伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

新型コロナウイルス感染予防等で市に要望書提出

2020年04月17日 | 市政
 要望書は、いわき市の清水敏男市長(写真は要望書を示す市長)、いわき市教育委員会の吉田尚教育長に提出し、若干の時間懇談した。

 清水市長は、要望事項のうちPCR検査については、県が主体となるものであるが、本市では保健所と民間の検査会社の2ヶ所で実施しているものの、同検査を扱える検査技師が不足している現状があることを述べながら、それでも、昨日は32件の検査を実施したことを説明した。

 また、軽症者を宿泊させる施設の確保についても県の対応となり、現在、募集をかけているが、今後、その確保を市に委託するよう要請し、本市の医療崩壊につながらないように対応したいとしました。

 小中学校については、4月18日から5月6日まで休校する措置をとることを、本日、会見で公表したとし、3月の休校と違い、今回は幼稚園、保育所、放課後児童クラブも一斉に救援等の措置をとるとともに、公共施設も原則休館とすることにしたとした。ただし、家庭の事情で、子どもが家庭で過ごすことができない場合は、定まった時間の中で学校で預かる措置もとるという。県立高校の休校については、県に要請したいとした。

 5月6日以降については、追って判断するという。

 私は、国の緊急事態宣言を受けて、生活支援、特に休業補償がなければ、事業者が事業を継続し、宣言の効果が十分発揮されない事態となることから、国への要望とともに、本市独自の何らかの施策の検討もするよう、改めて要請した。

 教育長とは、要望項目のうち2番目の項目について、懇談した。

 教育長は、本市の4月16日に発生した感染事例で、家族に児童がいたことで、通っていた小学校を休校措置をとったものの、感染の広まりを受けて、保護者等にも不安が広がっているために、5月6日までの全校休校措置をとったことを説明した。

 また、要望項目にある、新型コロナウイルス感染への懸念からの休校の扱いについては、その判断は学校長にあるものの柔軟な扱いに努めることにしているとし、不利益な扱いにならないよう努めていることを示した。同時に、この周知については、積極的な周知は控えるとしているものの、相談があれば、柔軟な対応をとっているとした。

 学校給食に関わる事業者については、3月の休校時に、支援する範囲を決め、事業者で組織される学校給食会を通じて、その影響額を集約しておいおるとした。支援は、その請求を受けて行うこととしており、現在、3月分の影響額についての対応をすすめているところだという。今回の措置についても、同じ仕組みを適用していく考えだという。

 懇談では、市民のサークル活動や市民講座で利用される公民館事業等について、サークル活動が停止するなど利用者ががっかりしている状況があることについて説明したが、今後の公民館の利用について、同席した教育部長は、保健福祉部から家庭用除菌液(次亜塩素酸水)を公民館で配布する事業の依頼があり、これに対応すること等、完全に閉鎖ということではなく、状況を見ながら活動していくという。

 要望書は以下の通り。



2020年4月17日



いわき市長
 清水敏男 様


いわき市教育長
 吉田 尚 様



新型コロナウイルス感染予防等に関する要望書


日本共産党・市民共同
代   表 伊藤浩之
幹 事 長 渡辺博之
副幹事長  溝口民子
  同     坂本康一




 昨年の令和元年東日本台風(台風第19号)による災害に続く、新型コロナウイルス=COVIDO-19の感染拡大防止への対応等、相次ぐ、また長期にわたる危機管理の取り組みにあたって、心からの感謝と慰労を申し上げます。

 さて、本市では4月13日に、新型コロナウイルスの3人目の陽性者が確認されました。濃厚接触者等については調査中で、感染経路も不明とのことです。一方、全国的な感染者の動向を見ますと、4月11日をピークに12日、13日と陽性者の確認が減少しましたが、14日は増加しており、ここに感染拡大の峠を越した証を見ることができるのかどうか、さらに慎重に見極めながら、同時に、感染拡大は波状的に訪れるとする指摘もあることから、新たな感染拡大を防止するために必要な措置を講じ、また、準備していくことが重要と考えます。

 報道等を見ても、政府が緊急事態宣言を発して以降、実施区域での休業等の影響で、同区域からスポーツジムやパチンコ店などに人が流入したり、接客業の休業の影響で、従事者が地方に職を求める状況が確認されています。また、市外の人が飲食等を求め本市に流入していると指摘する声もあります。

 その中で、この度の感染源が明確でない陽性者の確認は、市民に不安を広げるものとなることは間違いありません。特に、お子さんをお持ちの保護者や、持病などでリスクの大きい市民のみなさんには、現状の予防対応でいいのかという疑問も膨らんでいると見受けられます。

 本市が4月9日に移行させて設置した、新型インフルエンザ等特別措置法に基づく「いわき市コロナウイルス感染症対策本部」が決定した、「市新型コロナウイルス感染症対策対応方針」では、「本市でもいつ大規模な流行が発生するか分からない状況である」との認識のもと、「感染拡大の速度を抑制する」「重傷者及び死亡者の発生を最小限に食い止める」「社会・経済機能への影響を最小限にとどめる」の3つを全般的な方針として定めながら、様々な施策に取り組むことを明らかにしています。

 また、政府は16日、緊急事態宣言を全国に発することにしており、市民生活への影響は、これまでにも比して大きなものになることが懸念されます。

 市の対応方針とこのような状況を踏まえながら、市民の安全と安心にとって必要と思われる事項について、以下要望いたしますので、実現の程、よろしくお願いいたします。


1 市内の感染状況を把握するため、PCR検査や疫学的調査などを積極的に進めること。

 市の対応方針では、サーベイランス・情報収集の取り組みとして、法に基づく医師の届け出による疑似感染者のほか、医師が感染を疑い必要と認める場合に積極的に検査を実施するとし、まん延防止策として「積極的疫学調査」により「感染拡大の規模を正確に把握する」としています。

 3人目の陽性確認に関し、感染源や居住地等が分からないことに不安を感じる声がありますが、その原因は、感染の広がりが分からないこと、感染した際の発症への恐れの、二つの側面があるものと推察できます。

 対応方針は、まずは、クラスターを前提とした対応を当面の課題としているように見受けられますが、人の移動の状態から見ると、無症状の感染者の存在も仮定して感染を抑制する観点からの対応が必要と考えられます。そのためにも感染の広がりの現状を把握することが大切であり、同時に、現状把握が、市民の不安を抑制することに資するものとも考えられます。

 そこで以下要望します。

ア PCR検査の本市の検査数は4月12日までで111件であり、検査数の拡大を図り感染の広がりの実態把握に努めること。また、検査の拡大に必要な機材や体制の充実を図ること。

イ 8日付け医師会会長の会見で、本市の勤務医数が全国平均の7割弱と脆弱な体制にあることに触れているが、こうした観点から考えても、無症状感染者の来院等による新型コロナウイルスの感染拡大から医療現場を守り、医療崩壊を防ぐ対応が重要になっていると考えられる。医師会等の協力を得ながら、発熱外来のような新型コロナウイルス感染の疑いのある者と他の疾病の患者を明確に区別して対応できる体制の構築を図ること。

ウ 検査の拡大で実態把握に努めることは、陽性者の確認増加につながる想定されることから、宿泊施設などを活用し、軽症者を隔離できる施設開設の準備を進めること。

エ 市内で現在、感染症に対応できる感染症病床6床(結核病床15床を加え21床)については、重傷者等の確認状況を踏まえながら、必要に応じて拡大を図る計画を策定すること。



2 新型コロナウイルス感染への不安から欠席する児童生徒及び園児等の取り扱いにおいて、本人の不利益とならない措置を講ずること。

 新型コロナウイルス感染及び感染の原因者となるかもしれない懸念から、小中学校及び高校の児童・生徒及び保護者が、通学への不安を訴える声が多数聞かれます。新型コロナウイルスの流行の拡大は、国の行政的対応の不十分さに責があるものと考えられ、児童・生徒及びその保護者の責任ではないことは明らかです。そのことを踏まえると、同ウイルス感染等への懸念からの学校等の欠席について、欠席者本人が負わなければならないとすれば、あまりにも不合理な対応と言わざるを得ません。

 文部科学省の、「新型コロナウイルス感染症に対応した小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における教育活動の再開等に関するQ&A (2020年4月6日時点)」は、次のように表記しています。

「感染経路の分からない患者が増えている地域にあり、保護者から学校を休ませたいと相談されたが、どうしたらよいか」という設問に対しては、欠席させたい事情を保護者から良く聴取し、感染症対策を十分説明するとともに、学校運営の方針等の理解を得る努力をした上で、「感染の可能性が高まっていると保護者が考えるに合理的な理由があると校長が判断する場合には、指導要録上『出席停止・忌引等の日数』として記録し、欠席とはしない場合もありうる」。

 原発事故に伴う放射性物質の拡大という状況の中で、登校の可否あるいは給食で提供する牛乳の摂取の有無については、放射性物質に対するそれぞれの考え方を相手に押し付けることなく、それぞれの家族・当事者の判断を尊重することが大切という教訓を得てきました。

 小中学校において、「密閉空間」「密集場所」「密接場面」という3つの密を避けることが、物理的に難しい状況を考えれば、なおさら、今回の新型コロナウイルスの感染拡大という危機管理にあたっても、体験に学んで、見えざる危機に対する当人らの判断を尊重する姿勢が大切と考えます。

 よって以下を要望します。

ア 文科省のQ&Aの回答は、あくまでも感染の拡大期を想定したものとみられる。本市においては、感染の状況が把握できない中で感染経路が不明の感染者が発生している現状を踏まえ、Q&Aで考え方が示されている、本人の不利益とならない「出席停止」等として扱うこと。

イ 今後の陽性者発生の状況を的確に捉え、感染拡大が確認された際には、遅滞なく、休校等の判断を行うとともに、対応できない世帯の児童・生徒の居場所を確保するために、3つの密を避けた形での学校等での預かり等の対応も準備すること。

ウ 休校等に伴い経営に影響を受ける学校給食関連事業者を支えるための支援措置を整えること。

エ 同様に、保育所や幼稚園を利用する保護者にも、不安が広がっていることから、本人及び保護者が不利益とならないよう対応すると同時に、関係者に、十分に配慮するよう求めること。



3 国・県等に要望する事項

ア 国は収入源が大幅に減った国民の生活を支えるため、基準に該当するものに30万円の給付を進める準備をしてきたが、昨日、方針を転換し、国民1人当たり一律10万円の給付をする措置の検討に入った。緊急事態宣言後の離職者が倍加している等の現実を踏まえた時に、同時に、全国に緊急事態宣言を発したことによる生活の困窮に応え、安心して国民が対応する環境を整えるために、スピード感をもって生活支援給付を実施する必要がある。無条件に1人当たり10万円の給付措置をただちに実施できるよう、制度構築と実施を急ぐよう求めること。

イ 自治体の財政規模によって、事業者の休業補償等に対する自治体間格差が生じる現状にかんがみ、自治体間格差を作らず、事業継続を図ることができるよう事業者を支えるため、及び、何よりも緊急事態宣言による休業要請を実効あるものとして実施できるよう環境を整える必要があることから、国として休業補償等の制度をただちに構築し、周知すること。市独自の支援策も検討すること。

ウ 高校生やその保護者にも、通学への不安の声があり、新型コロナウイルス感染拡大の不安等から欠席する生徒については、本人の不利益とならない措置を講ずるよう、福島県教育委員会に求めること。


以上


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