伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

紙漉き

2023年03月03日 | 遠野町・地域
 ウグイスのさえずりが聞こえたのは、自宅前のスギの木の向こう側。初鳴きと行って良いだろう。
 ウグイスの初鳴きは、昨年が3月1日、
2021年が2月21日、
2020年は2月15日、
2019年は3月の始め、
2018年は3月15日、
2017年は3月中旬以降、
2016年が3月9日、
2015年が3月8日、
2014年が3月23日、
2013年が3月13日、
2012年が3月14日だった。

 昨今で見れば、早目の初鳴きとなりそうだ。

 朝の道端では、花を開いたヒメオドリコソウが霜に覆われ凍えていた。まだまだ朝は冷え込んでいるようだ。
 一方、花茎を伸ばし始めたシュンラン(いわき地方ではジジババという)を見つけた。温かい春が確実に近づいている証だ。

 しかし、春が近づくと言うことは、和紙の手漉きシーズンの終わりが近づいている証ともなる。
 なぜかというと、和紙になる楮の繊維は水に溶かしただけでは、やがて沈んでしまう。繊維を水中に浮かべておく役割を果たすのがネリと呼ばれる、ネバネバの成分だ。遠野の場合、この粘性の成分をトロロアオイの根がから抽出するが、18度を超えると急速に変性し粘りを失う。このため、気温も水温も上がる春以降は流漉きには不向きな季節になるのだ。

 そう考えると菊判の流漉きを実施できる季節もせいぜい後1ヶ月ということになる。昨年秋研修した「手漉き和紙たにの」からもっと流漉の機会を増やして身につけなさい・・リアルにいうと「1週間に1度」程度は流漉きをしなさい・・というアドバイスを少しでも活かすためには、さらにひんぱんに流漉きの機会を作る準備をすることが必要になる。

 今回の流漉き用に用意した白皮は5kg。今日に向けては半分弱が使える状況に作業ができた。紙漉きには私の他、地域おこし協力隊員が2名、先日のしょしとり等の体験の参加者1名、計5名が参加した。

 午前中は全くの初心者となるしょしとり等の参加者が流漉きに挑んだ。菊判は難しかったものの、A3版の流漉きには対応ができたみたいで、5枚程の紙を漉いた。地域おこし協力隊員の2名は、「たにの」の研修も含め何度か菊判の紙漉きをしており、それぞれが10枚は漉こうと挑戦したようだ。

 私は、途中、何枚か(たぶん3枚)の紙を漉いたが、筋肉疲労を感じそれで終ってしまった。それでも何とか、菊判の紙漉きをすることはできそうだ。あとは数を重ねて、目的に応じた厚みを出す技術を身につけることだろう。

 経験者3人のうち、私が漉いた紙がもっとも少ないが、互いに数を重ねる中で、十分な技術を身につけることができれば良いと思う。まだ材料が残っているので、週明け6日には、準備を整えて2度目の流漉き体験を重ねたい。」

 後片付け後に自宅に戻る。入遠野方面の山の上は雲が切れている。
 山は夕陽に染まっていた。



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