これも年明けの議員だより用の原稿です。
討論を中心に、定例会の結果をまとめました。
いわき市議会12月定例会について、討論に立った伊藤浩之議員がお知らせします。
12月定例会は12月7日から21日まで開かれました。21日には追加提出となった職員給与関連議案等17件を含む市長提出の38議案すべてと、災害公営住宅の家賃に関する請願1件、議員提出の3意見書を可決、11月定例会から継続審査となっていた2016(平成28)年度決算関連18議案を認定としました。
日本共産党市議団はこのうち、2議案に反対、決算関連の2議案を不認定としました。
反対した議案の一つは、いわき市健康・福祉プラザ条例の改正についてです。
同案は、健康・福祉プラザ「ゆったり館」の年間利用料金の限度額を4万1140円から6万2千円に引き上げることなどが内容でした。
同館は1998(平成10)年4月に利用が始まりましたが、先立つ3月定例会で市は、施設の機能を2つあげ、市民が気軽に利用できる安い料金にするとしていました。
説明された機能は、①市民の健康増進、高齢者、障がい者と、これらの方々の養護者の自宅における生活支援のために便宜をはかり、地域福祉の増進に役立てる、②廃止になった市常磐老人福祉センターと市母子休養ホーム「白百合荘」の代替機能――でした。
これらの目的は現在でも変更されていません。
限度額の変更は、ただちに料金の引き上げを意味するものではありません。実際の料金は、条例案の可決を受けた後、指定管理を受託している「公益財団法人いわき市社会福祉施設事業団」と市が協議して、限度額の範囲内で設定することになります。
もし、限度額引き上げが利用料金の引き上げにつながることになれば、利用をためらう市民が生じることは論を待ちません。
討論では、利用料が引き上げられれば、「健康と福祉の増進等施設設置の目的及び母子休養ホーム等の代替機能が損なわれる恐れが生じてくると考えざるをえない」と指摘し、①施設の設置目的の達成を最優先に考えること、②将来的に施設の利用目的等が変更されることがあるとしても、現状ではその問題が議論されていないこと、③指定管理制度での施設運営が厳しい状況があるならば指定管理料の増額などで対処すること――などをあげ、「現在の限度額を超えて引き上げをできる状況を作り出すことをしてはならない」と、本案への反対を呼びかけました。
決算案のうち、一般会計歳入歳出決算については、3つの問題点を指摘しました。
1つは、国からの予算で充当される自衛官募集事務費で、自衛隊に入隊する若者たちの激励会を開催したことです。
激励会は、毎年、実施されています。2016年度は、それまでと異なった意味を持つものになったと考えられます。
憲法違反の声に包囲されながら、2015年に強行された安保関連法制は、歴代の自民党内閣が否定してきた、現憲法下での集団的自衛権行使を可能とし、海外に派遣された自衛隊が自ら武力を行使できるようにしてしまいました。
この法案を受け、16年度には武器をもって武装集団の中に分け入り救援活動を行う「駆け付け警護」と、他国軍とともに拠点を守る「宿営地の共同防護」を担わせた南スーダンへのPKO部隊の派遣が実施されました。
こうした中で激励会を実施することは、結局、憲法違反の安保法制による任務を、若者たちに奨励することになりかねず、「恒久平和」の理念を深く刻み込んだ、本市の非核平和都市宣言にも反することになります。
討論では、「この激励会が、安保法制という枠組みのもと、若者たちを海外の戦場での武力行使の任務に送り出すという性格を持ったもとで、決算を良とはできない」と指摘しました。
2つ目に公民館の嘱託館長化が、その効果の検証がないままに進められている問題です。
公民館の役割は、「公民館運営指針」に盛り込まれ、「ひとづくり」や「まちづくり」等とされていました。
ところが嘱託館長化が、これらの役割遂行でどのように効果を発揮するのかの検証はありません。効果の検証の上で、嘱託館長にするのか、正規職員の館長にするのかの判断が求められています。
3つ目に、個人番号制度のための決算が含まれている問題です。
個人情報流出の懸念などがあります。同時に指摘したのが、今年度の一般会計補正予算案に盛り込まれた、個人番号カードに関するシステム改修です。
改修は、個人番号カードに旧姓を併記することができるようにするものでした。
背景には、民法の男女同姓の規定の違憲性が問われた訴訟の最高裁判決が、男女同性を合憲と判断した理由の一つに、婚姻前の通称利用が広がることで改姓による不利益は一定程度緩和されるとしたことがあると考えられます。
システム改修が、本来求められている選択的夫婦別姓などの議論を避けるために利用されかねないという点でも問題がある内容と指摘しました。
国民健康保険特別会計の決算議案では、病院の窓口で医療費を全額負担し、後に保険負担分の7割の還付を受ける仕組みになっている被保険者資格証明書の発行が、国加入者のいのちと健康に悪影響を与えかねないと指摘しました。
討論を受けた採決の結果、日本共産党市議団と創世会が、同様に2議案に反対、決算案2議案を不認定としましたが、賛成多数で可決・認定されました。
討論を中心に、定例会の結果をまとめました。
ゆったり館の施設目的達成に限度額引き上げは問題あり
4議案に反対・不認定で討論しました
4議案に反対・不認定で討論しました
いわき市議会12月定例会について、討論に立った伊藤浩之議員がお知らせします。
12月定例会は12月7日から21日まで開かれました。21日には追加提出となった職員給与関連議案等17件を含む市長提出の38議案すべてと、災害公営住宅の家賃に関する請願1件、議員提出の3意見書を可決、11月定例会から継続審査となっていた2016(平成28)年度決算関連18議案を認定としました。
日本共産党市議団はこのうち、2議案に反対、決算関連の2議案を不認定としました。
反対した議案の一つは、いわき市健康・福祉プラザ条例の改正についてです。
同案は、健康・福祉プラザ「ゆったり館」の年間利用料金の限度額を4万1140円から6万2千円に引き上げることなどが内容でした。
同館は1998(平成10)年4月に利用が始まりましたが、先立つ3月定例会で市は、施設の機能を2つあげ、市民が気軽に利用できる安い料金にするとしていました。
説明された機能は、①市民の健康増進、高齢者、障がい者と、これらの方々の養護者の自宅における生活支援のために便宜をはかり、地域福祉の増進に役立てる、②廃止になった市常磐老人福祉センターと市母子休養ホーム「白百合荘」の代替機能――でした。
これらの目的は現在でも変更されていません。
限度額の変更は、ただちに料金の引き上げを意味するものではありません。実際の料金は、条例案の可決を受けた後、指定管理を受託している「公益財団法人いわき市社会福祉施設事業団」と市が協議して、限度額の範囲内で設定することになります。
もし、限度額引き上げが利用料金の引き上げにつながることになれば、利用をためらう市民が生じることは論を待ちません。
討論では、利用料が引き上げられれば、「健康と福祉の増進等施設設置の目的及び母子休養ホーム等の代替機能が損なわれる恐れが生じてくると考えざるをえない」と指摘し、①施設の設置目的の達成を最優先に考えること、②将来的に施設の利用目的等が変更されることがあるとしても、現状ではその問題が議論されていないこと、③指定管理制度での施設運営が厳しい状況があるならば指定管理料の増額などで対処すること――などをあげ、「現在の限度額を超えて引き上げをできる状況を作り出すことをしてはならない」と、本案への反対を呼びかけました。
決算案のうち、一般会計歳入歳出決算については、3つの問題点を指摘しました。
1つは、国からの予算で充当される自衛官募集事務費で、自衛隊に入隊する若者たちの激励会を開催したことです。
激励会は、毎年、実施されています。2016年度は、それまでと異なった意味を持つものになったと考えられます。
憲法違反の声に包囲されながら、2015年に強行された安保関連法制は、歴代の自民党内閣が否定してきた、現憲法下での集団的自衛権行使を可能とし、海外に派遣された自衛隊が自ら武力を行使できるようにしてしまいました。
この法案を受け、16年度には武器をもって武装集団の中に分け入り救援活動を行う「駆け付け警護」と、他国軍とともに拠点を守る「宿営地の共同防護」を担わせた南スーダンへのPKO部隊の派遣が実施されました。
こうした中で激励会を実施することは、結局、憲法違反の安保法制による任務を、若者たちに奨励することになりかねず、「恒久平和」の理念を深く刻み込んだ、本市の非核平和都市宣言にも反することになります。
討論では、「この激励会が、安保法制という枠組みのもと、若者たちを海外の戦場での武力行使の任務に送り出すという性格を持ったもとで、決算を良とはできない」と指摘しました。
2つ目に公民館の嘱託館長化が、その効果の検証がないままに進められている問題です。
公民館の役割は、「公民館運営指針」に盛り込まれ、「ひとづくり」や「まちづくり」等とされていました。
ところが嘱託館長化が、これらの役割遂行でどのように効果を発揮するのかの検証はありません。効果の検証の上で、嘱託館長にするのか、正規職員の館長にするのかの判断が求められています。
3つ目に、個人番号制度のための決算が含まれている問題です。
個人情報流出の懸念などがあります。同時に指摘したのが、今年度の一般会計補正予算案に盛り込まれた、個人番号カードに関するシステム改修です。
改修は、個人番号カードに旧姓を併記することができるようにするものでした。
背景には、民法の男女同姓の規定の違憲性が問われた訴訟の最高裁判決が、男女同性を合憲と判断した理由の一つに、婚姻前の通称利用が広がることで改姓による不利益は一定程度緩和されるとしたことがあると考えられます。
システム改修が、本来求められている選択的夫婦別姓などの議論を避けるために利用されかねないという点でも問題がある内容と指摘しました。
国民健康保険特別会計の決算議案では、病院の窓口で医療費を全額負担し、後に保険負担分の7割の還付を受ける仕組みになっている被保険者資格証明書の発行が、国加入者のいのちと健康に悪影響を与えかねないと指摘しました。
討論を受けた採決の結果、日本共産党市議団と創世会が、同様に2議案に反対、決算案2議案を不認定としましたが、賛成多数で可決・認定されました。
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