世界平和統一家庭連合、旧統一教会には「統一協会」という標記もある。「教会」の標記は、他の宗教団体との区別が紛らわしいので、同連合の略称を「協会」としておきたい。
一昨日、ツイッターを見ていると、グーグルのストリートビューの画像とともに、いわき市平市下神谷の御城団地に協会の施設があり、正面玄関側に、3年前の参議院選挙の福島選挙区で当選した森雅子参議院議員のポスターが貼られていることを知らせるツイート(つぶやき=投稿)をしていた方がいた。
そこで、実際どうなのか確認してみると、ツイートにある通り、施設と貼られたポスターを確認できた。ポスターの顔写真はぼかされていた。しかし、名前は「森まさ」まではっきり確認できる。
ただし、このツイートを見たのは8月9日で、ストリートビューでそのポスターの名前を確認したのも、同日だった。
翌10日にストリートビューを確認すると、前日までははっきり見えたポスターの名前がぼかされて読めないよう加工されていた。ツイッターで投稿・拡散されていることを知り、誰かがグーグルに通報した結果なのだろうか。この早業には舌をまく。政治家の統一協会との関わりが、マスコミなどで連日大きく取り扱われる中だからなのだろう。
横から見たポスターは全体がぼかされてしまった。しかし、正面から見たポスターは「森」の字は、10日の時点でもくっきり見えていた。
ストリートビューの画像を見ると「7月2019」の記述が見られる。2019年7月に撮影された意味らしい意味らしい。同年同月の21日が、森議員が当選した参議院選挙投票日だった。こうみると、森議員は、この時の選挙で統一協会(世界平和統一家庭連合)の支援を受けていたのだろう。支援の程度は分からないが、少なくとも、室内用の個人ポスターを戸外に露出する形で掲示してもらい、名前を浸透させるという支援は受けていた。もっとも外に見える形で室内ポスターを張り出すことは、公職選挙法上許されないはずなのだが・・。森議員は、故安倍首相の元で法務大臣を務めるなど、重用されていた。統一協会側としても、このような森議員との関係を構築しておきたいと考えたのかな。
統一協会は、かつて霊感商法が問題になった団体だ。先祖の因縁が不幸の原因などと脅迫しながら、グッズを購入すれば解決できると非常識に高額商品を売りつけ、多くの人に経済被害をもたらしていた。
その被害の甚大さが詐欺的手法によってもたらされたものだったことは、次の記述で分かる。
「福島嘉和元広報局長の内部告発(文藝春秋、84年7月号「手記」)によると原価1万1千円余の印鑑が120万円、1万円の人参エキスが8万円、5千円のツボが200万円、10万円の多宝塔が5千万円・・・という暴利」(新日本出版社刊、わたしは〝洗脳〟された・統一協会元会員の証言・「赤旗」社会部編。引用にあたって漢数字をアラビア数字に代えた)というめちゃくちゃな暴利だ。洗脳を前提とした詐欺以外の何物でもないと思う。
森議員のホームページをみると、「連帯保証人になった親の借金から救ってくれた弁護士に憧れ、自身も東北大学へ進学し弁護士に」とし、米国留学で消費者保護を学び、帰国後、金融庁で貸金業規制法の見直しに取り組んだことが記載されている。子どもの頃の体験が同議員を駆り立てているのだろう。こうした取り組みをしている方が、消費者を犠牲にしてきた団体に支援を受けるのは、自らの志を裏切ることにならないのだろうかと余計なことを考えてしまう。
今朝の報道をみると、森議員が女性活躍担当の首相補佐官として留任することになったと報じられている。また、朝日新聞によると、新閣僚19人のうち6人が、関連団体への会費の支払いやイベント出席などで統一協会と関わりを持っていたと明らかになったという。
今回の内閣改造にあたって首相は、各閣僚に統一協会との関連の調査とその見直しを求めていた。安倍首相の殺害事件で、統一協会信者の家族崩壊などの被害が明らかになったし、この間の報道で、同協会の被害者を支援する弁護士団体は、印鑑販売などの霊感商法による被害者からの相談を引き続き受けている実体を明らかにしている。
こうしたことを考えるならば、内閣を担う各閣僚には、統一協会と一線を画して人事を刷新することが求められていたはず。しかし、できなかった。森議員のポスター掲示も含めて、同協会と自民党の根深い関係を示すようだ。
新閣僚が決める組閣が行われた10日、世界平和統一家庭連合(級統一協会)が記者会見を行った。
報道は、同協会の田中富広会長が「いわゆる霊感商法なるものを過去においても、現在においても当法人が行ったことはない。信徒らに対しては特に2019年以降、当法人は社会的・法的に問題と指摘される行為をしないよう、コンプライアンスの徹底に努めている」と発言したことを伝えた。現在はともかく、過去においてもないという。
かつての統一協会は、信者になると行方をくらまし協会に献身する活動に従事させられたようだ。私の知人でも、出奔した妹さんを協会から奪回するためにキリスト教会の牧師と連携しながら取り組んでいる人がいたし、別の知人は、知り合いが統一協会に取り込まれた友人を救援するために、実体を知りたいと相談されてきたことがあった。最近の報道で、元信者のジャーナリストも、統一協会の上部の言葉は神の言葉であり、教義上それに逆らうことはできない信者は霊感商法に荷担せざるをえないという趣旨の証言をしていたが、霊感商法は、こうした状況の下で発生していた。出奔した信者も、こうした悪徳行動に荷担させられていたのだろう。
会見は、協会が過去を何ら反省していないことを明確に示した。だからこそ、弁護士団体にいまだに霊感商法などの相談が寄せられているのだろう。
このような統一協会と関係を続けた議員が、過去を反省し、きっぱりと関係を断つことは当然だが、問題が発覚した現在も、過去の実体を調査と今後の対応を明確に示すことは、政党として当然の姿だろう。それをしない政党は、この問題を解決しようとする姿勢がないといわざるをえないと思う。
さて、1990年代のある時期には、霊感商法や合同結婚式など統一協会の問題が顕在化していた。しかし、いったんその問題が沈静化して以降、統一協会の名を聞くことがなくなった。
個人的体験だが、久々に名前を聞くことになったのは、2000年になってからだった。
ある施設の関係者から、統一協会の関連団体がボランティアとして施設に入り込もうとしていると告発を受けたのだ。その団体は世界平和女性連合で、市内平の貸事務所に事務所を構えていた。
当時、私は共産党いわき市議団の事務局の仕事をしていて、告発の電話をたまたま受けた。そこで聞き取りと調査をした結果、女性連合が社会福祉協議会にボランティア登録をして、これを頼りに様々な施設に入り込もうとしていることが分かった。このため、社協に、登録の取り消しなどを求めて申し入れ書を提出した。そして赤旗にも記事を送った。各地の関係者の注意喚起に、少しでも役立てばの思いからだ。
申し入れは市議団でしているが、当時の仕事が事務局だけに最も素早く障がいなく対応することが可能だったしからだ。
この件以降、再び統一協会の名前を聞くことはなくなっていた。それが、安倍元首相の殺害事件により、再び脚光を浴びることになった。この不幸な事件があって、統一協会は「世界平和統一家庭連合」と名前を変えており、しかも市内に立派な施設を構えて活動していることも分かった。こうして、過去に無反省なカルト団体は、多くの信者・・ひいては多くの献金を獲得するために、その正体を隠して市民との接点を広げるチャンスを狙っているのだろう。
こうした団体と政治家が関係をきっぱり断つことはもちろん、行政のチャンネルを通して関係も持とうとするだろうから、関係団体も含め、あらためてチェックと対応を図ることが必要なのではないだろうか。
一昨日、ツイッターを見ていると、グーグルのストリートビューの画像とともに、いわき市平市下神谷の御城団地に協会の施設があり、正面玄関側に、3年前の参議院選挙の福島選挙区で当選した森雅子参議院議員のポスターが貼られていることを知らせるツイート(つぶやき=投稿)をしていた方がいた。
そこで、実際どうなのか確認してみると、ツイートにある通り、施設と貼られたポスターを確認できた。ポスターの顔写真はぼかされていた。しかし、名前は「森まさ」まではっきり確認できる。
ストリートビューの画像(9日)
ただし、このツイートを見たのは8月9日で、ストリートビューでそのポスターの名前を確認したのも、同日だった。
翌10日にストリートビューを確認すると、前日までははっきり見えたポスターの名前がぼかされて読めないよう加工されていた。ツイッターで投稿・拡散されていることを知り、誰かがグーグルに通報した結果なのだろうか。この早業には舌をまく。政治家の統一協会との関わりが、マスコミなどで連日大きく取り扱われる中だからなのだろう。
横から見たポスターは全体がぼかされてしまった。しかし、正面から見たポスターは「森」の字は、10日の時点でもくっきり見えていた。
ストリートビューの画像(10日)
ストリートビューの画像を見ると「7月2019」の記述が見られる。2019年7月に撮影された意味らしい意味らしい。同年同月の21日が、森議員が当選した参議院選挙投票日だった。こうみると、森議員は、この時の選挙で統一協会(世界平和統一家庭連合)の支援を受けていたのだろう。支援の程度は分からないが、少なくとも、室内用の個人ポスターを戸外に露出する形で掲示してもらい、名前を浸透させるという支援は受けていた。もっとも外に見える形で室内ポスターを張り出すことは、公職選挙法上許されないはずなのだが・・。森議員は、故安倍首相の元で法務大臣を務めるなど、重用されていた。統一協会側としても、このような森議員との関係を構築しておきたいと考えたのかな。
統一協会は、かつて霊感商法が問題になった団体だ。先祖の因縁が不幸の原因などと脅迫しながら、グッズを購入すれば解決できると非常識に高額商品を売りつけ、多くの人に経済被害をもたらしていた。
その被害の甚大さが詐欺的手法によってもたらされたものだったことは、次の記述で分かる。
「福島嘉和元広報局長の内部告発(文藝春秋、84年7月号「手記」)によると原価1万1千円余の印鑑が120万円、1万円の人参エキスが8万円、5千円のツボが200万円、10万円の多宝塔が5千万円・・・という暴利」(新日本出版社刊、わたしは〝洗脳〟された・統一協会元会員の証言・「赤旗」社会部編。引用にあたって漢数字をアラビア数字に代えた)というめちゃくちゃな暴利だ。洗脳を前提とした詐欺以外の何物でもないと思う。
森議員のホームページをみると、「連帯保証人になった親の借金から救ってくれた弁護士に憧れ、自身も東北大学へ進学し弁護士に」とし、米国留学で消費者保護を学び、帰国後、金融庁で貸金業規制法の見直しに取り組んだことが記載されている。子どもの頃の体験が同議員を駆り立てているのだろう。こうした取り組みをしている方が、消費者を犠牲にしてきた団体に支援を受けるのは、自らの志を裏切ることにならないのだろうかと余計なことを考えてしまう。
今朝の報道をみると、森議員が女性活躍担当の首相補佐官として留任することになったと報じられている。また、朝日新聞によると、新閣僚19人のうち6人が、関連団体への会費の支払いやイベント出席などで統一協会と関わりを持っていたと明らかになったという。
今回の内閣改造にあたって首相は、各閣僚に統一協会との関連の調査とその見直しを求めていた。安倍首相の殺害事件で、統一協会信者の家族崩壊などの被害が明らかになったし、この間の報道で、同協会の被害者を支援する弁護士団体は、印鑑販売などの霊感商法による被害者からの相談を引き続き受けている実体を明らかにしている。
こうしたことを考えるならば、内閣を担う各閣僚には、統一協会と一線を画して人事を刷新することが求められていたはず。しかし、できなかった。森議員のポスター掲示も含めて、同協会と自民党の根深い関係を示すようだ。
新閣僚が決める組閣が行われた10日、世界平和統一家庭連合(級統一協会)が記者会見を行った。
報道は、同協会の田中富広会長が「いわゆる霊感商法なるものを過去においても、現在においても当法人が行ったことはない。信徒らに対しては特に2019年以降、当法人は社会的・法的に問題と指摘される行為をしないよう、コンプライアンスの徹底に努めている」と発言したことを伝えた。現在はともかく、過去においてもないという。
かつての統一協会は、信者になると行方をくらまし協会に献身する活動に従事させられたようだ。私の知人でも、出奔した妹さんを協会から奪回するためにキリスト教会の牧師と連携しながら取り組んでいる人がいたし、別の知人は、知り合いが統一協会に取り込まれた友人を救援するために、実体を知りたいと相談されてきたことがあった。最近の報道で、元信者のジャーナリストも、統一協会の上部の言葉は神の言葉であり、教義上それに逆らうことはできない信者は霊感商法に荷担せざるをえないという趣旨の証言をしていたが、霊感商法は、こうした状況の下で発生していた。出奔した信者も、こうした悪徳行動に荷担させられていたのだろう。
会見は、協会が過去を何ら反省していないことを明確に示した。だからこそ、弁護士団体にいまだに霊感商法などの相談が寄せられているのだろう。
このような統一協会と関係を続けた議員が、過去を反省し、きっぱりと関係を断つことは当然だが、問題が発覚した現在も、過去の実体を調査と今後の対応を明確に示すことは、政党として当然の姿だろう。それをしない政党は、この問題を解決しようとする姿勢がないといわざるをえないと思う。
さて、1990年代のある時期には、霊感商法や合同結婚式など統一協会の問題が顕在化していた。しかし、いったんその問題が沈静化して以降、統一協会の名を聞くことがなくなった。
個人的体験だが、久々に名前を聞くことになったのは、2000年になってからだった。
ある施設の関係者から、統一協会の関連団体がボランティアとして施設に入り込もうとしていると告発を受けたのだ。その団体は世界平和女性連合で、市内平の貸事務所に事務所を構えていた。
当時、私は共産党いわき市議団の事務局の仕事をしていて、告発の電話をたまたま受けた。そこで聞き取りと調査をした結果、女性連合が社会福祉協議会にボランティア登録をして、これを頼りに様々な施設に入り込もうとしていることが分かった。このため、社協に、登録の取り消しなどを求めて申し入れ書を提出した。そして赤旗にも記事を送った。各地の関係者の注意喚起に、少しでも役立てばの思いからだ。
申し入れは市議団でしているが、当時の仕事が事務局だけに最も素早く障がいなく対応することが可能だったしからだ。
この件以降、再び統一協会の名前を聞くことはなくなっていた。それが、安倍元首相の殺害事件により、再び脚光を浴びることになった。この不幸な事件があって、統一協会は「世界平和統一家庭連合」と名前を変えており、しかも市内に立派な施設を構えて活動していることも分かった。こうして、過去に無反省なカルト団体は、多くの信者・・ひいては多くの献金を獲得するために、その正体を隠して市民との接点を広げるチャンスを狙っているのだろう。
こうした団体と政治家が関係をきっぱり断つことはもちろん、行政のチャンネルを通して関係も持とうとするだろうから、関係団体も含め、あらためてチェックと対応を図ることが必要なのではないだろうか。