安部首相が1日付けで年長所管を発表したという報道がありました。
「『強い日本』を取り戻す戦いは始まったばかり」と、改憲について「時代の変化を捉えた改正に向けて、国民的な議論」を呼びかけ、国家安全保証会議の発足にふれた「積極的平和主義こそが、わが国が背負うべき21世紀の看板」などとしています。
振り返ってみれば2013年は「(軍事的に)強い日本」作りばかりが露出したように思います。
改憲に向けて、改憲の発議要件を決めた96条の「改正」を提唱し、それがかなわないと見るや、7月の参議院選挙後、解釈改憲に意欲を見せました。
自衛権には自国に対する侵害を排除する個別的自衛権と他国に対する侵害を排除する集団的自衛権があります。内閣法制局は一貫して、日本国憲法は個別的自衛権を認めるものの集団的自衛権は認めないという見解でした。この法制局の長官に集団的自衛権行使を容認する憲法解釈見直しに前向きとされる外務省出身の小松一郎氏を当てることで、集団的自衛権容認の解釈変更をしようというものでした。
そして12月に閉幕した臨時国会では、国家安全保障会議(日本版NSC)設置法と特定秘密保護法を自公で強行採決しました。
暮れが迫った23日には、この国家安全保障会議が初仕事。南スーダンでPKO活動に従事する韓国軍に銃弾1万発の提供を決定した。武器輸出三原則に抵触するため「例外的措置」と言っていたようですが、「国際機関からの要請があっても武器・弾薬は提供しない」としてきた政府の答弁も踏みにじるものでした。
また安倍内閣のもとでまとめられた「国家安全保障戦略」は、「『専守防衛』に代えて、集団的自衛権の行使をにらんだ『積極的平和主義』を『基本理念』として明記。世界の『主要プレーヤー』としてアジア太平洋地域全域、地球規模で軍事的関与を強めていくことを宣言」(赤旗2013/12/18=http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-12-18/2013121801_01_1.html)しました。
同時に策定された2014年から18年度の「中期防衛力整備計画」(中期防)は、図(赤旗2013/12/18から転用)の兵器の新規調達を決めています。赤旗は次のように報道しました。
「中国を念頭に置き南西諸島防衛を強化するためとして、米海兵隊のような本格的な水陸両用作戦能力を持った「水陸機動団」の新設などを盛り込みました。国連平和維持活動(PKO)など海外派兵の積極推進も強調しました」
南西諸島防衛を口実にしていますが、水陸両用車は軍事行動の対象国上陸のためでオスプレイは対象国深くに兵員を輸送し、また対象国深くに潜入した部隊の補給の役割を担い、グローバルホークは対象国上空からの相手国の動きを偵察する役割を担う。容易に想像がつきます。
それいけどんどんで海外で軍事行動をとろうという安倍政権。その安部首相が突然、靖国神社を参拝したのが暮れが押しせまった26日のことでした。兵器、海外での部隊運用の仕組みは整えてきたので、精神的な支柱として靖国神社をまたぞろ活用していくための既成事実を積み上げているようです。
陸上自衛隊が文民統制(シビリアン・コントロール)を逸脱して秘密情報部隊を組織して海外で諜報活動を行い、特殊部隊と一体で運用する構想が検討されていた、と報道されました。「改憲を見越し構想」とされますが、安部首相が次々と仕掛けてきているのは、こうした自衛隊内部の願望を実現するための矢継ぎ早の攻勢のように見えます。いや自衛隊内部ばかりではなく首相自身の強い願望のあらわれということを脇に置いてはいけませんね。
こうした戦争に国民を巻き込もうとする内閣の一員に、地元いわき市出身の森雅子参議院議員がいるのもとても残念なことです。
話は変わりますが、昨年ドイツで再生可能エネルギーについて学びました。茨城県の農民連主催のツアーで、もちろん自費での参加です。この時、日本の政治状況をドイツ人に理解してもらうことは難しいという話を聞きました。
ドイツでの「保守」「革新」の区別は憲法に対する姿勢で、現憲法を守るのが「保守」、憲法を変えるよう主張するのが「革新」だというのです。この基準から見ると自民党・安部首相は「革新」、日本共産党は「保守」ということになります(えっ!)が、安部首相がめざすのは靖国参拝に典型的に見られるように復古調の改憲=先祖返りです。今の自民党は「保守」ではなく「右翼」だと言っている方々もいるようです。
歴史を逆転させることがあってはなりません。反動的な動きが強まれば、それに対する国民の怒りも大きくなります。昨晩も、安部首相の靖国参拝はやりすぎだという声をたくさん聞きました。「戦争を知っているから、あれはやっぱりダメだよ」と話をしてくださる方もいました。歴史の反動を許さない。こうした動きを大きく出来る2014年にしていきたいと思います。
初詣で、幸多い一年を祈願する人々。遠野町上遠野の八幡神社に多くの住民のみなさんが訪れました。その願いがかない、本当に幸多き一年にしたいですね。今年もどうぞよろしくお願いします。
2014年1月1日にアップした文章には誤字、文体の不統一など、様々問題があり、多少手直ししました。1月2日朝記。
「『強い日本』を取り戻す戦いは始まったばかり」と、改憲について「時代の変化を捉えた改正に向けて、国民的な議論」を呼びかけ、国家安全保証会議の発足にふれた「積極的平和主義こそが、わが国が背負うべき21世紀の看板」などとしています。
振り返ってみれば2013年は「(軍事的に)強い日本」作りばかりが露出したように思います。
改憲に向けて、改憲の発議要件を決めた96条の「改正」を提唱し、それがかなわないと見るや、7月の参議院選挙後、解釈改憲に意欲を見せました。
自衛権には自国に対する侵害を排除する個別的自衛権と他国に対する侵害を排除する集団的自衛権があります。内閣法制局は一貫して、日本国憲法は個別的自衛権を認めるものの集団的自衛権は認めないという見解でした。この法制局の長官に集団的自衛権行使を容認する憲法解釈見直しに前向きとされる外務省出身の小松一郎氏を当てることで、集団的自衛権容認の解釈変更をしようというものでした。
そして12月に閉幕した臨時国会では、国家安全保障会議(日本版NSC)設置法と特定秘密保護法を自公で強行採決しました。
暮れが迫った23日には、この国家安全保障会議が初仕事。南スーダンでPKO活動に従事する韓国軍に銃弾1万発の提供を決定した。武器輸出三原則に抵触するため「例外的措置」と言っていたようですが、「国際機関からの要請があっても武器・弾薬は提供しない」としてきた政府の答弁も踏みにじるものでした。
また安倍内閣のもとでまとめられた「国家安全保障戦略」は、「『専守防衛』に代えて、集団的自衛権の行使をにらんだ『積極的平和主義』を『基本理念』として明記。世界の『主要プレーヤー』としてアジア太平洋地域全域、地球規模で軍事的関与を強めていくことを宣言」(赤旗2013/12/18=http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-12-18/2013121801_01_1.html)しました。
同時に策定された2014年から18年度の「中期防衛力整備計画」(中期防)は、図(赤旗2013/12/18から転用)の兵器の新規調達を決めています。赤旗は次のように報道しました。
「中国を念頭に置き南西諸島防衛を強化するためとして、米海兵隊のような本格的な水陸両用作戦能力を持った「水陸機動団」の新設などを盛り込みました。国連平和維持活動(PKO)など海外派兵の積極推進も強調しました」
南西諸島防衛を口実にしていますが、水陸両用車は軍事行動の対象国上陸のためでオスプレイは対象国深くに兵員を輸送し、また対象国深くに潜入した部隊の補給の役割を担い、グローバルホークは対象国上空からの相手国の動きを偵察する役割を担う。容易に想像がつきます。
それいけどんどんで海外で軍事行動をとろうという安倍政権。その安部首相が突然、靖国神社を参拝したのが暮れが押しせまった26日のことでした。兵器、海外での部隊運用の仕組みは整えてきたので、精神的な支柱として靖国神社をまたぞろ活用していくための既成事実を積み上げているようです。
陸上自衛隊が文民統制(シビリアン・コントロール)を逸脱して秘密情報部隊を組織して海外で諜報活動を行い、特殊部隊と一体で運用する構想が検討されていた、と報道されました。「改憲を見越し構想」とされますが、安部首相が次々と仕掛けてきているのは、こうした自衛隊内部の願望を実現するための矢継ぎ早の攻勢のように見えます。いや自衛隊内部ばかりではなく首相自身の強い願望のあらわれということを脇に置いてはいけませんね。
こうした戦争に国民を巻き込もうとする内閣の一員に、地元いわき市出身の森雅子参議院議員がいるのもとても残念なことです。
話は変わりますが、昨年ドイツで再生可能エネルギーについて学びました。茨城県の農民連主催のツアーで、もちろん自費での参加です。この時、日本の政治状況をドイツ人に理解してもらうことは難しいという話を聞きました。
ドイツでの「保守」「革新」の区別は憲法に対する姿勢で、現憲法を守るのが「保守」、憲法を変えるよう主張するのが「革新」だというのです。この基準から見ると自民党・安部首相は「革新」、日本共産党は「保守」ということになります(えっ!)が、安部首相がめざすのは靖国参拝に典型的に見られるように復古調の改憲=先祖返りです。今の自民党は「保守」ではなく「右翼」だと言っている方々もいるようです。
歴史を逆転させることがあってはなりません。反動的な動きが強まれば、それに対する国民の怒りも大きくなります。昨晩も、安部首相の靖国参拝はやりすぎだという声をたくさん聞きました。「戦争を知っているから、あれはやっぱりダメだよ」と話をしてくださる方もいました。歴史の反動を許さない。こうした動きを大きく出来る2014年にしていきたいと思います。
初詣で、幸多い一年を祈願する人々。遠野町上遠野の八幡神社に多くの住民のみなさんが訪れました。その願いがかない、本当に幸多き一年にしたいですね。今年もどうぞよろしくお願いします。
2014年1月1日にアップした文章には誤字、文体の不統一など、様々問題があり、多少手直ししました。1月2日朝記。
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