太陽の光をさえぎるもののない舟の上である。夏の陽射しはきつい、だが、肌に当たる海風の心地よさは、陸上のものとは別物であった。
二人は、どれくらいの時間をまどろんでいたのであろうか。漁師船長の声に目をさまされた。二人は、行く先の浜に目を凝らした。浜に居る人影を認めることが出来るくらいのところまで舟は来ている。漁師船長は、オデッセウスに聞いてきた。
『浜のどのあたりにつけようか? 』
オデッセウスはメネラオスと話し合った。アンテノールのくれた地図に目を落としている。小高い丘の上にある建物と、地図に書かれている構図が一致するように思われる。オデッセウスは、地図を漁師船長にも見せた。彼はうなずいて、水夫たちに帆を降ろすように指示すると同時に舟を右方向に向かわせるオール操作を指示した。
二人は、どれくらいの時間をまどろんでいたのであろうか。漁師船長の声に目をさまされた。二人は、行く先の浜に目を凝らした。浜に居る人影を認めることが出来るくらいのところまで舟は来ている。漁師船長は、オデッセウスに聞いてきた。
『浜のどのあたりにつけようか? 』
オデッセウスはメネラオスと話し合った。アンテノールのくれた地図に目を落としている。小高い丘の上にある建物と、地図に書かれている構図が一致するように思われる。オデッセウスは、地図を漁師船長にも見せた。彼はうなずいて、水夫たちに帆を降ろすように指示すると同時に舟を右方向に向かわせるオール操作を指示した。