操船の技術は、納得の出来るものであった。右舷がやや沈み加減となって、舟は、難なく進路を変えて進んだ。このあと、着岸手前まで、オールさばきでやるらしい。とにかく、二人の口の出せる場合ではない。この地点までの航海は、予定通りである。二人は、仰ぎ見る太陽のぐあいでチエックした。
浜では、数人の監視人がこちらを見ている。おおよその着岸地点と思われる箇所に移動しているのが、こちらからも見える。
『どうする!オデッセウス!』
メネラオスは、構えている。
『俺の腹は、決まっている!やられる前に対手を倒す!それだけだ。』
『諾!』
オデッセウスは、短く答えた。
必ず生きて還る。それが希望であり、意志であった。
浜では、数人の監視人がこちらを見ている。おおよその着岸地点と思われる箇所に移動しているのが、こちらからも見える。
『どうする!オデッセウス!』
メネラオスは、構えている。
『俺の腹は、決まっている!やられる前に対手を倒す!それだけだ。』
『諾!』
オデッセウスは、短く答えた。
必ず生きて還る。それが希望であり、意志であった。