謝している』
『それはそれは、結構でした。いやあ~、いい話を聞きました。こう言っては何ですが、今、私の船に積んでいる荷の中に、最も新しい鉄でできた釣り針があります。それを差し上げたいと思いますが、如何でしょうか。受け取っていただければ幸いといったところです。あの釣り針だったら、釣りあげた魚を取り逃がすことはないと思います』
『おおっ!そうか、そんな釣り針をくれるというのか、それはありがたい!お前の言葉に甘えていいのか、ちょっとあとが怖いような気もするが。なあ~、オロンテス、お前どう思う?俺たちが使った釣り針は、寄せ集めの釣り針だったからな』
『まあ~、そういったところでしたな』
オキテスは、慎重に考えた面持ちで答えた。
『テカリオン、いいのか、お前の言葉に甘えて、喜んで頂戴する。ありがとう、心から礼を言う』
テカリオンとの話は一段落した。続いて、パリヌルスがテカリオンに声をかけた。
『テカリオン、お前、このあとの航海予定はどのように考えている?よければ聞かせてくれ。お前をここに引き止める日数を考えている。今年も残すところ20日余りだからな』
『私の予定は、ここでの用事を終えれば、北へ向かい多島の海域を東へ、ミレトスに3日ぐらい滞在して、用事を済まし、ミチィリーニに帰る。そういったところだ』
『そうか、この季節に吹く風に配慮しての船旅といったところか。長くは引き止められないな。まあ~、いいだろう』
『俺は、明後日には出航する。その頃には、いい風が吹くだろうと段取りしている』
『判った。明日でも、みっちり打ち合わせをやろう。互いに大事な話もある、それでいいな』
『おう、それでいい。前向きな話をしてくれよ』
『判った。ところで、お前たち一行は何人だ。昼めしのことだ』
『俺たちの事か。そんな気配りせずともよい、昼は準備している。俺たち総員は23人だ』
『そう言うな。まあ~、昼めしは準備する。心づくしだ』
『判った。お前の言葉だ。馳走になる』
二人の話は終わった。
『テカリオン、俺の話を聞くか』
『え~え、聞きますとも、聞きますとも』
『いやいや、まっこと、あれは奇跡以外の何物でもない。今、思うとミラクルだったな、、、、』
彼は滔々と大漁の様子を目に見えるように語った。
『なあ~、テカリオン、お前もそうであろうと思うが、海の上の事については、それなりに詳しいと言っていい。それなのに海の深いところは、まさに迷界だ。あのような釣果を得たのは奇跡だと思っている。この俺も知力、体力の限りを注ぎ込んでやった成果だったといえ、それをはるかに超える成果に感謝している』
『それはそれは、結構でした。いやあ~、いい話を聞きました。こう言っては何ですが、今、私の船に積んでいる荷の中に、最も新しい鉄でできた釣り針があります。それを差し上げたいと思いますが、如何でしょうか。受け取っていただければ幸いといったところです。あの釣り針だったら、釣りあげた魚を取り逃がすことはないと思います』
『おおっ!そうか、そんな釣り針をくれるというのか、それはありがたい!お前の言葉に甘えていいのか、ちょっとあとが怖いような気もするが。なあ~、オロンテス、お前どう思う?俺たちが使った釣り針は、寄せ集めの釣り針だったからな』
『まあ~、そういったところでしたな』
オキテスは、慎重に考えた面持ちで答えた。
『テカリオン、いいのか、お前の言葉に甘えて、喜んで頂戴する。ありがとう、心から礼を言う』
テカリオンとの話は一段落した。続いて、パリヌルスがテカリオンに声をかけた。
『テカリオン、お前、このあとの航海予定はどのように考えている?よければ聞かせてくれ。お前をここに引き止める日数を考えている。今年も残すところ20日余りだからな』
『私の予定は、ここでの用事を終えれば、北へ向かい多島の海域を東へ、ミレトスに3日ぐらい滞在して、用事を済まし、ミチィリーニに帰る。そういったところだ』
『そうか、この季節に吹く風に配慮しての船旅といったところか。長くは引き止められないな。まあ~、いいだろう』
『俺は、明後日には出航する。その頃には、いい風が吹くだろうと段取りしている』
『判った。明日でも、みっちり打ち合わせをやろう。互いに大事な話もある、それでいいな』
『おう、それでいい。前向きな話をしてくれよ』
『判った。ところで、お前たち一行は何人だ。昼めしのことだ』
『俺たちの事か。そんな気配りせずともよい、昼は準備している。俺たち総員は23人だ』
『そう言うな。まあ~、昼めしは準備する。心づくしだ』
『判った。お前の言葉だ。馳走になる』
二人の話は終わった。
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