伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

自校式の給食なくさないで 川部小保護者に説明会

2015年07月09日 | 市政
 震災で被害を受けた勿来学校給食共同調理場を移転し新設する工事がいわき市南台の山田インダストリアルパークですすめられています。来年4月から稼働する予定ですが、これにともない、田人学校給食共同調理場と市内で唯一自校式給食を実施している川部小学校を勿来給調に統合する考えをいわき市は持っています。

 きょう川部小学校では、保護者と市教委の意見交換会が開かれ、約1時間30分にわたって意見交換が行われました。

 保護者は約15人が発言しました。全員が現行のまま自公給食を残してほしいという意見です。また、出席できない保護者約20人から意見が寄せられていたといい、同校PTA会長は、「自校式を継続してほしい」という意見だったと紹介しました。意見が出た保護者のほとんどは、自校式給食を残してほしいという意見です。

 その理由の一つは、子どもたちが残してほしいと訴えているということ。あるお母さんは、「ここに来る時、子どもたちに反対してきてねと見送られました。子どもたちの意見を取り入れたオリジナルのメニューなど、子どもたちは楽しみにしています。子どもたちの意見を尊重して残していいただきたい」と訴えました。

 二つ目に、学校生活の中で子どもたちが給食を楽しみにしていること。子どもたちがお腹がすき始める頃、校内にただよう調理の香り。「匂いがするのも川部小ならでは」というお母さん。調理の香りとおいしい給食で「学校にいくことが子どもたちの楽しみです。給食がやる気のきっかけになっていると思います」と、給食が子どもたちの意欲を引き出していると紹介するお母さん、「休んだ子の分の給食を誰が食べるかを、子どもたちがじゃんけんで決めているそうです」ともいました。

 三つ目に、給食を調理する職員に感謝する気持ちが子どもたちに育っているということ。「子どもが残さず食べようと思うようになり、感謝の気持ちが育っています」という保護者や、「好き嫌いの激しい子どもで、不安があり学校とも話しました。ところが、不安をよそになんでも完食するようになりました。本人の自信につながっています」「あまり食べなかった野菜を食べるようになり、子どもの健康につながっています」と訴える保護者もいました。

 そして四つ目。地域の魅力、学校の魅力の問題です。「川部小は手作り感の強い文化があります」という方、「自校式は川部小の魅力です」などという意見が出されていました。

 こうした保護者の意見に対して、市教委のスタンスは、自校式給食の勿来学校給食共同調理場の統合の方針を前提に、意見を交わしながら「着地点」を探りたいというもの。今回で意見交換は終わりにせず、今後も様々な形で意見交歓をしながら、合意できる点を探りたいといいます。

 ただこうした姿勢は、市が方針とする自校式給食の廃止を前提に、保護者を説得・納得させますよ、と聞こえてきます。6月定例会で、同校自校式給食の廃止問題をとりあげながら、「統合ありきですすめないようにしてほしい」と要望していましたが、あらためてこの立場が問われることになると思います。
 


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