辛口コラム
毎日新聞経済欄のコラム「経済観測」(三連星)子
《昔、中国で干ばつのたぐいがあると「政治に対する天の怒り」とし、それをナダめるため三公すなわち行政の責任者の首を切る習慣があった。
現代の感覚からすれば不合理きわまりない。いくら人災といっても限りがあるが、そこが政治だ。何があってもワリを食うのは貧乏人である。「失うべき何物もない」というのはマルキシストの言葉のアヤ。ぎりぎりの生活をしておれば、余裕がなければ、不時の打撃はそのままマイナスとなる。その不平不満の芽を摘むために「責任は彼」と犠牲の羊をつくったのは古人のチエ。ただし、それは一時しのぎで構造にメスを入れないでいると「革命」に及ぶ。これは宮城野昌光の世界。東西、台風で騒然としている。ニューオーリンズなど知事、市長が早くから避難勧告、命令まで出していたが住民の半ばは動かなかった。言い分を聞くと「動けなかった」ようだ。「足(自動車)がない」、「あってもどこへ行けというのか」「いってどうして生活するのか」。これでは座して台風を待つばかり。つまり大型台風によってはしなくも米国経済の構造のいびつさがムキ出しになったものだ。ウオール街の株価がしっかりしているからすべての国民がハッピーなわけではない。資本主義では勝ち組、負け組はつきものだから、努力して勝ち組に入れよと言ってブッシュ、共和党は大統領、議会を制した。金持優遇、バターより大砲の製作に釘を刺したのがこの台風。そして盟友小泉首相、「郵政民営化」ですべてよくなると言うが、マサカ水害、土砂くずれまでも。》
障害者、病人、高齢者、失業者、ニート、低所得者、これからどうなる。
ブッシュ流弱者切り捨ての政治を踏襲しようとする小泉政治を克明に記録しておかなければならない。