小説 泣きむし横丁 真心食堂
※これは小説シナリオであり
現実とは関係がありません。
◆轟陣兵
令和6年の初旬も過ぎて新春
の泣きむし横丁で朝食でも取
るか俺のイタリアバイクも古
くなったもんだ風を切る空気
も身に染みて悪寒を感じるな。
※泣きむし横町 真心食堂
◆常連客 中浜ラッパ
おいおい知ってるかよ小長谷
恭蔵という貧乏城郭研究家は
客全員に逃げられたつて噂だぞ
あんな真面目研究家は駄目だ!
◆轟陣兵
ちわっ!朝食もやしラーメン
作って下さい。大将お願い!
◆真心食堂大将
社長!へい!合点しました!
◆常連客 中浜ラッパ
おいおい、この店の俺は常連
だ朝食もやしラーメンなんて
メニュー聞いた事ないんだよ!
おいおい知ってるか真心産業
の轟会長ってのは経済家では
ないそうだぞ!経営に失敗し
しては自宅を何度も売り払う
下手くそ経営者で未だ社宅に
住んでいる駄目経済家だとよ!
◆真心食堂女将
中浜ラッパさん即刻帰っ下さい!
ウチの店は元来は真心産業社員
食堂だったのを社長が邸宅売却
して私達夫婦の為の食堂にされ
たのよ!失礼な発言は困ります。
◆常連客 中浜ラッパ
ケッツ!何が轟陣兵だよ!貧乏
経営者がエラそうな常連客づら
をするなって俺はこの食堂一年
に300回来ている常連様だぞ!
この店は俺の推薦で成立してる
言わばこの店の主とも言える!
◆真心食堂大将
帰れ!中浜ラッパ!俺は今日限
りこの泣きむし横丁の店閉店だ
さあ帰った帰った!おい女将よ
中浜ラッパの背中に塩をかけろ!
◆常連客 中浜ラッパ
これはこれは驚いた!中浜様の
御推薦のこの食堂が今日限りで
閉店とは!?大将と女将の接客
態度が悪かったて事は確実だ!
ああもうこんな接客レベル最低
の店など二度とは来ねえよな!
◆別の常連客
へえこの食堂を建てたのは実は
轟会長だとは全くしらなかった
中浜ラッパさんはうっとうしい
客だから今後来て欲しくない!
昔からよく言う常連こそ店を
潰すと言うことわざ通りだよ!
◆轟陣兵
泣きむし横丁 真心食堂よくも
40年間も継続しましたね!大将
と女将の涙の結晶真心の結晶だ!
でも本当の真心は店を継続させ
る夫婦様の一本気だと思ってる
◆板前見習 柴田サバオ
大将、カミさん?真心食堂今日で
閉店なんすか?俺どうしたら良
い失業したら何処も職がない!
◆轟陣兵
安心しなさい!サバオ君、君は
真心食堂を継承するだけの素養
があるスジが良いと大将から聞
いているやがて君がこの店の味
と魂を継承する本物の料理人だ!
◆轟陣兵
そこの先生!陣兵人をみるに
あの小長谷恭蔵先生だと見た
先生の顔貌には夜勤の疲労の
色を感じます。大将!小長谷
先生に正月の夜勤の疲れ回復
する真心七草粥をだしなさい。
◆真心食堂大将
女将早速七草粥の食材用意を!
◆真心食堂女将
アイョ!合点だ!任せなさいよ!
◆小長谷恭蔵
轟会長さんとやら!何故に私が
貧乏城郭研究家『小長谷』だと
解ったんですか?
◆轟陣兵
なあに~こちとら真心屋の丁稚
からたたき上げだバカ商人だよ
背中に耳や目を持ってる男です。
小長谷先生養生の為に七草粥を
食して休養と保養をして下さい。
◆小長谷恭蔵
過分の御配慮学者として痛み入り
ます。心より御礼を申し上げます。
◆轟陣兵
泣きむし横丁はうらぶれた町でも
昔は交通の要衝で10か所もの古城
が存在した小長谷先生この10城を
活かした10城講演会をウチの会社
の倉庫でぶっ放して下さい!先生!
◆小長谷恭蔵
人行きかう街道の寒空無職たる私
への講演依頼に涙が流れますよ!
◆真心食堂女将
アンタ「大将」大変よ!泣き虫
横丁の住民の皆様が食堂の朝食
を食べたいと電話が鳴りぱなし
よ!これで店閉めずに済むわ!
◆轟陣兵
ふふふふ しゃべりの 中浜ラッパ
真心食堂の悪口を泣きむし商店街で
吹聴しおったな!これを聞いた街の
連中は黙ってはおられんわな!心の
奥のその奥に染みわたる真心食堂の
味はわすれられないふるさとの味だ!
◆真心食堂大将
板前見習の柴田サバオ準備せい!
◆板前見習の柴田サバオ
大将何を準備するんですかね!
◆真心食堂大将
バカやろう!本日の食材の
増量準備をせよと言ってる
んだお前はミゼットに載っ
て食材を緊急準備しろい!
食堂とは天を見る風を知る。
気温をしる。地をも知る!
真心にかける人の気を知る。
いそげやサバオ市場に急げ。
◆真心食堂大将
会長!給仕係をして店の
緊急を助けて下さいよ!
◆轟会長
へい旦那様の御指示合点で
御座います。丁稚の陣兵は
未だに使い者になりますよ。
◆真心食堂大将
サバオ!墨汁紙用意しなさい!
涙横丁10城講演会小長谷講師
とかいた張り紙を用意しろい。
◆真心食堂女将
小長谷先生七草粥出来ました
どうぞ。ゆっくり召し上がれ。
◆小長谷恭蔵
なんと言う事なのでしょうか?
私は10城を知っているでも町
の人情は知りませんでしたよ。
私の涙が七草粥にまで混ざっ
美味しく感じているのですか?
◆轟会長
真心食堂の大将の食事とは人の
心の奥にまでとどく名人の味だ
小長谷先生も講演に集まられた
街の方々の心の奥にまで沁みる
真の歴史城郭を展開して下さい
日本全国ひろしと言えど10城の
街でしかできない講演を願う!
涙の出る良い対話だと感じ入ります。