伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

いまこそ被災地からの情報発信を―被災地の願い踏みつける安倍首相

2013年03月28日 | 活動報告
 31日付けの日本共産党議員だよりの原稿を書きました。安倍首相が来県し東電福島第1原子力発電所を視察し、再稼働をめざす発言を繰り返すことが気にかかるものですから、そのことをテーマにしました。以下その記事です。

いまこそ原発被災地からの情報発信を
被災者の思いを踏みつける安倍首相

 安倍晋三首相が福島県を訪れ、原発の再稼働について繰り返し発言しています。3月24日にも郡山市で再稼働の意欲を示しました。こうした安倍自公政権のめざす原発再稼働の動きを押し返すために被災地ががんばる時です。

 安倍首相が来県した24日の前日、福島市のあづま総合体育館で、全国から約7000人が集結した「原発のない福島を!県民大集会」が開かれました。参加者の大多数は県民です。県民の圧倒的多数が県内原発ゼロを求めていることが実感されます。

 いわき市議会は昨年の7月定例会で県内全原発の廃炉を求める請願を採択し、いわき市も同様の立場を示しました。
 福島県と県議会をはじめ県内59市町村中52市町村が同様の決議等を採択しています。

 こうした地方議会あるいは自治体の動きに、県内原発廃炉を求める世論の大きさが示されています。
 ところがこの福島県に来て、東京電力福島第一原子力発電所事故の収束作業を視察しながら、別表のような発言を繰り返す安倍首相。その姿勢には、原発を何としても動かし、原発政策の継続をもくろむ安倍自公政権の並々ならぬ決意が隠されているように見えます。

 24日の発言では、再稼働は復興のために必要と言って、被災地の住民に原発再稼働か、復興か選択を迫っています。おまけに県内原発の再稼働まで視野に入っているようです。

 東電が県内の原発のうち廃炉としているのは、事故をおこした第1原発の1号機から4号機だけ。同5、6号機と第2原発4つの原子炉の扱いは明確にしていません。

 報道で県と県議会関係者は否定していますが、首相の発言は再稼働を前提にしているのです。

 こうした首相の姿勢は、事故被災地の住民をさらに苦しめることは間違いありません。
 それでなくても原発事故が収束しない状況で、県・市民は不安と苦難の中で生活しているのです。

 3月18日に発生した停電事故は、いつ何がおこるか分からない状況に事故原子炉があることを白日のもとにさらしました。「避難した方が良いのだろうか」と問い合わせする市民がいたほどです。

 事故をおこした原子炉からは、未だに毎時1000万ベクレルの放射性物質が拡散しているとみられます。
 海洋に現在でも毎日何十億ベクレルという量で、放射性物質が漏れ出している恐れがあるという試算を海洋大学の教授が公表し24日報道されました。
 市が行った自主避難をしている市民へのアンケート調査では、いわき市に戻るための課題として原発事故の収束を上げる人が66・5%にのぼっています。こうした状況があるからこそ、住民は、一刻も早い原発事故の収束を求めているのです。

 23日の集会では、JAふたば、相馬双葉漁業協同組合、県森林連合会、県旅館ホテル生活衛生同業組合の代表などが原発被害と復興の現状を報告しました。この中で今春高校を卒業し大学に進学するという高野桜さんは、こう訴えました。

 「高校生平和大使の活動を通じて、伝えていくことの大切さを学びました。同じ事故を繰り返さないためにも、事故を風化させないためにも、たくさんの人に伝えていく使命がある」。

 安倍首相が福島で再稼働に向けた発言を繰り返すのは、原発事故をより小さく見せ、一方、事故への対応が順調と印象づけて国民の原発事故への関心を風化させる狙いをもっているに違いありません。

 それだけに高校生平和大使が訴えるように、原発被災地からの情報発信を強めていくことが求められています。

 原発事故から2年が過ぎました。この間、復興や風評被害対策を優先するあまり、原発事故の被害を論評したり賠償を求めることなどを、「市民の不安をあおる」「風評被害克服に逆行する」などと考えて、これらを避ける傾向も一部にみられます。

 こうした動きは、原発の再稼働を狙う安倍首相の動きを結果として後押しし手助けすることになりかねません。

 風評被害の克服は、産物をしっかり検査して流通させることと、放射性物質に対する知識の普及を図ることに取り組むことで進めることが可能です。
 県内すべての原発をなくし、原発政策推進ありきの再稼働を許さないためにも、原発被災地のいわき市から、そして市議会から、原発被害の実情を情報発信していくことが、重要な時期になっています。

 日本共産党市議団は、その一翼を担tって、原発のない社会の実現にむけてこれからもがんばります。




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