地域等に配布している活動日誌を入院前から作成していたが、完成したので印刷に回した。
今回、本ブログの2月10日に掲載した「遠野高校の湯本高校との統合は地域とのタイアップ教育の機会を失わせる/県立高等学校改革前期実施計画に思う。」を、整理・補筆したもので、問題提起がより分かりやすくなったと思う。
遠野地区の折り込みは、3月3日を予定している。表面カラー、裏面一色でA3二つ折り。本ブログでは一足早く公開。
下の小さな画像をクリックすると大きくしてご覧いただけます。
以下、主な記事を掲載します。
■コラム
内閣官房が内閣記者会に対し、「東京新聞の特定の記者による質問」に「事実誤認等」があり、「極めて遺憾」とする要請をしたことが問題になった▼日本ジャーナリスト会議は、「民主主義社会では許されない」と抗議し、新聞労連は「首相官邸の、事実をねじ曲げ、記者を選別する」「不公正な記者会見のあり方」の改善を求めた▼特定の記者とは東京新聞の望月衣塑子記者。沖縄県の辺野古埋め立てで「赤土が広がっています」とした発言等を、政府は事実誤認とした。だが、濁りは映像等でも確認できる事実。誤認ではない▼事実誤認の有無は答弁で明らかにすればよい。そのための会見だ。内閣官房の要請に理はない。痛いところに踏み込む質問がよっぽど嫌なのだろう。
■県立高校統合/湯本校舎で、湯本・遠野統合新校/2012年移行の方針/県教委前期実施計画公表
福島県教育委員会が県立高校の具体的な再編計画をまとめました。報道では、休校を含めて74校ある県立高校のうち25校を13校に再編するといいます。このうち県立遠野高校と湯本高校統合の特別の意味を考えてみたいと思います。
県教委はこれまで、「社会の変化に的確に対応できる生き抜く力を育む」県立高校の適正規模として、望ましい学校規模を1学年4学級以上とし、1学年8学級規模の学校は学級減が必要とした福島県学校教育審議会の答申を受けて、県立高校のあり方の検討をすすめてきました。
昨年5月には「県立高等学校改革基本計画(2019年度~2028年度)」を策定。この中で、「学ぶ意欲を引き出す望ましい学校規模」を「1学年4~6学級」とし、「1学年3学級以下の高校については、学校の魅力化を図りながら都市部も含めて統合を推進」するとしていました。
地区の伝統文化継承検討
2月8日に発表されたのは、基本計画の具体化を図る「県立高等学校改革前期実施計画」で2019年度~2023年度までの具体的な再編計画を示しています。
答申を受けて本市の関連では、1学年3学級以下の遠野高校、勿来高校、小名浜高校、好間高校、四倉高校の統合が懸念されていました。
今回の計画には遠野高校を湯本高校と統合、校舎は現在の湯本高校を利用し、1学年は普通科6学級にして、2022年に開校する考えが盛り込まれました。統合後は「ICT(情報通信技術)機器等を活用した探究的な学び。遠野地区や湯本地区の伝統文化の継承。スポーツや文化などの分野に触れる学び」を特色として検討するとしています。
また、小名浜高校といわき海星高校を統合し、統合後は普通科1学級・商業科1学級・水産科3学級の5学級とし、校舎は現小名浜高校、実習には海星高校を使用し、2021年に開校するとします。統合後は、「小名浜地区ならではの水産科・商業・普通科の学科間連携。地域との連携による新たな地域の魅力を創出する取組み」を学校の特色として検討していく考えが示されています。
地域の高校消滅統合
この方針を読んだ時、小名浜・海星の統合と湯本・遠野の統合とは違ったニュアンスがあることに気がつきました。小名浜と海星は、もともと小名浜地区に存在し学校も近接しています。学科構成も、来年度の募集定員を見ると小名浜校が普通科40人・商業科40人で、海星が海洋40人・食品システム40人・情報通信40人・海洋工学40人。つまり、普通科1学級、商業科1学級、水産関係学科が4学級ということで、統合後1学級が減ずることになっていますが、高校が地域から無くなることはありません。
一方、湯本・遠野の場合、一方は常磐地区、一方は遠野地区と地区をまたぎ12㎞程離れて立地しています。統合は遠野地区の高校はなくなることを意味し、小名浜地区とは地区に対する影響の点で大きな違いがあるのです。
遠野高校は、1948(昭和23)年4月15日 県立磐城農業高等学校定時制課程として設置認可がおり、同年5月4日に県立磐城農業高等学校上遠野分校として開設、63(昭和38)年4月1日に福島県立遠野高等学校として独立しました。遠野地区で70年余にわたり高校教育を提供し、また若者の集う場の一つとして地区の活性化の一翼を担ってきた歴史を持っています。その高校が地域からなくなってしまえば、今後の地域づくりへの影響は計り知れません。
少人数ならではの特色ある教育の継承は
同時に、生徒個々人に対する教育の問題も気になります。
同校は、募集人員が2学級で、今年度の入学者はそこまでに至らなかったと記憶していますが、丁寧な少人数教育で生徒を育んできました。この指導に感謝する卒業生の声があるように、卒業生全ての進路を決定して送り出す成果を上げ続けてきているのです。
湯本と遠野の統合校では、この遠野高校の特色ある役割を引き継ぐことができるのだろうか。疑問が残ります。
統合の際には、湯本の同学年に遠野のクラスが引っ越すイメージで統合するといいます。新校には従来の湯本高生と遠野高生と、多様性が生まれることになります。
しかし、偏差値での進路指導が当たり前の状況では、やがて、多様性は失われ、偏差値で輪切りにされた旧来の高校になってしまい、引き継がれた遠野の特色は失われてしまいかねません。
地域との連携教育
また、同校は近年、地域とタイアップした教育プログラムを取り入れています。地域行事に、高校の合唱部が参加しているのもその一つ。また、同校の卒業証書は遠野和紙を利用していますが、昨年から和紙事業に取り組む「地域おこし協力隊」の指導のもと同校生徒が自ら和紙を漉く取り組みが行われています。自分の漉いた和紙で自分の卒業証書が作成されるわけです。
さらに、同校でコウゾを植えるなど、和紙作りを通じた地域とのタイアップも強めようとしていると聞きます。
このような地域とのかかわりは、コミュニケーションを図る実践的な教育となり、将来、生徒たちが社会に巣立った際に役立つことは間違いないと思います。
こうした地域との連携の深まりを考える時に、統合に向け検討される「遠野地区や湯本地区の伝統文化の継承」という役割を、遠野地区に所在しない学校が果たすことができるのか。この点も疑問です。
特色受け継ぐ統合のあり方検討を
遠野高校の特色をしっかり引き継ぐ形で統合を考えていく。このことが何よりも求められていると思います。2012年の新校発足までには、時間もあります。あらためて、統合後の新校のあり方の検討を県教育委員会に求めていくことが大切だと思います。
■ご注意ください。
下は、私のツイッターに届いたダイレクトメッセージ。お金の配送を手伝えば利益があるといっています。ニュースで犯人逮捕の話題が流れた、ロマンス詐欺の変種ですね。ネットの世界には詐欺が潜んでいます。気を付けましょう。
今回、本ブログの2月10日に掲載した「遠野高校の湯本高校との統合は地域とのタイアップ教育の機会を失わせる/県立高等学校改革前期実施計画に思う。」を、整理・補筆したもので、問題提起がより分かりやすくなったと思う。
遠野地区の折り込みは、3月3日を予定している。表面カラー、裏面一色でA3二つ折り。本ブログでは一足早く公開。
下の小さな画像をクリックすると大きくしてご覧いただけます。
以下、主な記事を掲載します。
■コラム
内閣官房が内閣記者会に対し、「東京新聞の特定の記者による質問」に「事実誤認等」があり、「極めて遺憾」とする要請をしたことが問題になった▼日本ジャーナリスト会議は、「民主主義社会では許されない」と抗議し、新聞労連は「首相官邸の、事実をねじ曲げ、記者を選別する」「不公正な記者会見のあり方」の改善を求めた▼特定の記者とは東京新聞の望月衣塑子記者。沖縄県の辺野古埋め立てで「赤土が広がっています」とした発言等を、政府は事実誤認とした。だが、濁りは映像等でも確認できる事実。誤認ではない▼事実誤認の有無は答弁で明らかにすればよい。そのための会見だ。内閣官房の要請に理はない。痛いところに踏み込む質問がよっぽど嫌なのだろう。
■県立高校統合/湯本校舎で、湯本・遠野統合新校/2012年移行の方針/県教委前期実施計画公表
福島県教育委員会が県立高校の具体的な再編計画をまとめました。報道では、休校を含めて74校ある県立高校のうち25校を13校に再編するといいます。このうち県立遠野高校と湯本高校統合の特別の意味を考えてみたいと思います。
県教委はこれまで、「社会の変化に的確に対応できる生き抜く力を育む」県立高校の適正規模として、望ましい学校規模を1学年4学級以上とし、1学年8学級規模の学校は学級減が必要とした福島県学校教育審議会の答申を受けて、県立高校のあり方の検討をすすめてきました。
昨年5月には「県立高等学校改革基本計画(2019年度~2028年度)」を策定。この中で、「学ぶ意欲を引き出す望ましい学校規模」を「1学年4~6学級」とし、「1学年3学級以下の高校については、学校の魅力化を図りながら都市部も含めて統合を推進」するとしていました。
地区の伝統文化継承検討
2月8日に発表されたのは、基本計画の具体化を図る「県立高等学校改革前期実施計画」で2019年度~2023年度までの具体的な再編計画を示しています。
答申を受けて本市の関連では、1学年3学級以下の遠野高校、勿来高校、小名浜高校、好間高校、四倉高校の統合が懸念されていました。
今回の計画には遠野高校を湯本高校と統合、校舎は現在の湯本高校を利用し、1学年は普通科6学級にして、2022年に開校する考えが盛り込まれました。統合後は「ICT(情報通信技術)機器等を活用した探究的な学び。遠野地区や湯本地区の伝統文化の継承。スポーツや文化などの分野に触れる学び」を特色として検討するとしています。
また、小名浜高校といわき海星高校を統合し、統合後は普通科1学級・商業科1学級・水産科3学級の5学級とし、校舎は現小名浜高校、実習には海星高校を使用し、2021年に開校するとします。統合後は、「小名浜地区ならではの水産科・商業・普通科の学科間連携。地域との連携による新たな地域の魅力を創出する取組み」を学校の特色として検討していく考えが示されています。
地域の高校消滅統合
この方針を読んだ時、小名浜・海星の統合と湯本・遠野の統合とは違ったニュアンスがあることに気がつきました。小名浜と海星は、もともと小名浜地区に存在し学校も近接しています。学科構成も、来年度の募集定員を見ると小名浜校が普通科40人・商業科40人で、海星が海洋40人・食品システム40人・情報通信40人・海洋工学40人。つまり、普通科1学級、商業科1学級、水産関係学科が4学級ということで、統合後1学級が減ずることになっていますが、高校が地域から無くなることはありません。
一方、湯本・遠野の場合、一方は常磐地区、一方は遠野地区と地区をまたぎ12㎞程離れて立地しています。統合は遠野地区の高校はなくなることを意味し、小名浜地区とは地区に対する影響の点で大きな違いがあるのです。
遠野高校は、1948(昭和23)年4月15日 県立磐城農業高等学校定時制課程として設置認可がおり、同年5月4日に県立磐城農業高等学校上遠野分校として開設、63(昭和38)年4月1日に福島県立遠野高等学校として独立しました。遠野地区で70年余にわたり高校教育を提供し、また若者の集う場の一つとして地区の活性化の一翼を担ってきた歴史を持っています。その高校が地域からなくなってしまえば、今後の地域づくりへの影響は計り知れません。
少人数ならではの特色ある教育の継承は
同時に、生徒個々人に対する教育の問題も気になります。
同校は、募集人員が2学級で、今年度の入学者はそこまでに至らなかったと記憶していますが、丁寧な少人数教育で生徒を育んできました。この指導に感謝する卒業生の声があるように、卒業生全ての進路を決定して送り出す成果を上げ続けてきているのです。
湯本と遠野の統合校では、この遠野高校の特色ある役割を引き継ぐことができるのだろうか。疑問が残ります。
統合の際には、湯本の同学年に遠野のクラスが引っ越すイメージで統合するといいます。新校には従来の湯本高生と遠野高生と、多様性が生まれることになります。
しかし、偏差値での進路指導が当たり前の状況では、やがて、多様性は失われ、偏差値で輪切りにされた旧来の高校になってしまい、引き継がれた遠野の特色は失われてしまいかねません。
地域との連携教育
また、同校は近年、地域とタイアップした教育プログラムを取り入れています。地域行事に、高校の合唱部が参加しているのもその一つ。また、同校の卒業証書は遠野和紙を利用していますが、昨年から和紙事業に取り組む「地域おこし協力隊」の指導のもと同校生徒が自ら和紙を漉く取り組みが行われています。自分の漉いた和紙で自分の卒業証書が作成されるわけです。
さらに、同校でコウゾを植えるなど、和紙作りを通じた地域とのタイアップも強めようとしていると聞きます。
このような地域とのかかわりは、コミュニケーションを図る実践的な教育となり、将来、生徒たちが社会に巣立った際に役立つことは間違いないと思います。
こうした地域との連携の深まりを考える時に、統合に向け検討される「遠野地区や湯本地区の伝統文化の継承」という役割を、遠野地区に所在しない学校が果たすことができるのか。この点も疑問です。
特色受け継ぐ統合のあり方検討を
遠野高校の特色をしっかり引き継ぐ形で統合を考えていく。このことが何よりも求められていると思います。2012年の新校発足までには、時間もあります。あらためて、統合後の新校のあり方の検討を県教育委員会に求めていくことが大切だと思います。
■ご注意ください。
下は、私のツイッターに届いたダイレクトメッセージ。お金の配送を手伝えば利益があるといっています。ニュースで犯人逮捕の話題が流れた、ロマンス詐欺の変種ですね。ネットの世界には詐欺が潜んでいます。気を付けましょう。
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