伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

議員だより記事を書きました。東海第二の廃炉求めよ

2017年12月29日 | 市議会
 年明けの議員だより向けに書いた、12月定例会の一般質問の原稿です。

 すでに本ブログで質問の全文を掲載していますが、この記事を読んでいただくことで、質問の趣旨が明確になれば幸いです。



意見表明に二重基準
東海第二発電所の廃炉求めよ
12月定例会一般質問・伊藤浩之


 昨年12月21日閉会したいわき市市議会12月定例会で、東海第二発電所(原子力発電所、以下、東海第二)の運転期間延長申請問題にかかわって本市が廃炉を求める意見を表明すべきなどと求めた伊藤浩之議員が、一般質問の内容をお知らせします。

    ◆

 質問でまず取り上げたのは、東京電力福島第一原子力発電所の事故が、本市市民に何をもたらしたかという点です。

 原発は事故を起こさないという安全神話の上に組み立てられていたそれまでの対応策は、放射線の測定手段も、放射性物質への対応も、あれもこれもない、という状況でした。

 その後、ホールボディカウンター(内部被ばく検査)、積算線量計(外部線量測定)、自家消費用作物等の放射能簡易検査などが導入され、多くの市民が利用し、安全を確認しながら生活するという事態になりました。

 その利用の推移から、市民の原発事故の受け止めを推し量ることが可能です。

 答弁では、「当初は検査件数も多く、市民が安全性に不安を感じていたが、震災後6年9カ月が経過し、件数は減少傾向にあることから、不安感が和らぎつつあると認識している」などと、事故直後の市民の不安の大きさと、不安が解消しつつあるものの現在でも不安を持つ市民が存在することを示しました。

 ここに、深刻な原発事故の影響を見ることができるわけですが、この体験・教訓は、茨城県の東海第二の再稼働・運転期間延長問題にも、生かされなければなりません。

 そこで次に取り上げたのが、本市の意見表明のあり方です。これまで東海第二について、「他県に立地しており、直接協議する権限もないことから、その是非について評価する立場にない」との答弁を繰り返してきたからです。

 伊藤 本市に権限がない問題について、本市として意見を持つことはできないのか。

 危機管理監 「他県に立地する原子力発電所の再稼働の是非」という本市に判断する権限のない問題に対し、評価する立場にはないという意味だ。

 伊藤 これまでの答弁を繰り返しただけだが、次に、いわき市非核平和都市宣言は、「核兵器はつまらないからよせ」と、本市が世界に向けて意見を表明しているのではないか。

 総務部長 我が国が世界唯一の核被爆国であり、核兵器のない平和な世界の実現は、市民の共通の願いであることから、市として宣言をしたものだ。

 伊藤 意見が含まれているのか。

 危機管理監 核兵器のない平和な社会の実現という理念に基づき、本市が宣言したものだ。
 原発の再稼働に関わる議論は、地域経済に及ぼす影響が大きく、当事者がまず是非を判断する必要がある。
 従って、本市が原発再稼働の是非について意見を申し上げることは適切ではない。

 伊藤 非核平和都市宣言は「本市の意見を含んでいる」でよろしいか。

 副市長 宣言という意味で、意思、意図を伝えている。

 伊藤 意見を含んでいるということだ。

 今回の一般質問では、他の項目でも、質問にまともに答えない場面に多々出くわしました。非核平和都市宣言が本市の意見を含んでいるという答弁を得るまで、これだけの質問を重ねなければなりませんでした。

 なぜこの質問にここにこだわったのか。「条約とか、外交とかは、地方の事務にはなっていない」と答弁されているように、本市に権限がない「核兵器はつまらないからよせ」、つまり「なくせ」という意見を、本市は世界に向けて公表しているからです。

 一方では「権限がないから評価できない」といい、一方では権限はないが「核兵器はよせ」という。これでは本市の意見表明のあり方に二重の基準があると言わざるを得ません。

 この矛盾を指摘した上で、あらためて東海第二の廃炉を求めるよう質問しました。答弁は「直接協議する権限もないことから、その是非について評価する立場にない」と過去と同じ答弁を繰り返しました。

 私は、質問の前日、伊方原発について、火砕流の到達範囲の判断に誤りがあるとして運転差し止めの仮処分申請が認められたことを踏まえ、「何よりも、いわき市が優先すべきは納税している市民。市民をほっといて、意見を表明しないなんて話はない」と、市の姿勢を批判しました。




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