伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

北朝鮮の動向に振り回される自治体。こんな事態を引き起こさないためには・・議員だよりをまとめてみました

2017年09月07日 | 市政
 北朝鮮のミサイル発射がJアラートで告げられた後、本市はどんな活動をしていたのか。手元に「経過報告書」があります。これを見ると、時間を追って情報収集に努め、必要な情報提供を行う、こんな活動をしていたことが分かります。北朝鮮の水爆実験の時も同様です。

 こんなことに振り回されないで済むように、政府には外交手段を駆使して、北朝鮮との対話の糸口を見つけてほしい。そんな考えから記事をまとめました。

 ご覧ください。

 なお、冒頭の擬音の表記は、あくまで筆者個人の聞き取り音の擬音化なので、違うぞ、という方もいらっしゃると思いますがご容赦ください。



北朝鮮ミサイル通過
通勤前の穏やかな朝乱す
憲法が求める対話で平穏な市民生活守れ


 「トンテンカンコンキン。トンテンカンコンキン」。6時2分、突然スマートホンが鳴り出しました。画面は、「北朝鮮からミサイルが発射された模様です。頑丈な建物や地下に避難してください」と呼びかけ、対象地域に北日本の各県と北海道が列挙されていました。10数分後、再び鳴った警告音。画面は、すでに日本上空をミサイルが通過したことを知らせていました。


 この日、突然の警告音に肝を冷やした人も多かったでしょう。

 防災行政無線が設置されている沿岸部では、「ウーウー」という電子サイレン音が響き、「怖い」という声もありました。

 安保法制のもと、日本が、いざ戦争状態になった時にどんなことが起きるのか。その一端を垣間見せたように思います。



 手元に本市総合政策部危機管理課がまとめた資料があります。北朝鮮のミサイル発射にともなう対応が、時間を追ってまとめられています。

 6時2分、情報収集等の体制が設置され、体制を縮小した8時40分まで、情報の収集と情報伝達に追われていた状況が見えてきます。また、体制の廃止は16時でした。ほぼ終日、この問題に振り回された格好です。

 9月3日の北朝鮮の核実験でも同様でした。



 もちろん、市職員は住民全体に対する奉仕者です。ミサイルが上空を通過するかもしれないという事態に、そっぽを向いていていいはずはありません。万が一の危険を回避し、市民の命を守るために市職員が職務を遂行する。当然の姿です。

 東日本大震災と原発事故発生という困難な状況で、市長以下職員が踏みとどまり、多くの市民とともに復旧・復興に取り組んだのも、こういう任務を持つ職業だからでしょう。

 しかし、ミサイル発射のような事態にはならない方が良いに決まっています。対応に振り向けた労力を、市民の安全・安心と生活向上に直結する別業務に振り向けることができるからです。市民にとっても、そのほうがありがたいことでしょう。そのために何が大切なのでしょうか。

 ジャーナリズム研究者・元関東学院大学教授の松山重威さんは、「(マスコミに)大事なのは、この状況の中で『戦争にならないように日本政府は何をなすべきか』をきちんと論じ、提起することだ」として、危機意識をあおる報道に疑問を呈し、「河野外相も『北は少しひるんだ』などと挑発するのではなく」「政府はこの際、本気になって、『戦争はいやだ』という国民の声に応える政策に動くべきだ」と、しんぶん赤旗に寄稿しました。

 そのためには、北朝鮮との「対話」が必要です。

 ところが日本政府は、「対話のための対話には意味がない」と、米国に軍事圧力の強化を求め、対話を後景に追いやっています。

 一方、米国では対話を求める声が上がっています。

 6月に、ペリー元国防長官、シェルツ元国務長官など6氏は、トランプ大統領に「近いうちに北朝鮮と議論を始めるよう強く求める」とする書簡を送り、米朝間の直接対話を求めています。

 マティス米国務長官も、「北朝鮮を交渉のテーブルに着かせることができないか、われわれは平和的な圧力の動きを続ける」(FOXニュース・サンデー、8月27日)と発言しています。軍事的な脅迫なしに対話開始をめざしているのです。

 朝鮮半島情勢に詳しい早稲田大学の李鍾元(リー・ジョンウォン)教授は、「制裁だけでは効果が限定的です。さらに、北朝鮮の核実験・ミサイル発射を正当化する要因にもなっています」(しんぶん赤旗)と、対話による外交的な枠組みを示すことが問題解決に不可欠と指摘しています。

 日本国憲法は、「われらの安全と生存」は「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼」して守る――つまり対話で守ることを明確にしています。この立場を日本政府が堅持して、北朝鮮の暴挙に立ち向かうことが何よりも大切です。                                                                                                                                               
 非核平和宣言都市の本市は、ミサイルに市民が恐れおののく事態に陥らず、平穏な生活を送ることができるよう、平和的手段を用いながら対話に道を開くことを政府に求めていくことが大切です。





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