★星空日記コリメート風goo★

星や旅などの話題を「ひらい」が札幌から発信。2010年開設。2022年7月にteacupからgooへ引越しました。

極軸修正2回目

2015-10-03 07:00:00 | 30D赤道儀
 9月30日に今年2回目の極軸修正を行いました。当日は薄曇りと月明かりの影響で、裸眼では3等星がようやく見えるぐらいの悪条件です。

  【 2015年9月25日の記事 】で掲載した画像を参考に、何度か修正作業を繰り返してから検証用の画像を撮影しました。

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 19時09分から16分までの間に極軸を15度ずつ回転させて撮影した17枚の画像を重ね合わせました。

 画面で一番明るく写っている恒星は北極星です。

 暗い星の軌跡を利用し、極軸が向いている天球上の地点を求めてみました。黄色の線の交点が極軸が向いている地点です。
 赤の×印が天の北極。極軸のずれは角度の1~2分程度まで減少しました。

 合成画像をよくみると、恒星の軌跡が真丸とならずに楕円になっています。どうやら接眼部のたわみが原因のようです。

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 コリメート撮影時には、接眼部からコンパクトデジカメまでかなり長くなってしまうため、極軸を半回転以上させると、どうしてもカメラの自重でたわんでしまうようです。


 なお、2015年9月の時点で北極星は天の北極から角度で40分25秒ほど離れています。

 地球の自転軸の歳差運動のため北極星は少しずつ天の北極に近づいていて、来年の9月の離角は40分12秒。ここ最近だと毎年13秒ほど離角が減少し、2017年秋には40分以下になります。

 2015年版の天文年鑑340ページによれば、北極星が天の北極に最も近づくのは2102年で、離角は27分37秒とのこと。
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初めて比較明合成

2015-09-25 07:00:00 | 30D赤道儀
 短時間露出の星野画像を重ね合わせ、日周運動で星が流れている様子などを表現する画像処理に比較明合成という方法があります。

 今回、望遠鏡の極軸がどの程度天の北極からずれているか検証するため、初めて比較明合成に挑戦してみました。

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 望遠鏡を天の北極に向け、赤経1時間ごとにずらして撮影した16枚の画像を比較明合成してみました。
 左側の明るく白い点々が北極星です。コリメート法の欠点で写野周辺の星像が乱れてしまっています。

 赤い線の交差点が極軸の向いている位置。黄色の×が天の北極。極軸がまだ少しずれているようです。
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赤道儀の不調

2015-04-09 07:00:00 | 30D赤道儀
 4月7日(火)、宇治天体精機製30D赤道儀の赤緯モーターが急に動かなくなりました。

 自力でチェックしても電気系統が苦手なため原因不明。止むを得ずアストロショップAUの小笠原さんに来ていただき原因を探ると・・・

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 まず、制御用の電気ケーブルをチェック。
 断線はしていませんでしたが、コネクターが割れそうだったので、来てもらったついでに交換してもらいました。

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 次に、赤緯ウォームホイル回りのギアを点検。
 ほんの少しだけ噛み合わせが固かっただけで特に異状なし。分解ついでに少しだけグリースアップ。

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 最後に、制御ボックスを開けてみると・・・。焦げ臭い!
 指の先にある赤緯の電子部品が焦げていました。どうやら犯人はこいつのようです。

 なお、この制御系は宇治天体精機製ではなく、アストロショップAUさんを通じて購入したNS企画のNS5000という製品です。

 修理が必要とのことで、制御ボックスは入院となりました。
 こんなとき、アストロショップAUさんが身近にいるのは心強い限りです。多忙にも係わらず即座のバックアップ、ありがとうございます。
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30D赤道儀の点検

2015-02-15 07:00:00 | 30D赤道儀
 1月下旬に宇治天体精機代表の村下さんから
 「仕事で北海道に行きます。30D赤道儀の調子はどうですか?」 との電話をいただきました。

 「とても調子がいいです。」と返答。
 「寒い北海道では精密歯車の調整が重要なので点検したいのですが。」 との有難い申し出です。
 そこで、2月12日(木)の21時から札幌市東区実家屋上に設置した30D赤道儀を見ていただきました。

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 30D赤道儀を点検中の村下さん(右)。
 なお、村下さんはこの赤道儀を製作したご本人です。
 アストロショップAUのオガさんが一緒に立ち会ってくれました。

 調整する際のコツを教えていただき、感謝します。

 自作の昇降式支柱も見ていただきました。
 「思ったよりもしっかりと作られていますね。」 とお褒めの言葉を頂戴しました。いつも辛口の村下さんから褒められると嬉しいなあ~。

 村下さん、オガさん、点検ありがとうございました。
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望遠鏡の無線制御2

2014-10-01 07:00:00 | 30D赤道儀
 2014年9月25日の記事【望遠鏡の無線制御】からの続きです。

 NS5000という望遠鏡駆動制御システムに Bluetooth機能を9月上旬に積載してもらいましたが、最初はうまく作動しませんでした。

 Bluetooth というのは、パソコンなどの情報機器とプリンターやマウスなどをケーブルなしで通信できるようにする短距離無線通信技術のことです。

 今までは、NS5000制御ボックスと制御パソコンの間にはケーブルで信号を送受信、つまり有線通信でしたが、 Bluetooth機能を利用することで無線通信しようと考えました。

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 試行錯誤の末、ついに、Bluetooth接続できたタブレット型ノートパソコン(左)とトラックボール(右)です。パソコンからケーブルが一切出ていないことに注目。

 なお、使用している導入ソフトのステラナビゲーターVer.9 は一部の機能が画面タッチでは動作しないため、トラックボールを用意しました。

 これで、ケーブルのからまりを気にすることなく、パソコンを望遠鏡接眼部付近に移動できるようになったため、星雲星団や二重星などの導入効率が飛躍的に高まりました。


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 無線制御できた記念に、カシオペヤ座にあるNGC457散開星団をコリメート撮影してみました。写っている最も暗い星は16等星ぐらいです。

 NGC457を見るたび、私は飛ぶ白鳥の姿を想像してしまうのですが、映画のE.T.のキャラクターに例えてE.T.星団 (ET Cluster) とか、ふくろう星団 (Owl Cluster)、とんぼ星団 (Dragonfly Cluster) などの愛称があります。

 撮影データです。2014年9月29日20時29分、15cmF7.3屈折、ED1.5×エクステンダー、NBN-PVフィルター、30mm接眼鏡、デジカメLX7、露出60秒、絞りF2.3、感度ISO1600、合成焦点距離4950mm、モノクロモードで撮影。
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